日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
13 巻
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  • 在家 美幸, 山村 佳子, 濵田 佳子, 浅野 ゆう子, 岩間 朋子, 土肥 眞奈, 叶谷 由佳
    2018 年 13 巻 p. 47-
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,人工股関節全置換術を受けた患者が術前後の車椅子乗車時に車椅子用マットを使用すること で,臀部圧力の軽減,疼痛の軽減,座り心地の改善が図れるかを主観的,客観的に検討することを目的とし た.19人の患者を対象に術前と術後4日目に2種類のマット(①TEMPUR―MEDケアクッション:以下 Tempur®とする,②エチレン―酢酸ビニル共重合樹脂発泡体マット:Ethylene-Vinyl-Acetate,以下EVAと する)を使用し,マットなしを含めた3群で,座位時の臀部にかかる圧力と疼痛,座り心地を調査し比較した. 術前後ともに臀部の除圧効果が最も高く,また座り心地が最も良い結果となったのはTempur®であった.疼 痛については有意差が認められなかったが,Tempur®が最も良い数値を示した.そのため臀部にかかる圧力 の軽減が座り心地の改善につながることが示唆された.
  • ―日本の日常生活環境との関連―
    上杉 裕子, 藤田 君支
    2018 年 13 巻 p. 53-
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,日本の人工膝関節全置換術(TKA)患者のQuality of Life (QOL)について,術後1年の 変化と日常生活環境との関連を明らかにすることを目的とした.日本の2施設のTKA患者を対象とし,QOL尺 度EQ−5D,膝関節疾患特異的尺度Oxford Knee Score,深い屈曲を伴う動作の困難感,日常生活環境を 術前と術後1年に調査した.139人(男性24人,女性115人:平均年齢73.9歳(SD±7.1))よりデータが 得られた.術前から術後1年のQOLは改善が認められていたが,深い屈曲を伴う動作の困難感は術後1年でも 高く,「自宅や外出先で畳や床に座る時」,「和式トイレを使う時」は得点が低かった.また,日常生活環境で は,家のトイレが洋式,寝具がベッド,テーブルとイスを利用する人が増えていた.生活環境と得点の関連で は,術後1年において,寝具にベッドを用いている人,テーブルとイスを使う人の方が「深い屈曲を伴う動作の 困難感」が高く,困難であることにより生活環境を整えていたことが考えられた.術後の屈曲を伴う動作の困 難性に対する看護介入の必要性が示唆された.
  • 別府 朋子, 吉田 澄恵
    2018 年 13 巻 p. 61-
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,下肢に初めてギプス固定を行う患者に対する外来看護師による看護支援内容の実態と課 題を明らかにし,共有することである.整形外科外来看護師(74名)を対象に質問紙調査を行った.その結 果,ほとんどの看護師がギプス固定自体に伴う援助を行っていることがわかった.1枚の説明用紙を用い,障 害部位や理解力に合わせて10分程度で,循環障害・神経障害をはじめとした合併症予防を重視した患者教育 を行っていた.活動制限に関する指導は半数程度の実施であったものの,履物や排泄時の工夫など具体的な 教育内容の自由記載があった.ギプス固定後の患者支援のために,主に医師・理学療法士と連携をはかって いることも確認できた.患者教育に用いるツールの開発や,より個別的かつ具体的な日常生活指導を行う場 合の判断基準や内容を見出し,普及することが必要であると考える.
  • 二宮 まどか, 上杉 裕子
    2018 年 13 巻 p. 68-
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は糖尿病とその予備群患者の人工膝関節置換術(以下TKA)後の感染に対する認識と運動療法の 実施における困難さの実態を明らかにすることを目的とした.整形外科に外来通院している糖尿病およびその 予備群のTKA後患者を対象とし,半構成的面接調査を行い,質的帰納的に分析した.分析の結果,感染に 対する認識は【感染に関する認識がある】が【感染に対して重大だと考えていない】,運動療法の実施に対す る困難さは【運動療法に対する否定的な思い】【運動療法を促される環境にない】【転倒への危機感】【加齢 に伴う身体の不調】【運動と日常生活活動との関連性の理解が不十分】が明らかとなった.多くの対象者が 【感染に対して重大だと考えていない】状況であり,全対象者が【転倒への危機感】を感じていた.患者は膝 の機能が十分でないと運動療法の実施は困難だと感じ,家族は患者の転倒を心配し,その思いを感じた患者 は運動に消極的になる可能性が示唆された.
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