日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
14 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 保科 ゆい子, 深堀 浩樹
    2019 年 14 巻 p. 28-35
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    人工股関節全置換術を実施した高齢患者の期待が実現された生活にいたるまでの体験プロセスを明らかに することを目的とした.研究デザインとしてCharmazの構成主義的グラウンデッドセオリーを採用した.参加者 は変形性股関節症に対する初回手術の後6か月から1年が経った60歳以上の女性3名で,半構造的面接を行 い,逐語録を作成,データ分析の後カテゴリー図を作成した.結果として,参加者は手術に期待をしすぎず, 元の生活に戻りたいと期待していた.その期待は,医師を信頼してリハビリを継続し,生活に折り合いをつけ ることによって実現されていた.一方で,同時に不安も抱えているという多面性のある生活をしていた.これら の結果から,看護師の支援について,実現可能な期待を持つことを促す支援と,リハビリの理解を深め患者 が折り合いをつけられるような具体的情報の提供をすることで,期待の実現につながることが示唆された.ま た,患者個々の不安や心配事に対応できるような支援の重要性も示唆された.
  • 堀之内 若名, 榎本 麻里, 髙栁 千賀子
    2019 年 14 巻 p. 36-44
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,整形外科診療所に通院する高齢者の看護へのニーズを明らかにすることを目的に行った.対象者 は研究参加への同意を得られたA県内4施設の整形外科診療所に通院する高齢患者25名であった.プライバ シーの保てる場所で,15~30分程度の個別インタビューを行い,逐語録を作成して記述資料とし,質的分析 を行った.整形外科診療所に通院する高齢患者の看護へのニーズは,113コードから最終的に【より良い療養 生活を獲得することへのかかわり】【処置時の安心感をもたらすかかわり】【丁寧な対応やじっくり話を聞くなどの 安寧をもたらすかかわり】【的確な判断や患者サービスの提供などプロフェッショナルとしての行動】【医療と患 者をつなげる役割】の5カテゴリが抽出された.運動器の障害を持つ高齢者が在宅での生活を続けることがで きるよう,生活を支える看護と,多職種が働く医療現場の中で調整役となる看護が必要であると考察された.
  • ―国内における文献レビュー―
    北澤 友美
    2019 年 14 巻 p. 45-51
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は我が国におけるアスリートに関する研究の中から,大学生アスリートのスポーツ外傷・障害後の心 理面に焦点を当てた研究に着目し,大学生アスリートがスポーツ外傷・障害をどのように捉え,どのような心理 的特徴があるのかを明らかにすることで,看護としての援助を検討することを目的とした.文献検索を行い,16 件を分析対象とした.分析の結果,スポーツ外傷・障害を受けた大学生アスリートの心理的特徴には,不安 や競技意欲の低下などがみられた.しかし,それらは複雑で定型化できるものではなく,個人差を考慮する必 要のある事象であった.またスポーツ外傷・障害時のアスリートへの看護としての援助は,傍にいることや傾 聴を強化していく必要がある.さらに医療従事者との双方向のコミュニケーションがとれるよう支援が必要であ り,必要に応じて大学生アスリートを構成する人的因子となり得る人にも情報提供を行い,サポートを行ってい くことの必要性が示唆された.
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