日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
4 巻
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  • 福録 恵子, 藤田 淳子
    2009 年 4 巻 p. 60-67
    発行日: 2009年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    骨粗枢症患者の睡眠の実態と,睡眠に影響を及ぽすと推測される円背,疼痛,活動量との関連を明確にするた め,円背の有無・腰背部痛の程度・不自由動作項目の有無・活動批の程度と睡眠との関連をPSQIにて検討した. 骨粗枢症患者の睡眠障害有症率は一般高齢者の年代別有症率を上回り,活動時の腰背部痛の増強および活動量の 低下に伴いPSQIスコアが高くなり睡眠への影響を認めた.また半数の者が,就寝時に何らかの工夫を行っており, 寝具に対する満足度は高かった.今回の検討から,睡眠障害を軽減するアプローチの必要性が明らかとなり,今後, 客観的データを用いたさらなる分析や,活動量を増加させる運動介入プログラムの検討により,睡眠障害を軽減 するケアの確立を目指したい.
  • 渡部 節子, 武田 宜子, 高島 尚美, 五木田 和枝, 大重 賢治
    2009 年 4 巻 p. 68-75
    発行日: 2009年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    我が国初めての人工股関節全置換術の術後手術部位感染予防のための術前皮膚準備方法の実態を全国的に把 握すると共に,術後手術部位感染との関係を検証することを目的に, 1,967施設を対象に記名自記式質問紙調査 を行い, 618施設より有効回答を得た.その結果,身体保清は612施設(99%)で実施していた.除毛は205施 設(36.3%)で実施し,そのうち179施設(87.3%)が病棟で実施し,用いた器具は電気バリカンが69施設(33.6%) と最も多かった.皮附消毒は493施設(79.8%)で実施し,そのうち321施設(65.1%)は手術室のみで,用い た消毒薬はグルコン酸クロルヘキシジンが58施設(29.9%)と最も多かった.過去1年間の手術部位感染は80 施設で133件発生し,感染率は1%であった.手術部位感染と,身体保清材料,除毛の有無及び方法,皮団消毒 方法・回数・消毒剤の種類消需部位の被覆との間にはいずれも有意差はなく,従来実施されていた厳重な術前 皮膚準備を肯定するエビデンスはみられなかった.
  • ニーズの充足へのチーム医療の関わり
    諏訪 千恵美, 新井 友子
    2009 年 4 巻 p. 76-80
    発行日: 2009年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    A病院整形外科病棟に入院した悪性関節リウマチ患者のA氏は, リウマチ症状の増悪とともにADLが低下し, 長期の入院となり,食事・痛み・褥創などの充足されないニーズがあった.病棟看護師はA氏に対しニーズの充 足を目標に援助したが,悪性関節リウマチの増悪期にあるA氏の食事,疼痛緩和,褥創治癒のニーズを阻害する 要因は,解決が困難なものが多く,病棟看護師や病棟チームではニーズの充足が図れないものが多かった.そこで, ニーズを阻害している要因に対して,栄養サボートチーム,緩和ケアチーム,褥創ケアチームの多職種チームの 支援を受け,連携してA氏を援助していくうちに,食事・痛み・褥創のニーズが充足されていった.特に,骨破 壊による激痛に対し,がん患者以外の整形外科疾患患者に初めて緩和ケアチームの支援を受けられたことは,A 氏の苦痛の緩和に大きく貢献できた.これらの多職種チームの琳入は,院内のシステムや先に導入したチームの 医師による依頼,病棟看護師による依頼とさまざまであった.今後は,この実践経験を生かし,早い段階で多職 種チームに相談を開始し,導入の時期も検討していく必要がある.
  • 櫻井 浩子, 中野 有賓子, 辻田 沙織
    2009 年 4 巻 p. 81-84
    発行日: 2009年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    平成17年6月から18年8月までにA病院整形外科でエンプレルを導入した患者17名にアンケートを送付し, 研究に同意を得られ回答のあった13名を対象にエンブレルの現在の使用状況,患者の知識や不安な点等について 調査を行った.エンプレルの効果は実感しているが,患者は経済的負担,今後の治療に不安を抱えていることが わかり,不安に対しての心理面への援助の必要性を示唆された.患者は症状出現時には早期に受診するように心 がけでき, 日常生活での注意点として含嗽,手洗いは行えていた. しかし,予防行動は行えておらず,重篤な副 作用に結びつくことを十分理解してもらえるように指淋していく必要がある. リウマチ患者が抱えている心理面 への負担を考慮し,身体的・精神的・社会的に安楽な日常生活が送れるよう関わることが今後の課題といえる.
  • 堀之内 若名
    2009 年 4 巻 p. 85-91
    発行日: 2009年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    整形外科の外来看護に関する現状を検討するため,「整形外科」「外来看護」「外来」「看設」「人工関節置換術」 をキーワードに,医学中央雑誌Web版(Ver.4) で検索可能な1983年から2008年までの国内文献の検索を行い, 30件の文献を得た.これらの文献から「整形外科の外来看護に必用な要素」を読み取り分類した結果,文献は「患 者の生活上の困難や問題」「身体を管理することに関する患者・家族の意識」「患者教育」「外来看護業務改善への 提言」の4つの要素に分類された.「患者の生活上の困難や問題」の文献は11件であり,看護師による術前外来 からの関わりの必要性,退院後の継続看護の必要性やあり方について述べられていた.「身体を管理することに関 する患者・家族の意識」の文献は8件であり,外来看護師に必要な能力,医療スタッフと患者とが信頼関係を築 いていく必要性, さらには看護部門と他部門との連携の必要性が述べられていた.「患者教育」の文献は6件であ り,手術予定の患者では術前外来での患者指導が有効であるという結果が示されていた.「外来看護業務改善への 提言」の文献は5件であり.クリテイカルパスの活用や課題について述べられていた.
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