日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
5 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 大山 祐介, 浦田 秀子, 楠葉 洋子
    2010 年 5 巻 p. 40-47
    発行日: 2010年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    変形性股関節症で初めて人工股関節全置換術を受ける女性患者5人を対象とし,手術前,手術後,退院後の計 3回半構成的面接を行い,周手術期における病気や手術,それに伴う生活体験について分析した.対象者の平均 年齢は74.2歳であった.手術前は〈疼痛・身体可動性障害と生活の共存)〈病状の受け入れと不安定な心理〉〈身 近な治療による症状制御》《家族の支え・協力》《最終手段としての手術》の5つのカテゴリーが抽出された.手 術後は(手術が成功したことを実感》〈手術後の苦痛を乗り越える〉〈ADL拡大への取り組み〉〈手術前の生活を 回顧〉(不自由さを抱えた日常生活〉〈家族の支えが拠りどころ〉〈人工物が挿入された身体〉の7つであった.退 院後は《自己管理のための方略》《回復の実感》《生活上のネガティブな体験》《同病者との病状比較に基づく現状 認識〉〈家族から支援を受ける生活〉の5つであった.周手術期を通して,共通して抽出されたのは家族からの支 援に関するカテゴリーであった.
  • 岡田 純也, 塩田 直美, 鳥瀬 留美, 岩下 陽子
    2010 年 5 巻 p. 48-54
    発行日: 2010年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    整形外科病棟の危機管理にKYTを取り入れて,その効果を検討することを目的に, A病院の整形外科病棟に勤 務する看護師19名を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.その結果, KYTの実施について,「良かった」は 19名(100%)であり,その理由として, (骨折患者の術後に起こりやすい危険を予測する], 【骨折患者への術後 の患者への視点が変化する】,【運動器疾患の術後に指摘し合える雰囲気を作る]であった.インシデント・アク シデント予防について,「予防できた」は17名(89.5%), 「予防できなかった」は2名(10.5%)であった.「予 防できた」の理由として, 【術後の患者に対し,考えて行動する],【骨折患者の危険について意識付ける],【術後 の高齢者の患者の危険を予測し,対応する】であった.行動の変化について,「変化あり」は17名(89.5%),「変 化なし」は2名(10.5%)であった.「変化あり」の理由として【術後の看護の注意力がアップする】,【運動器疾 患をもつ患者の危険と感じる力が身につく】,【転倒・転落に対処する】であった.
  • 上杉 裕子, 瀧口 耕平, 西山 隆之
    2010 年 5 巻 p. 55-59
    発行日: 2010年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    在院日数が短縮される昨今,人工股関節全置換術(THA)患者においては術後の生活指導を学ぶ期間も短くなり, 新たな患者教育方法が求められている.本実践報告では退院後の生活環境の中での患者に合った教育を行うため, 在宅での動画撮影映像を用いて退院後指尊を行うことができるかを確認した.プライマリーTHA術後患者10名 に動画撮影のできるデジタルカメラを渡し,在宅での様子を家族が撮影し,郵送にて返信するよう依頼した.返 信された動画情報を医師,理学療法士,看護師が確認し,必要と思われる生活指導を行った.映像から指導が必 要と判断されたのは,床からの立ち上がり, しやがみこみ,入浴動作などであった.指導方法は看護師による電 話指導あるいは理学療法士によるリハビリテーション室での直接指導を行った.以上の結果より在宅での動画情 報は有用であり,その情報を用いての教育的介入が行えることが明らかとなった.
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