日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
6 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 小山 友里江
    2011 年 6 巻 p. 30-35
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    リウマチ患者に対する人工膝関節全置換は,除痛と運動機能の改善, QOL向上を目的として行 われている.今回の研究では手術前後でQOLが改善しているかどうかを, 自記式QOL調査票ArthritisImpact Measurement Scales Version 2を用いて検討した.【方法] 2005年~ 2009年に, 20~80歳未満の患者を対象として, 術前1カ月・術後3カ月・6カ月時に調査した.【結果】対象者は25名で, 17下位尺度のうち5下位尺度で改善 が認められた.痛みとリウマチによる障害度は術後3カ月で,歩行能は術後6カ月で改善していた.【考察] TKA により痛みは術後3カ月で緩和されているが,移動能や友人との付き合いなどの社会面は術後6カ月でも変化は なく,患者が感じる全体的な健康状態の改善には時間がかかることが示唆された.これらの結果は,これから手 術を受ける患者にとって療養生活を考える上での一助になると考えられた.
  • 梅津 はるみ, 武田 宜子
    2011 年 6 巻 p. 36-41
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,腰椎術後1年目に残存する下肢しびれ感と,患者の性格及びその他の要因との関連を明確にするこ とで,術後の下肢しびれ感に対する看護師の対応への示唆を得ることにした.腰椎術後1年目の患者を対象に, 性格検査及び質問紙調査を実施し,回答を得られた45名について分析した.結果は以下の通りであった. 1.術後 の下肢しびれ感が日常生活に影響する程度は小さかったが,下肢しびれ感による歩行困難と日常生活の制限,生 活の楽しさとは強い相関を示した.2.下肢しびれ感の強さは内向性の性格と弱い相関関係を示した.3.下肢しび れ感の強さは罹病期間と膀脱機能の低下,仕事(家事)中の休息の取得,仕事(家事)の充足感と関連していた. 4.下肢しびれ感が特に強い者のなかに内向性や神経症傾向の性格をもつものが多く,それらは周りからの支援を 強く望んでいた.
  • 中田 恵理, 木村 綾, 橋本 直美, 平岡 峰子
    2011 年 6 巻 p. 42-45
    発行日: 2011年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    創外固定治療を行った患者は創外固定器を装着した状態で復学する.学校生活では様々な困難が予測されるが 具体的な問題が把握できていないため,復学後の学校生活に関する現状を調査し明らかにすることで復学に向け た患者指導に繋がると考えた.創外固定器を装着した状態で復学した小学生~高校生の患者とその家族に対し半 構成的面接を行った結果,通学時や教室に着くまでなど学校生活の各場面における状況が明らかになった.家族 が送り迎えをしたり,移動時に誰かが一緒に付き添い荷物を持ってもらうなど周囲の協力によって危険を回避し ていたまた,入院中に学校の先生と家族が連絡を取り,校内の設備など環境面の対策が取られ復学後に生じる 問題点が少なくなった.患者は家族や学校の先生,同級生の支援により学校生活をスムーズに送ることができて いた.また,入院中から筋力訓練や移乗・歩行練習の中に復学後の学校生活を想定した生活指導や,滑りやすい 環境での危険回避の指導を組み入れる必要性が示唆された.
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