日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
9 巻
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  • 堀川 新二, 楠葉 洋子, 松浦 江美, 浦田 秀子
    2014 年 9 巻 p. 30-37
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,内科的治療を受けているRA患者の生きがい感に影響を与える要因を明らかにすることを目的とし, 40歳以上の関節リウマチ患者160名を分析対象者とした.調査項目は,基本属性5項目,医学的情報6項目,心 理社会的要因11項目で構成した.分析は,生きがい感を従屈変数とし,ステップワイズ法による重回帰分析を行っ た.生きがい感に最も強い影響力を与えていた変数は「自己効力感」が強いことであった.次いで「日頃の生活 での楽しみ」があること,「情緒的サポート」があること.「日常生活動作に関する身体機能」が良いこと,「就労」 していることであった独立変数全体での決定係数は0.358で生きがい感の35.8%が説明された.医学的情報は 有意な変数として採択されなかった.生きがい感には,疾患の状況に関わらず,成功体験などの肯定的経験を祁 ける患者支援などを通して自己効力感を閲め,情緒的サポートなどの心理社会的支援や就労支援することが重要 であると示唆された.
  • 齋藤 貴子
    2014 年 9 巻 p. 38-48
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    脱臼の危険性が高い人工股関節置換術(THA)後のトイレ歩行について,「トイレ歩行自立」に向け患者の動作 をアセスメントし,安全に離床支援するための看護師の判断要素の抽出と構造化を目的とした. 4施設の14名の 専門家集団(看護師・医師・理学療法士・作業療法士)へ半構成的面接を実施し,内容分析クラスター分析を行っ た. 684コードから140クラスターが抽出され,ベッド上移動動作,ベッドとトイレの移動動作, トイレ内動作 について判断要素が構造化され, THA後患者のトイレ歩行自立に向けた判断指標の仮説モデルが描写された.判 断要素としてのクラスターは, 日常生活行動をアセスメントしながら患者が自立していない部分を補い,セルフ ケアの確立と自立を目指し,患者を気遣い配感する看護が表出されていた.
  • 菅野 眞奈
    2014 年 9 巻 p. 49-53
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    認知症高齢者に関わる病院や施設では転倒(以下.転落も含む)による骨折事例が多い.看護師は転倒による 骨折後の看護を求められる場面が多いが,認知症を併発している場合骨折などの事故時には精神的に混乱状態を 来しやすく.治根後の対応は困難を極める.そこで骨折後の認知症高齢者に対する効果的な看護介入方法の示唆 を得るため.転倒予防も含む看護介入の効呆を検証した過去10年間の文献検討を行った. PubMedおよび医学中 央雑誌から7件の文献を抽出した.介入方法として複数の方法を統合した呑護.保護材の使用.遊びリテーション. 車いす設附箇所の設定.外転枕装滸・装舒への声掛けの5種類が挙げられたが.無作為化比較対照試験で有意な 効果が示された介入は車いす設附箇所の設定のみだった.車いす設骰箇所の設定は特定の位附へ車いすを設骰す るよう変更することで導入が可能であり様々な楊所での応用が期待できる世界中で認知症謡齢者が増加して いるにも関わらず介入研究が少なく.本研究分野におけるさらなる研究が必要である.
  • 竹端 義子, 後山 純子
    2014 年 9 巻 p. 54-57
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/05/14
    ジャーナル オープンアクセス
    深部静脈血栓症(以下DVT)は人工膝関節全四換術(以下TKA)後に高率に発生し.肺血栓塞栓症の原因とも なるため予防が重要である. 2008年7月~ 2011年6月までの期間, DVT予防クリニカルバス(以下パス)適応 にてTKAを受けた100例を対象にDVTの発生率と.術中出血批,手術時間, D-dimer値との関連について検討 した.統計学的分析はDVT発症群と非発症群との比較において.術中出血屎,手術時間をMann-WhitneyのU検定. 発症群の1,4, 7日目のD-dimer値の増減の比較には多重比較検定を用いた.結果はDVT発生率5.0%.群間の 術中出血量,手術時間,D-dimer値には有意差を認めなかった発症群5名の詳細としては全体の発生率の5.0% と低値であった. D-dimerは1日目より4日目で有意な低値にもかかわらずDVTを発生しており. DVTの診断 として7日目に検査している下肢静脈エコー(以下エコー)は有用であったまた当院で運用しているDVT予防 パスは有効に稼動していると考えた.
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