本症例はミティキュア
Ⓡダニ舌下錠を先行開始後,シダキュア
Ⓡスギ花粉舌下錠の併用開始およそ1か月後にインプラント周囲炎を発症した35歳男性の歯科症例である.患者は2010年に右上小臼歯部にインプラントを埋入したが,2012年に排膿を認め他院でインプラント周囲炎と診断された.2018年当院初診後,2年間のインプラント周囲炎の治療を施行したが奏効せず,2020年に他院で経過観察となった.2022年7月,インプラント周囲組織の出血と排膿のため再受診.2021年6月よりミティキュア
Ⓡダニ舌下錠と,およそ1か月前(2022年6月)に追加されたシダキュア
Ⓡスギ花粉舌下錠を常用していた.2022年8月に外科的にインプラント体表面の肉芽組織および歯石を除去する処置を行ったが,同年11月に疼痛と出血が再発した.2023年1月から6月にかけてインプラントの上部構造の形態の改変を行い,7月以降は炎症所見が消失した.シダキュア
Ⓡスギ花粉舌下錠投与開始1か月後の炎症悪化の原因としては,口腔腫脹によってプラーク蓄積を促進し,症状増悪につながった可能性が示唆され,アレルギー反応との関連性は否定できない.したがって,インプラント周囲炎の既往を有する患者には,投与の可否を含めた処方医の指示に加え,口腔内の歯科治療を考慮した薬学的管理が必要である.さらに,インプラント周囲炎の症例を集積し,舌下免疫療法の口腔内に対する炎症症状発現に関する検討が必要である.
抄録全体を表示