日本臨床看護マネジメント学会誌
Online ISSN : 2435-2691
最新号
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  • 西井 穗, 田邊 和史, 筒井 孝子
    2023 年 4 巻 p. 1-11
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/13
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:多職種連携 が看護必要度のデータを価値あるケア情報やサービスへと変化させ,有効的に利用できるかを検証することを目的とした先行研究を系統的にレビューし,看護必要度の活用に際しての課題を整理した. 方法:医学中央雑誌 Webを使用し2022年8月検索) 「看護必要度」と「多職種」及び 看護必要度の評価に関わる職種である,「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,医師,事務職員,薬剤師,ソーシャルワーカー,介護福祉士,管理栄養士,歯科衛生士,放射線技師,検査技師,臨床工学技士,ケアマネジャー」 の 各職種名称を検索語として組み合わせ た. 結果と考察:検索の結果,解説,会議録,座談会等を扱った文献を除外すると,原著論文は57件 となった.これらか ら看護必要度を用いた多職種連携の推進に関する研究動向として相応しいと考えられた12件をもとに,以下の知見を得た. 看護必要度が診療報酬に導入された2002年当初から看護必要度と多職種に関する研究は報告されていた が,2016年の診療報酬改定を契機に看護必要度を用いた多職種連携を図るための 評価システムが試行されていた. また,看護必要度は多職種 において既に業務量評価,看護必要度評価における精度改善チーム医療等に活用 されていた. 結論:看護必要度は,これまで看護職員が主となった研究が多数,報告されてきたが,多職種が看護必要度のデータやシステムを業務に活用 している事例が示されつつあることが明らかになった.
  • 看護必要度全国研修会アンケート 結果分析より
    河田 津也, 倉橋 利成, 西井 穗, 筒井 孝子
    2023 年 4 巻 p. 12-24
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    看護必要度は,主に看護師が患者評価のために使用してきた尺度であるだけでなく,多職種協働の推進に活用できる有効なマネジメントツールである.本研究では,看護師の属性及び職位別の看護必要度データの活用意向を明らかにし,この結果から,今後の研修プログラムのあり方を考察することを目的とした. 方法として,一般社団法人日本臨床看護マネジメント学会が実施した「2020年度ステップアップ研修」参加者の1,975名に対し,協力が得られた1,265名のデータ(回収率64.1%)を用い,病床,職位別等の分析を行った. 職位による活用意向に有意差が示されたのは,入院患者の受入れ病棟の決定,看護師の要員算定,傾斜配置,病棟の再編成・病棟の増減で,いずれも看護部長,看護師長等の看護管理者の活用意向が有意に高かった.一方,業務分析・業務改善,多職種連携,退院調整に関しては,看護管理者とスタッフレベルとの有意差は無く,どの職位でも活用意向が高いことがわかった. 以上の様な活用意向が示されたことは,従来の職位に連動した看護管理だけではなく,職位に関わらず,全ての職位のマネジメントスキルを向上させる必要を示唆している.加えて,新たなテーマとして多職種連携や退院調整のスキル向上が求められていると考えられた.今後は,スタッフレベルと地域の多職種との看護必要度データの利用による連携スキルに資する教育を推進し,地域連携へ寄与することが期待されている.
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