【目的】国外で発表された看護技術としての指圧 ・ マッサージに関する成果より,それらの使用状況や効果,留意点を概観することを目的とした.
【方法】CINAHL with Full Text より “acupressure” and ” nursing” をキーワードとし,全文が入手可能であった病者を対象とした英文文献 11件を対象とした.対象者の地域 (国),対象となる症状,用いた経穴と適用方法,研究デザイン,評価方法についてデータを整理した.
【結果】対象となる症状は,呼吸困難,陣痛,嘔気嘔吐などであった.指圧 ・ マッサージは,標準的なケアに指圧 ・ マッサージを追加して適用された.使用頻度の高い経穴は「内関」「三陰交」「足三里」であった.アウトカムの評価は被験者の主観的な症状の程度と生理的指標を組み合わせたものが多かった.事故など有害事象の報告はなかった.
【結論】 1.指圧 ・ マッサージは,全文献において症状緩和に有効であった. 2.指圧 ・マッサージを,もともと伝統医療のひとつとして用いる地域 (国) において,看護技術としても実践されている状況が確認された.日本においても指圧 ・ マッサージは人々の健康増進のために一般的に用いられているため,臨床現場において看護技術として採用することを検討できる土壌がある. 3.看護技術としては,位置を特定しやすく,衣服の着脱を要しない,前腕や下腿の経穴が多く用いられた.
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