日本看護技術学会誌
Online ISSN : 2423-8511
Print ISSN : 1349-5429
ISSN-L : 1349-5429
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
総説
  • 新関 幸子, 服部 容子
    原稿種別: 総説
    2026 年25 巻 p. 1-11
    発行日: 2026/04/20
    公開日: 2026/04/20
    ジャーナル フリー

     本研究は, 看護師による静脈穿刺に関する既存の文献を整理し, 知識と技術の実態および技術教育や継承における課題を明らかにすることを目的として, PRISMA-ScRに準拠したスコーピングレビューを実施した. 医中誌Web, CiNii, PubMed, CINAHL, Cochrane Libraryを用いて文献を検索し, 最終的に19件の文献を分析対象とした. その結果, 多くの研究は合併症の予防と1回での穿刺成功を目指した血管選定, 血管怒張, 穿刺手技, 対象者への配慮といった視点から静脈穿刺の知識と技術を報告していた. また, 熟練看護師による視診や触診, 針の操作といった熟練した技術を分析した研究もみられた. これらの知見は実践を支える重要な根拠となっている一方で, 血管選定や血管怒張, 針の操作など, 静脈穿刺に関する知識と技術を体系化した研究は見当たらず, 部分的な知見の深化に留まっていることが課題として示された.

原著
  • 難波 亨, 工藤 悦子, 和田 ゆい, 齋藤 道子, 進藤 ゆかり, 山崎 公美子
    原稿種別: 原著
    2026 年25 巻 p. 12-21
    発行日: 2026/04/20
    公開日: 2026/04/20
    ジャーナル フリー

     本研究は, 視線分析と計量テキスト分析を用いて, バイタルサイン測定場面における看護教員の実践的思考を明らかにすることを目的とした. 看護教員11名を対象にバイタルサイン測定場面の視線計測後, 半構造化インタビューを実施し分析した. 結果, 視線分析では, 注視時間割合および注視回数割合のArea of Interest (AOI) 比較において, 〈周辺環境〉と〈物品〉の割合が〈頭頚部〉, 〈腕〉より有意に高かった. 計量テキスト分析では, 【バイタルサインを含む全身状態の包括的観察】, 【患者状況と安全な環境に関連した観察】, 【正確なバイタルサイン測定に向けた準備と実践】, 【患者状態に応じた情報収集の思考プロセス】, 【患者の表情を含めた身体的観察による状態把握】, 【意識的または無意識的な視線に基づく状況認識】の6カテゴリーが抽出された. 看護教員は, 学生に教授することを念頭においた包括的な患者把握に関する実践的思考を有することが示唆された.

  • 山口 夕貴, 新見 千穂, 横川 亜希子, 米川 弘樹, 原 美希, 明野 伸次
    原稿種別: 原著
    2026 年25 巻 p. 22-30
    発行日: 2026/04/20
    公開日: 2026/04/20
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は, 摩擦を伴わない清潔ケアによって, 皮膚に清浄効果があるか, また, 方法の違いによって皮膚清浄度に差があるか検証することである. 健康な成人男女24名の前腕に対し, 清拭と摩擦を伴わない3つの清潔ケアを実施した. 摩擦を伴わない方法は, 押しぶき, 湯による洗浄, 泡による洗浄とした. 皮膚清浄度の評価には, ATP拭き取り検査 (A3法) を用いた. すべての方法で, 実施前のATP値と比較して実施後のATP値が有意に減少した. また, 実施後のATP値およびATP減少率には, 方法間で有意差は認められなかった. 摩擦を伴わない3つの清潔ケアは, 清拭と同等の皮膚の清浄効果をもたらし, どの方法も十分な清浄効果を示す可能性が示唆された.

実践報告
  • 丹羽 昭乃, 藪中 幸一, 青木 未来, 畑 菜都希, 四谷 淳子
    原稿種別: 実践報告
    2026 年25 巻 p. 31-37
    発行日: 2026/04/20
    公開日: 2026/04/20
    ジャーナル フリー

     本研究は, 超音波診断装置B/Mモードを用いてオトガイ舌骨筋の運動時間を測定し, ヘッドレスト調整が嚥下時間に及ぼす影響を検討した. 対象は20~70代の健常成人22名 (男性16名, 女性6名) とし, ヘッドアップ30度のセミファーラー位でヘッドレスト角度を0度および50度に設定. 各条件で10mlの飲料水を嚥下し, オトガイ舌骨筋の運動時間を超音波診断装置で測定した. 0度と50度の嚥下時間の差を求め, 年代別に3グループに分け比較した. 結果, 50度での嚥下時間は0度より短縮した. これは, 頚部前屈により喉頭の移動距離が短縮し, 前頸筋群の緊張が緩和されることで嚥下運動に影響した可能性がある. 特に高齢者では喉頭下降が嚥下時間延長に関与したと考えられる. 本研究は, ヘッドレスト50度の調整が嚥下時間を短縮し, 嚥下機能の補助手段としての応用が期待されることを示唆した.

feedback
Top