日本看護技術学会誌
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最新号
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原著
  • 丸谷 望美, 藤田 寿一, 今中 基晴, 秋原 志穂
    2019 年 18 巻 p. 78-85
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー
     【目的】活動制限患者の手指衛生に対する看護師の認識と支援行動の実態を明らかにする. 
     【方法】一般病棟の看護師250名を対象に自記式質問紙調査を実施した. 
     【結果】有効回答のあった対象者160名の認識について「患者の手指は汚染されていると思う」は中央値5であり, 他の項目は2~4であった. 支援行動は131名 (81.9%) が実施し, 内訳は「手指衛生が行えるよう介助をする」128名 (97.7%) , 「手指衛生の指導をする」56名 (42.7%) で, その目的は「患者の清潔を保つ」115名 (87.8%) , 「患者自身の感染予防」108名 (82.4%) などであった. 「手指衛生が行えるよう介助をする」タイミングについて「いつも行っている」割合が最も高かったのは「患者の手指が目に見えて汚染している時」61.7%であり, 最も低かったのは「面会者との交流後」0.8%であった. 
     【考察】医療関連感染の拡大防止の観点から患者の手指衛生に対する看護師の支援行動の実施は不十分であり, その要因として看護師の認識が不十分であることが示唆された.
  • 武内 和子
    2019 年 18 巻 p. 86-96
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー
     目的: 患者と看護師の初回対話における言語・非言語行動の時系列変化から看護師の関係開始スキルの特徴を明らかにする.
     方法: 看護師6名と看護学生6名を対象に同一模擬患者で初回対話のロールプレイング10分間を実施し, 解析用ソフトウエアELAN を用いて言語・非言語行動の時系列変化を10ミリ秒精度で抽出し比較検討した.
     結果: 発話回数・時間, 発話内容の主張の強弱, 身体動作回数の時系列変化で看護師は二谷型パターンのメタ相補性を表し, 学生は平坦パターンを表した. 看護師の同時沈黙は患者に帰属し, 無意味語・動作 (フィラー) の出現頻度は患者に同調する傾向を表した.
     結論: 看護師は複数チャネルの抑揚の共変化で患者の発話を引き込み, 合間の沈黙場面で患者と身体共鳴する援助関係の基本姿勢に戻ることが示唆された.
  • 能登 裕子, 村木 里志
    2019 年 18 巻 p. 97-107
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究は, 車いすの段差乗り上げ時の介助操作の容易性向上, 介助負担の軽減を目的とし, ティッピングレバーの形状と位置を比較検討した. 介助者は高齢女性15名とした. 形状3条件, 位置6条件 (高さ2条件, 長さ3条件) のレバーを用いて, レバー踏み込み動作時の足底圧, 筋活動, 姿勢角および主観評価を計測し, 介助負担と操作の容易性を評価した. 形状条件では, 平坦型が円筒型にくらべ踏み込み面積の増加とともに踏み込みやすさが向上した. 位置条件では, 高さ2条件とも標準長さ+40mm以上のレバー条件にて, 踏み込み位置が踵側で行われるとともに筋活動の減少傾向を示した. また, 高さが低い条件では, 股関節と膝関節が伸展する傾向があった. 一方で, 車いすの速度と乗車者の乗り心地には変化がみられなかった. 以上の結果から, 踏み込み面の平坦化と標準長さ+40mm長さのレバーは, 乗車者の乗り心地を低下させることなく, 介助者の操作の容易性を高めることが示唆された.
  • ―三角法と結び法の比較―
    高津 愛結, 前田 奈那子, 安部 茉里, 玉井 夏帆, 小林 美綺, 齋藤 このみ, 松平 明日絵, 由井 愛莉, 横畑 智洋, 渡辺 千 ...
    2019 年 18 巻 p. 108-114
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー
     シーツ上辺の角を三角形に折り込む方法 (以下, 三角法)と, シーツ上辺の両角を結ぶ方法 (以下, 結び法)の比較を通して, エアマットレスに対するずれにくいベッドメイキングを明らかにすることを目的とした. 41名の看護学生に, エアマットレスに対して2つの方法でベッドメイキングを実施してもらい, そのベッド上で患者役に日常生活援助を実施し, シーツに生じたずれを比較した.
     エアマットレス全体, 中央, 足側, 右側, 左側, 表面において, 三角法の方が有意にずれにくかった. 結び法の方がずれにくかったのは, 頭側のみであった. 三角法は, シーツ同士の接触面積が広く摩擦力が大きいため, 結び法よりずれにくいと考えられる. 特に, 三角法は褥瘡好発部位である仙骨部や踵骨部が位置する中央・足側がずれにくいため, 褥瘡リスクの軽減にもつながると考えられる.
  • 香川 将大, 清川 拓馬, 木下 博恵, 根本 清次
    2019 年 18 巻 p. 115-122
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, 合図からの歩行開始に着目した歩行測定方法の基礎的なデータを収集し, その再現性を検証することである. また, 各歩行データと転倒リスク要因の関連性について検討を行う. 測定は, 宮崎大学と三和ニューテック(株)が共同開発した「歩行測定器」を用いて, 高齢者群28名と健常成人群30名を対象に安全に実施された. 高齢者群の歩行データから級内相関係数を算出した結果, 踏み出し接地時間以外の歩行データについては, 1回の試行で良好な再現性を有することが示された. 踏み出し接地時間も3回の試行で概ね再現性は良好であった. 各歩行データは, 高齢者群と健常成人群で有意に差がみられ, 従来の測定方法により計測された歩行速度や歩幅, 反応時間の先行研究と類似した結果を示した. 本測定方法により得られる歩行データによって, 歩行能力の低下や反応時間の遅延といった転倒リスク要因を評価できる可能性が示唆された.
  • 菱沼 典子, 大久保 暢子, 加藤木 真史, 佐居 由美, 伊東 美奈子, 大橋 久美子, 蜂ヶ崎 令子
    2019 年 18 巻 p. 123-132
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー
     目的: 看護技術研究の成果が実践や教育に活かされているかどうかを検討する目的で, 言い伝えや経験知に基づく看護技術の使用の実態を調査した. 方法: 看護協会等の研修会に参加した看護実践家と看護教員計476人を対象に, 研究により①確立されている技術, ②確立には至っていない技術, ③疑問が呈されている技術・手技について, 自記式質問紙調査を行った. 結果: 458部を回収 (回収率96.2%)し, 有効回答は374部 (有効回答率81.7%) であった. ①の例では点滴漏れへの対処に適切な冷罨法の実施は21.4%であった. ②では採血時に親指を中にして手を握ることを90.1%が実施していた. ③では浣腸前の摘便を27.5%が実施していた. 考察: 確立している技術が使われず, 確立途中の技術は使われ, 疑問を呈されている技術も使われている実態は, 研究成果と実践や教育に隔たりがあることを示している. 研究成果の活用には容易なアクセスと共有が課題であると考察した.
短報
  • 原 明子, 川北 敬美, 四谷 淳子, 道重 文子
    2019 年 18 巻 p. 133-138
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, 被採血時に失敗された経験の有無に分け, 血管の深さと血管断面積との関係, 目視可否について明らかにすることである. 20歳以上の女子学生10名20肢を対象に, 被採血時の失敗経験無し群と被採血時の失敗経験有り群に分け両上肢の駆血前後の皮膚表面から血管までの距離, 血管径, 血管断面積, 目視による血管確認を行った.その結果, 皮膚表面から血管までの距離が2.1mm未満, 血管断面積が10.2mm²以上の血管をもつ上肢では, 被採血時の失敗経験無し群は20肢中12肢,被採血時の失敗経験有り群は20肢中1肢であった. これに対し, 皮膚表面から血管までの距離が2.1mm以上, 血管断面積が10.2mm²未満の血管をもつ上肢では, 被採血時の失敗経験無し群は20肢中1肢, 被採血時の失敗経験有り群は20肢中12肢であった. 被採血時の失敗経験有り群は, 皮膚表面から血管の深さは深く, 血管断面積も小さい割合が多いこと, また, 目視による可視化ができない割合も高いことから, 血管の選定が難しいと考えられ, 採血が失敗される要因であることが示唆された.
原著
  • 高橋 有里
    原稿種別: 原著
    2019 年 18 巻 p. 42-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル フリー
     これまでの研究で, 油性の徐放性製剤であるハロマンス®筋注部位の硬結の本態は, 基剤のゴマ油由来の油滴が組織内に大きく残り, 周辺組織の炎症反応が長期間持続したものであることが明らかとなっている. 本研究では, 硬結を予防するために筋肉内で油滴が細かくなる介入方法を明らかにすることを目的に動物実験を行った.
     研究Ⅰでは, ラットに筋注した後, 筋収縮運動をする群と微振動を与える群とマッサージをする群に分けて実験した結果, 筋収縮運動群で油滴の断面積が小さかった.
     研究Ⅱでは, 研究Ⅰで効果のあった筋収縮運動を60秒実施群, 30秒実施群, 15秒実施群に分けて行った結果, 60秒実施群で油滴の断面積が小さかった. なお, ハロペリドール血中濃度は対照群と有意差はなく, 60秒の運動が安全であることも示された.
     以上より, 油性の徐放性製剤に起因する硬結を予防する介入方法として, 注射された部位の筋肉が収縮する運動を60秒間実施することが効果的であると示唆された.
  • 首藤 英里香, 武田 利明
    原稿種別: 原著
    2019 年 18 巻 p. 50-60
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, 床上での上方移動において「補助具なし」「補助具を頭側から用いる方法」「補助具を側方から用いる方法」の3条件を設定し, 援助者と被援助者の身体的・心理的負担について準備期・実施期・終了期の視点から分析し, 上方移動時の被援助者に及ぼす影響とその関連要因について明らかにすることである.
     被験者は看護者役10名 (29.9±2.0歳), 患者役1名 (BMI : 18.70kg/m2) とした. 看護者役は脊柱起立筋の筋活動と体幹の前傾角度, 患者役は胸鎖乳突筋の筋活動と頸部後屈角度を測定し, 両者に主観的調査を実施した. その結果, 補助具の使用により患者役・看護者役双方の総合的な主観的肯定感は高く, 補助具の活用が有効であると考えられた. しかし, 補助具の用い方によっては身体的負担を増加させてしまう可能性が明らかになった. さらに, 上方移動時の被援助者へ及ぼす影響には, 補助具の挿入・除去の仕方, 患者役の身体の支え方, 看護者役の身体の使い方が関連していることが示唆された.
実践報告
  • 細野 恵子, 荒川 良晴, 馬場 亜紀
    原稿種別: 実践報告
    2019 年 18 巻 p. 61-68
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル フリー
     本研究は, 睡眠障害を有する重症心身障害児者に対し両前腕への継続的な温罨法が睡眠リズムに与える影響の検討を目的に, 不規則睡眠覚醒型の睡眠障害を有する準超重症児者1名を対象に, 2015年9月から12月に介入調査を実施した. 温湿熱パックを使用した両前腕への温罨法を1日20分間4週間継続して実施し, 介入前後の睡眠/覚醒時間, 睡眠状況, バイタルサイン, 皮膚状態の変化を比較した. その結果, 日中のうとうと時間の有意な減少, 覚醒時間の有意な増加が示された. バイタルサインや皮膚状態は継続的な湿熱加温の実施後において異常所見はみられなかった. 以上の結果から, 本温罨法による湿熱加温刺激は準超重症児者の深部体温に刺激を与え睡眠リズムに影響を及ぼすこと, 両前腕への継続的な湿熱加温刺激による本温罨法は安全性を有することが示唆された.
その他(資料)
  • 安田 佳永, 山口 真弥, 杉村 直孝, 丸山 朱美, 宮永 喜美子, 鈴木 美幸, 河嶋 亜衣, 平舘 ありさ, 菱沼 典子, 矢野 理香
    原稿種別: その他(資料)
    2019 年 18 巻 p. 69-77
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, 高齢者の皮膚において腰背部温罨法を実施することの安全性を, 皮膚状態および皮膚温の経時的変化から検証することである. 調査方法は, クロスオーバーデザインとし, 健康サークルに所属する高齢者8名 (平均年齢73.0±3.5歳) の腰背部において, 60℃に統一した湯で温めた2枚のタオルをビニール袋に入れた温タオル貼用 (群) と, 乾いた2枚のタオルをビニール袋に入れたタオル貼用 (群) の両群を実施した. 結果, 皮膚状態の評価指標である経表皮水分蒸散量および角質水分量は, 貼用開始時と除去後15分において2群間および各群内に有意な差はなかった. 皮膚表面温度および皮膚深部温度は, 2群における経時的変化の比較から, 温タオル貼用群はタオル貼用群より有意に上昇した. しかし, 温タオル貼用群の皮膚深部温度は38℃未満で経過し, 低温熱傷などの有害事象は生じなかった. よって, 高齢者においては, 本研究の温罨法は安全性が高いと考えられた.
総説
  • 安田 佳永, 矢野 理香
    原稿種別: 総説
    2019 年 18 巻 p. 1-8
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, 静脈穿刺における血管怒張手技の怒張効果検証のための実験設計, 測定方法, 実施後の怒張効果に焦点を当て, 血管怒張手技の有効性の研究動向を明らかにすることである. Cooper (1998) の統合的文献レビューの方法を参考に行った. 国内文献は医学中央雑誌web版, 海外文献はCINAHL web版およびPubMedを用いて, 「 (血管AND怒張) AND穿刺」, 「 (血管AND拡張) AND穿刺」, 「 (静脈AND怒張) AND穿刺」, 「 (静脈AND拡張) AND穿刺」をキーワードとし, 文献検索を行った結果, 10件の国内文献と6件の海外文献が分析対象となった. 結果, 80%以上が駆血と温罨法に関する文献だった. 血管怒張手技により, 血管断面積や血管径は大きくなり, 血管の深さは浅くなること, 穿刺成功率は増加し, 針の挿入時間は短縮されることが明らかになった. しかし, 同じ怒張手技でも研究間で実施時間や使用用具などの方法に差異があり, 怒張の程度は異なっていたため, 一概に手技の比較ができないと考えられた.
  • 杉村 直孝, 矢野 理香
    原稿種別: 総説
    2019 年 18 巻 p. 9-16
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル フリー
     本文献レビューは看護学生への看護技術教育において精神運動領域の測定指標と測定方法の実態を明らかにすることを目的とした. 医学中央雑誌web版で「看護技術&学生&教育効果」, CINAHLで「nursing skills & nursing students & effect/effectiveness」をキーワードに検索し国内15件, 海外21件をレビューした. 対象となった看護技術は日常生活援助技術 (国内33.3%, 海外0%) や診療検査・療養に関わる技術 (国内53.3%, 海外71.4%) が主で, 評価の視点は《到達度評価》, 《手順評価》, 《正確性評価》, 《迅速性評価》と《複合的評価》の5つであった. 測定時期は《介入前》, 《介入中》, 《介入後》, 《介入後長期》の4つであった. 精神運動領域の効果測定には測定指標の選択や組み合わせ, 測定時期の検討が必要であり, 《介入後長期》での技術習得の維持・向上を評価する重要性などが示唆された.
原著
  • 石井 和美, 中田 弘子, 小林 宏光, 川島 和代
    原稿種別: 原著
    2019 年 18 巻 p. 17-25
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は, ディスポーザブルタオル (以下, ディスポタオル) を用いた部分清拭が高齢者の皮膚に与える影響を明らかにすることである. 地域在住の65~74歳の高齢者27名を対象に, ディスポタオルと綿タオルを用いて左右の前腕の清拭を実施し, 清拭前後の清浄度, 水分量, pH, 皮膚温を測定した. これらの客観的測定に加えて, タオルの使用感について清拭後に主観的に評価を行った. 結果はディスポタオルによる清拭後の皮膚清浄度は綿タオルと同等で弱酸性を保持していた. ディスポタオルの清拭後15分までの皮膚水分量は高く (P<0.01) , 一方で, ディスポタオルの方が清拭後の皮膚温の低下が大きかった (P<0.01) . 主観的評価ではディスポタオルの「やわらかさ」と「肌触り」に差がみられた (P<0.05) . これらの結果からディスポタオルの清拭においても拭き取り後の気化による熱損失が大きいため, 皮膚上の水分を十分に拭き取る必要があることが示唆された.
  • 志戸岡 惠子, 内藤 直子
    原稿種別: 原著
    2019 年 18 巻 p. 26-35
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル フリー
     慢性期脊髄損傷 (脊損) 者の排便形態・便失禁の有無が, 自尊感情 (自尊) と自己効力感 (効力) に与える影響の明確化を試みた. Webと郵送募集に応じた対象者114人 (男92, 女22) に, 調査票を配付した. 対象者の年齢中央値は47歳 (8-80) , 脊損後経過年数中央値は14年 (1-55) であった. 排便形態は, 摘便・坐薬・浣腸が96人, 人工肛門が5人, また, 便失禁あり (失有) 85人, なし (失無) 29人であった. 自尊指標平均値は, 失有群26.1±7.0で, 失無群の29.4±6.1より有意に低かった (P=0.027) . また, 人工肛門群は33.6±6.1で, 摘便・坐薬・浣腸群の26.8±6.9より有意に高かった (P=0.034) . さらに, 便失禁頻度が「月数回」の場合に, 他の群より有意に高かった (P=0.042, ANOVA) . 一方, 失有群の効力指標平均値は8.4±4.2で, 失無群の10.2±4.4より有意に低かった (P=0.045) . 排便形態, 便失禁頻度による差はなかった.
     本研究では, 脊損者の便失禁が自尊・効力の低下に影響し, また脊損者が自ら選択した排便形態に適応していることが明らかになった.
実践報告
  • 人見 太一, 谷地 ちぐさ, 山口 創
    原稿種別: 実践報告
    2019 年 18 巻 p. 36-41
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/20
    ジャーナル フリー
     本症例は, レストレスレッグス症候群 (RLS) を有すると思われる両下肢の熱感, 疼痛, むずむず感を呈する重度寝たきりのパーキンソン病患者であった. 本症例は, 入浴後に行われている下腿部への保湿塗布により, RLSと思われる症状を強める傾向にあった. 先行研究によれば, 1秒に3~5cmの速さで下腿部への保湿剤塗布を行うことで, リラクセーションの効果が期待できると報告されている. そこで本研究では, 先行研究に基づいた, 1秒に3~5cmの速さを意識した下腿部への保湿塗布の有効性を検討した. 結果, Visual Analog Scaleを指標とした熱感, 疼痛, むずむず感に大きな変化をもたらした. 同時に筋緊張にゆとりがみられ, 若干ではあるが, 関節可動域の変化も確認された.
     本研究は, RLSへの根本的な解決策となるものではなかったが, 本研究で行った方法は, 新たなカウンセリングやコミュニケーション手段の一環として行うことに意義があると考えている. 加えて, 熱感, 疼痛, むずむず感の訴えが減少したことは, RLSを呈することで発症しやすいといわれている抑うつや不安の予防が期待される.
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