目的: S-allylcysteine(SAC) 高含有ニンニクサプリメントの忍容性の検討を主たる目的、認知機能に対する効果を二次的目的としてオープン試験を行った。対象と方法:軽度認知障害およびAlzheimer 病患者がSAC 高含有サプリメントを16 週間摂取し、臨床的観察、認知機能検査、血液および尿検査を受けた。結果:軽い腹部膨満感、軽い下痢が見られた他はニンニク特有の呼気の悪臭もなく、血液検査の結果も含め副反応は認められなかった。治療意図集団ではMini-Mental State Examination (MMSE) の改善5例、不変11 例、悪化2 例であった(p=0.030)。プロトコル準拠集団ではMMSE の改善傾向を示した(p=0.097)。Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale および尿中8-hydroxy-2' deoxyguanosine に有意な変化は見られなかった。結論:SAC 高含有ニンニクサプリメントの忍容性は 高く、認知機能の改善傾向が見られた。今後多数例での二重盲検試験で確認し、認知症予防効果があるかどうかを調べる価値がある。
71 歳男性。半年前からの歩行障害を主訴に他院受診。特発性正常圧水頭症が疑われタップテストが行 われるも症状の改善がないことから、外科的な治療の適応がないと判断された。当院で再度MRI 検査を行い、晩発性膜性中脳水道閉鎖症と診断し、第三脳室底開窓術を施行し術後、症状の改善が得られた。特発性正常圧水頭症が疑われる高齢者でも、特発性正常圧水頭症以外の水頭症である可能性があることについて十分知っておくことが必要である。
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