DF (セルロース, リンゴパルプ, グアーガム) が妊娠ラットの血漿リポタンパク質画分のα-Toc, および脂質像に与える影響について検討した。実験動物として, Wister系妊娠ラットを用い, 妊娠0日目から20日目まで各実験食 (10%セルロース食, 10%リンゴパルプ食, 10%グアーガム食, 無繊維食) で飼育後, 21日目に屠殺し, 血漿α-Toc, 脂質濃度, および肝臓, 胎仔α-Toc量を測定し, 次の結果を得た。
1) グアーガム以外のDFは妊娠動物の血漿脂質, α-Tocレベルになんら影響を与えなかった。
2) グアーガムはTG以外の血漿脂質, α-Tocレベルを低下させたが, これは動物の摂食量の低下に基づいていた。
3) グアーガムはリポタンパク質問のα-Toc分布に影響を与え, LDL-α-Tocを減少させ, VLDL+Chyl. -α-Tocを増加させた。
4) グアーガムは胎仔中のα-Toc量を減少させたが, これはLDL-α-Toc濃度が顕著に低下していることと関連していると考えられた。
以上の結果より, グアーガムはリポタンパク質代謝, α-Toc代謝に影響を与え, 母体血漿から胎仔へのα-Toc移行の低下は, LDL-α-Tocレベルの減少に起因していることが示唆された。
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