Euglenaにおける無機イオンの生理機能の解明を目的としてまず
Euglenaの無機イオンの要求性と細胞内蓄積について検討した。
1)
Euglenaの無機イオンの要求性を調べるために各無機イオン欠乏培地で
Euglenaを培養しその生育に及ぼす影響を調べた。その結果, Zn
2+, Mg
2+, Fe
3+およびMn
2+の欠乏が
Euglenaの生育を著しく抑制したことから, 少なくともこれらの無機イオンが生育に必須であることが明らかとなった。
2)
Euglenaの無機イオンの細胞内蓄積を検討するために各無機イオン過剰培地 (10倍および100倍過剰) にて
Euglenaを培養しその細胞内無機イオン量を測定し, その細胞内蓄積について検討した。その結果,
EuglenaはNi
2+, Co
2+, Mg
2+, Ca
2+過剰により著しく生育が抑制されたが, それ以外のもの (Zn
2+, Fe
3+, Mn
2+, Cu
2+) に対して耐性をもっていた。各無機イオン10倍過剰細胞においてMn
2+とCu
2+は正常細胞の約10倍量を含んでおり, その他のイオンにおいても1.5~6.5倍の蓄積量を示した。また100倍過剰細胞ではCu
2+, Mn
2+, Zn
2+, Ca
2+, Fe
3+においてそれぞれ正常細胞の約130, 30, 16, 11, 3倍の蓄積量を示した。この結果から
Euglenaが生育を全く阻害されることなくCu
2+およびMn
2+を細胞内に活発に取り込み蓄積する能力のあることが明らかとなった。
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