日本栄養・食糧学会誌
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47 巻 , 3 号
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  • 吹野 洋子, 中村 雅一, 佐藤 眞一, 磯 博康, 嶋本 喬, 飯田 稔, 小町 喜男
    47 巻 (1994) 3 号 p. 163-177
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    脂肪摂取量の多い欧米諸国のHDLC値が脂肪摂取量の少ないわが国に比べて, 低いことより, 脂肪摂取量が多いとHDLC値が低下するとの作業仮説をたてた。
    中高年健常女子において, 栄養摂取状況のHDLC値への影響を検討するため, 茨城県, 秋田県の農村2地区において, HDLC値に影響を及ぼすと報告されている飲酒, 喫煙, 肥満等の要因を有しない者を対象に24時間思い出し法による栄養調査とHDLC値の測定を実施した。そして, 閉経前群・後群の両群において, HDLC値を低値, 高値, その中間の3区分とし, 3群間の検診成績, 栄養素等摂取量, 食品群別摂取量との比較検討を行った。その結果, 両町の, 閉経前群・後群いずれも, HDLC高値群は低値群に比し, 肥満度, TG値は低いが, TCH値は高かった。
    HDLC値と栄養素等摂取量との関連では, 閉経前群・後群とも総脂肪, 動物性脂肪, 多価不飽和脂肪酸, 飽和脂肪酸の摂取量, 脂肪エネルギー比率とは正の関連を, 糖質エネルギー比率とは負の関連を示した。総エネルギー, 総タンパク質摂取量とは正の関連の傾向を, P/S比とは負の関連の傾向を示した。そして, 上記の栄養摂取量との関連を反映して, HDLC値と食品群別摂取量との関連では, 肉類と正の関連の傾向, 穀類と負の関連の傾向を示した。また, 野菜類とも正の関連の傾向を示した。さらに, 多変量解析により, 年齢, 肥満度, TCH値, TG値を調整した結果, HDLC値は, K町の閉経前群・後群, I町の閉経後群で, 脂肪エネルギー比率と正の関連の傾向を示した。また, HDLC値は, 肉類と正の関連の傾向を, 野菜類と正の関連または正の関連の傾向を示した。
    先の仮説に反して日本の農村地域の中高年婦人においては脂肪摂取量は血清HDLC値とむしろ正の関連の傾向を示した。
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  • 成瀬 克子, 徳久 幸子
    47 巻 (1994) 3 号 p. 179-184
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    本報は糖質摂取後の血糖値およびタンパク質摂取後の血漿中アミノ酸濃度に対する, 糖質, タンパク質同時摂取による影響を調べた。健康な女子11名全員に異なった日に被験食 (A) 飯, (B) タマゴおよび (C) 飯+タマゴを摂取させ, 30分および150分後の血漿中Glc, インスリンおよびアミノ酸濃度を定量した。飯およびタマゴの量はそれぞれエネルギー200kcal相当量とした。
    1) 30分後の血漿中GlCおよびインスリン濃度被験食 (A) では既知のごとくGlC, インスリンともに空腹時に比べて有意に上昇した (p<0.01)。(B) ではGlcは有意に低下 (p<0.01), インスリンは平均値は上昇したが有意ではなかった (n. s.)。(C) ではGlcは平均値は低下したが有意ではなく, インスリンは有意に上昇した (p<0.01)。ここで, 血糖値の空腹時と30分後の差について (A) と (C) の間に差があるか否かを検定したところ, 有意差が認められた (p<0.01)。すなわち, 飯による血糖の上昇はタマゴを同時に摂取することによって抑制された。また, インスリン濃度の空腹時と30分後の差について (A) と (C) の間に差があるか否かを検定したところ差はなかった。すなわち, 飯によるインスリンの上昇はタマゴを同時に摂取することによって抑制されなかった。
    2) 150分後の血漿中アミノ酸濃度
    被験食 (A) では空腹時に比べて, N (上昇n. s.) G, A, H, Orn (以上低下n. s.) 以外は有意に低下した (E+QおよびPはp<0.05, その他はp<0.01)。(B) ではG, A (ともに低下n. s.), H (上昇n. s.) 以外は有意に上昇した (N, Pはp<0.05, その他はp<0.01)。(C) ではG, A, H (以上上昇n. s.), P (低下n. s.) 以外は有意に上昇した (p<0.01)。ここで, 各アミノ酸濃度の空腹時と150分後の差について (B) と (C) の問に差があるか否かを検定したところ, L, I, Vは (B) より (C) の方が有意に小さかった (L, Iはp<0.01, Vはp<0.05)。すなわち, タマゴによる血漿中分枝鎖アミノ酸の上昇は飯を同時に摂取することによって抑制された。
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  • 川端 輝江, 日田 安寿美, 鈴木 正夫, 長谷川 恭子
    47 巻 (1994) 3 号 p. 185-193
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    動物脂肪を構成する主脂肪酸からなるトリグリセライドの摂取が, 血中脂質, リポタンパク質組成等に与える影響をみた。
    健康な若年成人女子12名を被験者とし2群に分け, I期ではトリオレイン (O食群) およびトリリノレイン (L食群) を, II期ではトリステアリン (S食群) およびトリパルミチン (P食群) を, 7日間の通常食をはさみ, それぞれ高負荷量を食事に組み込んで5日間の短期投与による検討を行った。
    主な結果は以下のとおりである。
    1) トリオレインおよびトリリノレイン投与により血清総コレステロール, アポAI, AIIおよびBの減少がみられた。また, LDL画分のコレステロール, トリグリセライド, リン脂質の減少が認められた。HDL-コレステロールに変化はなかった。
    2) トリステアリン投与により血清総コレステロール, LDL-コレステロールの減少が, HDL画分ではコレステロールおよびトリグリセライドの減少がみられた。アポAIおよびBの減少も認められた。
    3) トリパルミチン投与により血清総コレステロールおよびLDL-コレステロールに対する上昇作用はみられなかった。しかし, HDL-コレステロールおよびアポAIの減少が認められた。
    以上より, 動物脂肪を構成する主脂肪酸は単独投与の場合, いずれの脂肪酸についても, 血清中のコレステロールを上昇する作用を持つものはなく, 今後はこれらの組合せによる天然の動物脂肪を中心とした食生活が, どのような条件下で梗塞性疾患罹患の危険を高めるのかについて検討の必要があると考える。
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  • 中埜 拓, 島谷 雅治, 村上 雄二, 佐藤 則文, 井戸田 正
    47 巻 (1994) 3 号 p. 195-201
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    WPPの消化吸収性について, 消化酵素を用いた人工消化試験ラットを用いた消化性および腸管から血中へのアミノ酸移行速度等を素材であるWPCと比較した。ペプシン・パンクレアチン連続処理では, 両者ともほぼ同様な分子量分布に分解された。しかし, ペプシンまたはパンクレアチンのどちらか一方の酵素で処理した場合には, WPCは高分子画分の分解が不完全であった。胃ゾンデを用いたラットによる消化吸収試験では, WPP群は, 投与7分後で胃内容物が大きく減少し, これに対応して血漿遊離アミノ酸濃度も有意に上昇した。一方, WPC群の血漿遊離アミノ酸濃度は30分後にピークが現れた。このため, WPPは生体内での消化吸収性が優れていると考えられた。また, WPP投与時の血漿遊離アミノ酸濃度は, 投与後7分以降急激に減少することから, 吸収された遊離アミノ酸は血液から各組織へ速やかに移行し, 組織で利用されていると考えられた。
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  • 中埜 拓, 島谷 雅治, 村上 雄二, 佐藤 則文, 井戸田 正
    47 巻 (1994) 3 号 p. 203-208
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    乳清タンパク質濃縮物 (WPC) をトリプシンならびにパパイン処理して得た乳清タンパク質加水分解ペプチド (WPP) の栄養評価を, ラットを用いたタンパク効率 (PER), 生物価 (BV) および正味タンパク利用率 (NPU) により, WPCおよびカゼインと比較した。WPPとWPC群はカゼイン群に比べ良好な体重増加を示し, PER, BV, NPUに有意差が認められた。また, WPP群はWPC群に比べ, PER, BVが高値を示した。しかし, NPUには差が認められなかった。WPCを酵素で加水分解処理したWPPは, WPCの栄養価を損なわず, 同等以上の栄養価を示した。
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  • 篠田 粧子, 川口 きよみ, 石井 孝彦, 吉田 勉
    47 巻 (1994) 3 号 p. 209-217
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    4週齢のFischer系雄ラットに, 酸処理によってフィチン酸を除去した小麦ふすま, または二軸エクストルーダー処理した小麦ふすまを含む飼料を4週間投与し, これらの処理が高食物繊維含有 (15%) 飼料におけるミネラルの利用性ならびに食物繊維の消化性に与える影響について検討した。
    1) 小麦ふすまの酸処理または二軸エクストルーダー処理によってCaの見かけの吸収率・蓄積率, また無処理小麦ふすまを二軸エクストルーダー処理することによりPおよびMgの見かけの吸収率・蓄積率は上昇したが, Znのそれらには影響が認められなかった。
    2) 大腿骨重量は, 酸処理によりフィチン酸を除去した小麦ふすま群 (酸処理ふすま群および酸処理後二軸エクストルーダー処理したふすま群) で増加した。また, 無処理小麦ふすまを二軸エクストルーダー処理することにより, 骨中のMgおよびZn含有量が低下した。
    3) 食物繊維の消化率は酸処理により低下した。
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  • 立屋敷 かおる, 今泉 和彦
    47 巻 (1994) 3 号 p. 219-226
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ラットの体重, 血清コレステロールレベルおよび腎臓と精巣周囲の脂肪細胞に及ぼす乾燥ビール酵母 (DY) の影響を明確にするため, 成長期と高齢期のラットを用いて検討した。その結果, 以下の知見を得た。
    1) 生後23~83日齢の期間自由摂餌下で飼育したラットの体重は, 生後24~100日齢の期間85%制限給餌下で飼育した場合と同様に, DY群が対照より低値を示した。このDYによる体重の変動作用は, 日齢で異なっていた。また, 性差がみられ, DYを多く含むほど大きかった。体重低下の程度と摂餌量または摂水量との間には, 相関がみられなかった。高齢期ラットの体重は, 40日間DY飼料で飼育しても25% DYで徐々に減少する傾向がみられたが, 有意な変化を示さなかった。したがって, DYによる体重の変動作用は成長期ラットで認められるが, 成長が停止した高齢期ラットでは大きな変化がみられない。
    2) 血清中の総コレステロールとHDL-コレステロールの各濃度は, 成長期ラットではDYによって大きな影響がみられなかったが, 高齢期ラットではDY量に比例して有意に低かった。
    3) 脂肪細胞の半径と体積は精巣周囲部でDYの含有量に比例して増大したが, 腎臓周囲部ではDYの影響がみられず, 部位差がみられた。25% DY群の場合, 精巣と腎臓周囲の脂肪細胞数は, 対照に比べて54~72%有意に少なかった。
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  • 佐藤 伸一, 井本 精一, 小島 正明, 神 勝紀, 唐澤 豊
    47 巻 (1994) 3 号 p. 227-233
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    10および20%寒天飼料と20%セルロース飼料をラットに3カ月間自由摂取させ, 食品としての寒天の栄養生理効果を検討し, 以下の結果を得た。
    1) 10および20%寒天群で飼料摂取量の増加がみられたが (10%p<0.05, 20%p<0.01), 飼料効率およびエネルギー消化率には低下がみられ (10%p<0.05, 20%p<0.01), 20%寒天群では体重増加に抑制傾向が認められた。また, 20%寒天群では摂水量の増加が認められた (p<0.01)。
    2) 10および20%寒天群で盲腸を除く全腸管の湿重量に増加傾向が認められた。
    3) 10および20%寒天群で排糞重量に増加がみられ (p<0.01), とくに20%寒天群では顕著であった。また, 10および20%寒天群では盲腸内のアンモニア濃度に減少が認められた (10%p<0.05, 20%p<0.01)。
    4) 20%寒天群で血漿中のグルコースおよび尿素窒素に減少がみられ (p<0.05), 中性脂肪にも減少傾向が認められた。
    5) 動物の外観, 行動および呼吸などの一般状態, 血液学的検査, 盲腸内容物のpH, 揮発性脂肪酸濃度および腸内細菌叢, 腸管の長さ, 解剖ならびに肝臓, 腎臓, 食道, 胃, 十二指腸, 空腸, 回腸, 盲腸, 結腸および直腸の病理組織学的検査には寒天の影響は認められなかった。
    6) 20%セルロース群では, 以上の点について20%寒天群とほぼ同様の変化がみられたが, 摂水量, アンモニア濃度, 尿素窒素には変化は認められず, 排糞重量の増加も20%寒天群ほど顕著ではなかった。
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  • 広井 祐三, 木下 千鶴, 岡 達三, 名取 靖郎, 谷口 巳佐子
    47 巻 (1994) 3 号 p. 235-239
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    離乳直後のウイスター系ラットを固形飼料, 10%カゼイン飼料, および10%SPI飼料で3, または5週間飼育して, これらラットから調製した肝細胞を用いて以下の結果を得た。
    1) 各種飼料で3, または5週間飼育したラットより単離肝細胞を調製しアリルスルファターゼ比活性を比較した。それらは固形飼料群ラットではそれぞれ約18mU/mg protein (3週間飼育), および22mU/mg protein (5週間飼育), カゼイン飼料群ラットではそれぞれ約25mU/mg protein (3週間飼育), および21mU/mgprotein (5週間飼育), さらにSPI飼料群ラットではそれぞれ約38mU/mg protein (3週間飼育), および37mU/mg protein (5週間飼育) となり, SPI飼料群ラットのアリルスルファターゼ比活性はカゼイン飼料群および固形飼料群に比較してそれぞれの期間で約2倍になった。一方, 同じリソソーム内酵素であるアリルアミダーゼ比活性は, 3週間飼育の固形飼料群およびSPI飼料群ラットから得た肝細胞間でほとんど差がなく, 5週間飼育ではアリルスルファターゼ比活性とは逆に固形飼料群の約50%に減少した。
    2) 各種飼料で3週間飼育したラットより肝細胞を調製し48時間培養してアリルスルファターゼ活性に及ぽす低含硫アミノ酸培地の影響を調べた。固形飼料群およびカゼイン飼料群ラットから調製した肝細胞を, メチオニンおよびシステインを正常濃度の1/10の濃度に含むMEM培地, または, 含硫アミノ酸不含MEM培地で培養してもMEM完全培地と同様で, アリルスルファターゼ活性の変動は観察されなかった。しかし, SPI飼料群のラットから調製した肝細胞をMEM完全培地で培養するとアリルスルファターゼ活性は約20時間で約50%にまで減少するが, メチオニンおよびシステインを正常濃度の1/10の濃度を含むMEM培地, または, 含硫アミノ酸不含MEM培地で培養すると, 単離初期の活性以上の上昇は見られないものの, MEM完全培地に比較して高い活性が48時間維持された。
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  • 金沢 文子, 伊藤 道子, 藤本 健四郎
    47 巻 (1994) 3 号 p. 240-243
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    The liver lipid components, plasma lipid levels, and platelet aggregation were determined, in rats fed experimental diets for 4 weeks. Fiftythree percent of the dietary fat in the linoleic acid (LA) group was 18: 2n-6, which was partially replaced by 18: 3n-6, 18: 3n-3, and n-3 polyunsaturated fatty acid (PUFA) in the γ-linolenic acid (GLN), α-linalenie acid (ALN) and fish oil (Fish) groups, respectively. The liver cholesterol level in the Fish group was significantly higher than the levels in the other groups, whereas the liver phospholipid level in the GLN group was significantly higher than the levels in the other groups. These results suggest that the effect of 18: 3n-6 on hepatic cholesterol metabolism may differ from that of n-3 PUFA. However, neither the plasma cholesterol level nor platelet aggregation induced by collagen was affected by dietary fat.
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