日本栄養・食糧学会誌
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49 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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  • 乾 隆子, 中川 正
    49 巻 (1996) 3 号 p. 131-136
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    人がのどの渇きを感じるとき, 生体内でどのような変化が起きているのかを明らかにするため, 指標として渇きによって変化する唾液の分泌量や性状を捉えることにした。また, 飲水による渇きからの回復時に関しても検討を行った。
    実験方法として, 渇きを感じない安静時と, 高温低湿度環境下での比較的激しい運動負荷により渇きを感じるときと, 飲水によって渇きから回復したときの三つのフェーズ間での比較を行った。その結果, 口渇時には唾液中のタンパク濃度およびNa+, K+, Cl-イオン濃度が有意に増加し, 唾液緩衝能が有意に大きくなった。唾液分泌量は有意な変化ではないが減少傾向が認められた。しかし唾液pHについては個人によって変動の大きさや方向性が異なり, 共通した変化は認められなかった。また, 飲水後には, 主観評価においても客観評価においても渇きからの回復が認められたが, 安静時レベルまでの戻りは認められなかった。このことから, 従来からいわれているように, 水摂取だけでは渇きからの速やかな回復は得られないといえる。このように, 渇き感覚を唾液によって生理的な立場から客観的に評価することは, 今後, スポーツの後ののどの渇きや, 日常的なのどの渇きを癒す機能性を重視した飲料設計や評価を行うのに非常に役立つと考えられる。
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  • 江藤 義春, 佐藤 祐子, 田村 明
    49 巻 (1996) 3 号 p. 137-141
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    健常な女子学生を対象に食事調査を行い, 摂取脂肪酸組成のn-6/n-3比の実態を調べ, 血漿および血小板リン脂質中のn-6/n-3比や全血凝集能等との関係について検討し, 次のような結果が得られた。
    1) 対象者全体 (n=50) の摂取脂肪量と脂肪酸組成を分析した結果, 脂質エネルギー比率の適正値である20~25%内に入る者は全対象者のわずか20%であり, なかにはエネルギー比率が40%にまで達する者もあった。
    2) n-6系やn-3系PUFAの摂取量にはかなり差があり, n-6/n-3比も3.3~17.8 (平均6.1±3.3) と大きな個人差がみられた。
    3) 摂取脂肪酸のn-6/n-3比と血漿および血小板リン脂質中の脂肪酸のn-6/n-3比との間には, いずれもきわめて有意な正の相関 (p<0.001) が認められた。
    4) 摂取脂肪酸のn-6/n-3比が低い者ほどコラーゲン刺激による全血凝集能も低い値を示し, これら両者の間には有意な正の相関 (p<0.001) が認められた。
    5) 摂取脂肪酸のn-6/n-3比が低い者ほど血漿中の総コレステロールとトリグリセリド濃度は低く, 逆にHDL-コレステロール濃度は有意に高かった。
    以上のことから, 血栓症等の循環器系疾患を予防するためには, n-6/n-3比の高い者は日頃から魚介類等 (n-3系PUFAを多く含む食品) の摂取に心がけ, 血中脂肪酸中のn-6/n-3比を低くするようにすることが大切であるものと思われた。なお, 今回の調査で明らかになったように, 対象者の栄養摂取状況や血液性状には大きな個人差がみられることから, それぞれの値を一概に調査対象者の平均値で論ずることは問題があるものと思われた。
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  • 里内 美津子, 渡辺 隆司, 若林 茂, 大隈 一裕, 越島 哲夫, 桑原 正章
    49 巻 (1996) 3 号 p. 143-148
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    バィオリアクターを用いて, セルロースからセロビオースを主成分とするセロオリゴ糖を生産し, その消化吸収性および生体に及ぼす影響についてラットおよびヒトで検討した。その結果は以下のとおりである。
    1) セロオリゴ糖は唾液アミラーゼ, 胃液, 膵臓アミラーゼによりまったく加水分解されなかった。しかし, ラット小腸粘膜酵素により部分的に加水分解され, グルコースの生成が認められた。
    2) ラットではセロオリゴ糖負荷により血糖値の緩徐な上昇がみられたが, ヒトにおいては血糖値の上昇は認められなかった。一方, インスリンの追加分泌はラット, ヒトとも認められなかった。
    3) ラットにおいて, セロオリゴ糖を単回投与しても糞便中への排泄は認められなかった。
    4) ラットを高ショ糖食あるいはセロオリゴ糖添加高ショ糖食で4週間飼育したところ, セロオリゴ糖添加高ショ糖食群では, 高ショ糖食で飼育した対照群に比べ体脂肪率, 血清フルクトサミン, 総コレステロールおよび中性脂肪濃度が, 低値を示した。また, セロオリゴ糖添加高ショ糖食は血清総タンパク質, アルブミン, ALP, カルシウム濃度に影響を及ぼさなかった。
    以上の結果から, セロビオースを主成分とするセロオリゴ糖は難消化性の糖類であり, 糖代謝に影響を及ぼし, 糖尿病や肥満予防に役立つ可能性が示唆された。
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  • 飯塚 佳恵, 並木 満夫, 山下 かなへ
    49 巻 (1996) 3 号 p. 149-155
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    α-トコフェロールに対するゴマリグナン物質の相乗効果におけるゴマリグナン物質の種類の違いとα-トコフェロール濃度の影響について検討した。その結果, 以下の事項が明らかとなった。
    1) ゴマリグナン物質の摂取により肝臓が肥大し, ゴマリグナン物質はおもに肝臓で代謝されていると推測された。
    2) 低α-トコフェロール飼料群はビタミンE欠乏状態を示し, 生体内過酸化脂質も高い値を示したが, ゴマリグナン物質を同時摂取すると生体内トコフェロール濃度は上昇し, ビタミンE欠乏状態は改善された。
    3) ゴマリグナン物質のトコフェロール増強効果は低α-トコフェロール飼料群, 通常α-トコフェロール飼料群のどちらにも観察されたが, その効果はより低α-トコフェロール状態で顕著であった。
    4) ゴマリグナン物質の中ではセサミノールの効果が最も強く, セサモールの効果は弱かった。
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  • 浅野 敏彦, 吉村 康美, 欅田 清彦
    49 巻 (1996) 3 号 p. 157-162
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    D-キシロースはラット小腸のスクラーゼ活性に対して不拮抗阻害を示し, マルターゼ活性に対しても阻害作用を示したが, スクラーゼ阻害作用と比較すると弱かった。単糖類の中ではL-アラビノース, D-リボース, D-グルクロノ-6.3-ラクトンも同程度の阻害作用を示した。D-キシロースはラット小腸上部のループ法によるin situ実験でスクロースの吸収を抑制した。実際にラットでのスクロース経口投与後の血糖値とインスリン値の急激な上昇を抑制し, ヒトのボランティア試験でも同様な傾向が見られた。
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  • 梶本 五郎, 山口 真季, 岩本 陽子, 中村 光広, 吉田 弘美, 高木 幸子
    49 巻 (1996) 3 号 p. 163-167
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    オリーブ油, 大豆油, 鯨油の自動酸化に対する酸化安定性をランシマット法 (導電率を利用した測定法) とオーブン試験, AOM試験, 重量法試験などと比較検討した。
    1) ランシマット法による油脂の酸化安定性評価の尺度である誘導時間は, オリーブ油, 大豆油, 鯨油で6.15, 3, 03および0.87hであった。誘導時間からみた油脂の酸化安定性はオリーブ油が最も高く, ついで, 大豆油, 鯨油の順であった。
    2) オーブン試験, AOM試験, 重量法試験で測定した油脂の酸化安定性は, いずれの試験法でもオリーブ油が最も高く, ついで大豆油, 鯨油の順であった。
    3) ランシマット法で誘導時間 (変曲点) に達した油脂の酸化特数を調べた。過酸化物価は3油脂とも大きく異なり, アニシジン価とカルボニル価はオリーブ油と大豆油は近似していたが鯨油はそれらより低く, 逆に酸価はオリーブ油, 大豆油よりも鯨油のほうが高かった。
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  • 広井 祐三, 安里 龍, 城田 知子, 岡崎 眞, 植木 幸英, 上田 伸男, 森 正博, 鈴木 和彦
    49 巻 (1996) 3 号 p. 168-179
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 今日の食品の市場に出回る数は多い。現在の日本の女子学生は134万人である。このような状況下にあって今日の女子学生はどれだけの食品を摂取しているのだろうかについて, 福岡市城南区, 高知市旭天神町, 岡山市伊島町, 吹田市藤白台, 松戸市相模台, 仙台市青葉区および網走市字八坂の各大学に平均女子学生数1, 300人が在籍するうち, 栄養・食品学を選考する19歳から21歳の女子学生を対象に, 各地において20人以上, 調査期間は3日間 (1989年の10月から11月) の調査をした。
    2) 2, 718回の全食事回数 (各地平均388回) の解析の結果, 1回の食事および1日の摂取食品数は, それぞれ10.2品目および26品目であった。摂取食品数は, 各地域において統計的に差がなかった。
    3) 摂取食品のうち, 重複のない食品数は平均は380品目であった。理論的最大摂取食品数550~620品目であった。
    4) 各調査地域において摂取された上位35位の食品の共通摂取食品数は16品目あった。その共通品目はxx2検定で, なんら地域間の差はなかった。
    5) 低頻度摂取食品のなかで, 3回, 2回および1回摂取された食品数は, それぞれ全食品数のうち, 9.0%, 14.7%, 33.9% (計57.6%) となって, 摂取回数あるいは摂取頻度が低くなるにつれ食品数は多くなっていた。3回摂取以下の食品数は全食品数の約3分の2に相当した。それぞれの地域の低摂取頻度の摂取食品数に対する比率 (%) は1回から3回までのそれぞれの値においてxx2検定で, なんら統計的に差はなかった。
    6) 摂取食品のABC分析の結果, 全摂取頻度の50%および75%を占めるにはそれぞれ30品目および71品目であった。残り4分の1は地域によって異なり, 250品目から350品目で占められていた。
    7) 18食品群でみた摂取食品数ではとくに野菜類と魚介類, 穀類, 果実類, 菓子類および調味料・香辛料類であった。一方, 品目数の少ない食品群はタマゴ類, 油脂類および種実類であった。これらの食品数は, 調味料・香辛料類は別として, 食品成分表のそれぞれの食品群の食品数に対応していた。成分表にない食品類のどの地域においてもかなりの数であった。
    8) 厚生省の1日30品目推奨値は多いことを考察した。9) 低摂取頻度食品および成分表にない食品の品目数は多く, とくに後者は, 代表食品群として換算されるため, 栄養摂取量換算においてかなり困惑をもたらすものと考察した。
    10) 摂取食品の地域間の比較において, 地域の特性を示すのは, ある地域での摂取頻度がいくらかあり, 別地域では極端に低いといった食品に注目したほうがよいと考えられる。
    11) 摂取食品の記載の信頼性, 個々の食品の摂取頻度および摂取食品の食事回数の増加に伴う増加の様相は, 各地域における曲線はほぼ類似の曲線から, 十分見られ, お互い比較しうる確証であると考察した。
    12) 1回の食事および1日の平均摂取食品数, 低摂取頻度の食品数の摂取食品数に対する比率 (%) において, それぞれの地域でなんら差はなく, 日本の女子学生の食品数摂取状況は地域によって特性はなく, 摂取食品数の数の多さからして, 楽しい食生活に満ちていると結論づけた。
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