日本栄養・食糧学会誌
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52 巻, 1 号
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  • 下田 妙子, 中村 永友, 藤永 三千代
    1999 年 52 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    透析患者の味覚感受性に及ぼす要因を探るため, 透析患者に対して味覚テストを施行し, 以下の結果を得た。
    1) 透析患者は味覚感受能が低下し, 味覚異常を示す割合も対照群より多かった。
    2) 女性は男性より味覚感受性が良かった。喫煙は味覚感受性を低下させ, 喫煙者で降圧剤使用者は一層味覚感受性を低下させることが示唆された。
    3) 血漿亜鉛値ば, 48-92μg/dLに分布し, 平均63.1±11.94μg/dLで正常値の下限を示したが, 味覚閾値との統計的有意差は認められなかった。
    4) RBP値は, 9.0-16.9μg/dLに分布し, 男性平均12.3±1.88μg/dL, 女性平均12.6±1.49μg/dLで, 標準より低下していた。
    5) 血漿亜鉛値と血漿RBP値との間に弱い正の相関が認められた。
    6) 味覚異常の原因の一つとして, ACE阻害剤, α遮断薬, β遮断薬などの降圧剤の関与が示唆された。以上の結果から, 透析患者の味覚低下は, 長年の透析による影響と併せて, 降圧剤の関与や血漿亜鉛値およびRBP値の低下による味覚受容機構の変化が関わっているものと考えられた。
  • 小板谷 典子, 塚原 典子, 江澤 郁子
    1999 年 52 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    健常閉経期女性個々における骨量動態を明らかにすることを目的とし, 東京都在住の40-60歳健常閉経期女性357名に対し, DXA法による腰椎骨密度を初回および5年後に測定した。対象者を閉経状態別に7群に分け, 各群間において縦断的に検討した腰椎骨密度5年間の変化率, 骨吸収マーカー, 骨粗鬆症診断基準の三つのパラメーターを比較することにより, 個々における実際の骨量の変動と閉経との関連を明らかにすることを試みた。その結果,
    1) 月経状態別に検討した5年後の腰椎骨密度は閉経前から閉経後の各群において初回時に比し有意に減少していた。
    2) 腰椎骨密度減少は閉経前の月経正常者からすでに始まり, その減少率は月経不順群では月経正常群に対し約2倍であった。
    3) 骨密度減少の最も顕著な時期は閉経への移行期にあたる perimenopause 期であり, その減少率は5年間で-11.3%であった。閉経後の減少率は閉経後経過年数とともに鈍化したが, 閉経後10年以上でもわずかな骨量減少が続いていることが示された。
    4) 5年後に測定した尿中骨代謝マーカーのD-Pyr/Crは月経不順群において, 月経正常群に比し高値となり, perimenopause 群-閉経後の各群において, 月経正常群に比し有意な高値を示した。
    5) 骨粗鬆症の診断基準により低骨密度者の分布状況を群別に比較すると, perimenopause 群から閉経後の各群において閉経前に比し低骨密度者の割合は有意に高かった。
    以上のことから, 健常女性個々における閉経に伴う腰椎の骨量減少の推移が明らかとなり, 閉経前の早期からの低骨密度者のスクリーニングならびにそれぞれの時期に応じた骨量減少予防策を講じる必要性が示唆された。
  • 田代 操, 加藤 みずほ
    1999 年 52 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病症状に対する難消化性デキストリンの改善効果を明らかにするために, n-STZラットにセルロース食 (DM-C群) と難消化性デキストリン食 (DM-D群) を58日間与え, 主に両群の耐糖能を比較検討した。
    1) 体重増加量, 飼料摂取量, 尿糖値, 空腹血糖値については, DM-C群とDM-D群間に差はなかった。
    2) 実験食投与末期においてDM-D群にグルコース負荷時の耐糖能の改善が見られた。
    3) 正常ラットを用いた経口糖負荷試験において, 難消化性デキストリンをスクロースと共に投与すると血糖値の上昇は抑制されたが, グルコースと共では抑制されなかった。
    4) 難消化性デキストリンはラット小腸粘膜のスクラーゼやマルターゼ活性を阻害した。
    以上より, 難消化性デキストリンは非肥満型NIDDMの耐糖能を改善することが示され, その効果は主に本物質の有するα-グルコシダーゼ阻害活性によると示唆された。
  • 伊藤 敬一, 松井 美預子
    1999 年 52 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    The influence of population density on salt preference was investigated in Sprague-Dawley rats. In experiment I, after 12 days of housing at one rat per cage, 12 female rats were divided randomly into two groups, i.e. a control group remaining at one rat per cage, and a crowded group housed at 3 rats per cage. The rats were observed for 21 days. Distilled water, and 0.5%, 1.0%, 1.5% saline solution were supplied ad libitum with salt-free feed. The salt intake of rats in the control groups did not change during the whole period. On the other hand, the salt intake of rats in the crowded group decreased significantly from 0.29±0.03 to 0.18±0.01g/rat/day (mean±SE, p<0.01) when switched from one rat per cage to 3 rats per cage. A similar study (Exp. II) was done using 20 male rats. The salt intake of rats in the crowded group also decreased from 0.41±0.02 to 0.31±0.02g/rat/day (p< 0.005) when switched from one rat per cage to 3 rats per cage. These results suggest that an environment in which one rat is housed per cage may be more stressful than one in which 3 rats are housed per cage, and may cause an increased preference for salt in these solitary rats.
  • 鈴木 清, 滝澤 誠, 石田 均
    1999 年 52 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
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