日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
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56 巻 , 4 号
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  • 高橋 徹, 山中 なつみ, 坂田 隆, 小川 宣子
    56 巻 (2003) 4 号 p. 199-205
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    消化管内容物の粘性は, 食物成分や消化酵素や栄養素の拡散を抑制することによって消化・吸収速度に影響する可能性がある。これまでにブタ盲腸内容物では固形粒子含量と粘性とが正の相関をすることが生体外の実験で明らかになっている。しかし, 固形粒子の経口摂取が生体の消化管内容物の粘性を実際に変化させるかどうかは不明である。そこで, この研究では食物中のセルロースのような固形物の粒子が消化管内容物の粘性や消化管の粘膜, 粘膜下組織, 筋層の組織重量に影響を与えるかどうかを調べた。セルロースを0, 11, 13%含む精製飼料を8日間摂取させたラットの胃, 小腸, 盲腸の内容物の粘性をE型粘度計で測定した。また, これらのラットの消化管各部の組織重量も測定した。その結果, セルロースの摂取によって消化管各部の内容物の粘性係数が高くなり (p<0.05), 結腸粘膜の組織重量が増加した (p<0.05)。以上の結果から, 固形粒子を含む食物を摂取すると消化管内容物の粘性が上昇することが示唆された。
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  • 出口 ヨリ子, 長田 邦子, 綿貫 雅章
    56 巻 (2003) 4 号 p. 207-212
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    経口糖尿病薬であるα-グルコシダーゼ阻害剤のアカルボースあるいはボグリボースと同様な糖質水解酵素阻害作用を示すグァバ葉熱水抽出物 (GvEx) を混合して, アカルボースのα-アミラーゼ活性, ボグリボースのスクラーゼ活性への影響を調べた。阻害率が約50%を示す薬剤量にGvExを添加すると, 添加量に依存して阻害率はさらに増加を示した。正常々ウスにおいて, デンプン1g+スクロース2g/kgの二重負荷後の血糖値上昇に対して, これらの薬剤が効果を示す投与量にGvEx 250mg/kgを混合投与しても薬剤の効果への影響は認めないが, デンプン2g/kgのみを投与したときに, 薬剤の効果量より低い投与量にGvExを混合投与すると血糖値の上昇が抑制された。以上のことから薬剤の効果量にGvExを併用しても薬剤の作用に影響は及ぼさないが, 効果量より低い量にGvEx用いると併用効果があることが示唆された。
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  • 古賀 里利子, 伊藤 和枝, 今井 克己, 増田 隆, 阿部 志麿子, 田中 美鈴, 伊藤 仁美, 松山 敏剛, 中村 元臣
    56 巻 (2003) 4 号 p. 213-220
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    中高年肥満女性を閉経前群, 閉経後群に分け, LDL-コレステロール (LDL-C) および内臓脂肪に影響を及ぼす食事因子を, 3カ月間の減量指導による内臓脂肪減少時および減量指導終了より1年後の内臓脂肪増加時について検討した。減量指導開始時に, BMIは群間に有意差を認めないにも関わらず, 内臓脂肪, LDL-Cは閉経後群が閉経前群に比し有意に高値を示した。減量指導後, 体重, BMI, 内臓脂肪は両群ともに有意に低値を示し, LDL-Cは閉経前群でのみ有意に低下し, 閉経後群は低下傾向を示したが有意ではなかった。LDL-Cの減少に内臓脂肪が正の相関を示し, 閉経後群で有意であった。重回帰分析の結果より, 閉経後群のLDL-Cの減少に内臓脂肪と砂糖摂取量, 脂質エネルギー比が正の関連を認め, 内臓脂肪の減少には嗜好飲料類摂取量が閉経の有無に関係なく有意な正の関連を認めた。減量指導終了より1年後, 標準体重当りエネルギー摂取量は両群ともに有意に増加し, 内臓脂肪は増加傾向を示し, LDL-Cは両群ともに有意に上昇した。内臓脂肪の増加に砂糖摂取量が正の相関を閉経後群で示し, エネルギー補正後も有意であった。以上より, 中高年肥満女性のLDL-Cの減少に内臓脂肪が正に関与し, 内臓脂肪の変動にはショ糖および脂質が閉経の有無に関係なく正に関与することが示唆された。
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  • 藤原 葉子, 秋元 浩二, 二宮 伸二, 坂口 靖江, 脊山 洋右
    56 巻 (2003) 4 号 p. 221-228
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    ビタミンC (アスコルビン酸), L-システインおよびビタミンE (コハク酸d-α-トコフェロール) の併用による色素沈着抑制効果を, 褐色モルモットに経口摂取して検討した。背部を除毛後, 紫外線 (UV-B) を照射した褐色モルモットの皮膚色はメラニン色素の沈着によりL値 (明度) が低下したが, ビタミンC単独摂取ではL値の上昇傾向を示し, ビタミンCとL-システインの併用またはビタミンC, L-システインとビタミンEを併用することにより, 紫外線照射によるL値の低下はいずれも有意に抑制された。紫外線照射部の表皮ではDOPA反応陽性のメラノサイト数が増加したが, ビタミンCとL-システインの併用またはビタミンC, L-システインとビタミンEの併用では, 対照群に比べて有意に減少した。L*値の低下抑制効果およびDOPA反応陽性メラノサイト数増加の抑制効果の程度は, いずれも (ビタミンC+L-システイン+ビタミンE群)>(ビタミンC+L-システイン群)>ビタミンC群であった。以上の結果から, ビタミンやシステインを組み合わせることによって, 経口摂取によってもUV照射によるメラニンの沈着を抑制できることがわかった。
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  • 二見 順, 田中 茂穂, 山村 千晶, 岡 純, 高田 和子, 柏崎 浩
    56 巻 (2003) 4 号 p. 229-236
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 独立行政法人国立健康・栄養研究所に設置された, 間接熱量測定法を用いたヒューマンカロリメーター (whole-body indirect human calorimeter: IHC)による, エネルギー消費量 (energy expenditure: EE) 測定の精度を評価し, 精度向上のための問題点を検討することである。アルコールを6時間燃焼させた40例の実験において, 本IHCによる測定値と燃焼したアルコールの重量から得た理論値との比(測定値/理論値)の平均値±標準偏差は, VO2で101.0±2.1%, VCO2で100.6±1.7%, ΣEEで100.9±1.9%であり, 測定値の高い確度と精度を確認した。しかし, 燃焼時間を短くした実験においては, 特に標準偏差が拡大する傾向となり, 数十分程度の短時間ΣEEの測定精度を向上させるためには, 測定システムおよびデータ蓄積・解析方法の改善が必要である。
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  • 孫 〓曼, 玉城 一, 大田 豊, 勝山 直文, 知念 功
    56 巻 (2003) 4 号 p. 237-242
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    前報では, 食餌制限したラットに骨粗鬆症が発症することを報告したが, 本報では食餌制限しても適切な運動をすると予防が可能であることがわかった。6週齢の Wistar 系雌ラットを10日間自由に摂食させて予備飼育した後, 5匹ずつ4群に分けた。そのうち2群は標準食AIN-93Gを自由摂食させ, 残りの2群はタンパク質, ミネラルおよびビタミン量を標準食の2倍に調製した。制限食を自由摂食群の摂食量に対して50%食餌制限した。自由摂食群と制限摂食群のそれぞれ1群については1日10分間, 時速0.7kmのランニングを負荷し, 低骨量症症状の有無について調べ, 次の結果を得た。(1) 標準食を自由に摂食した Group 1の体重は3週間で, 35g増加した。食餌制限のみの Group 3と食餌制限し, 運動負荷した Group 4の体重は最終的に Group 1と比べて, それぞれ49gと44g減少した。(2) 食餌制限のみの Group 3は骨密度と骨の破断エネルギーが減少し, X線写真の透過度が高くなり, 低骨量症を呈した。(3) 食餌制限しながら運動を負荷した Group 4はこのような低骨量症にはならなかった。この程度のランニングはこの低骨量症の予防に有効であると思われた。(4) このように炭水化物と脂肪を減らし, 食餌制限すると低骨量症になることから, 低骨量症予防上では, 食餌制限することなく, 炭水化物と脂肪を不足することなく摂取することが望ましい。(5) 減量で, 炭水化物と脂肪を減らし, 食餌制限して誘発する低骨量症を予防するには, タンパク質, ミネラルおよびビタミンを不足することなく摂取し, さらに運動をする必要がある。
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  • 田渕 三保子, 田村 朝子, 山田 則子
    56 巻 (2003) 4 号 p. 243-246
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    ウコギ (Acanthopanax sieboldianum) 葉が新生児期のストレプトゾトシン投与による2型糖尿病ラット (neonatally streptozotocin-induced (type 2) diabetic rats; n-STZラット) の血糖値および耐糖能に及ぼす影響を検討した。n-STZラットは生後2日目の新生児に80mg/kgB.W.のSTZを投与して作成した。8週齢からn-STZラットには標準飼料(DM群), ウコギ混合飼料 (DM-U群), セルロース混合飼料 (DM-C群) を10週間摂取させた。正常ラットには標準飼料を摂取させた (Normal 群)。DM群は, 週齢が進むにしたがって耐糖能が悪化したが, DM-U群では耐糖能が改善された (p<0.05)。実験終了時におけるDM群の血糖値は, Normal 群に比べて増加していたが, DM-U群はDM群より有意に低値であった (p<0.05)。また, 血清中性脂肪もウコギ摂取により有意に低下した(p<0.05)。これらの結果から, ウコギ葉はn-STZラットにおいて血糖値, 耐糖能および血清中性脂肪を改善することが明らかになった。
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  • 伏木 亨
    56 巻 (2003) 4 号 p. 247-250
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    実験動物を用いて, 人間の食物や飲料に対する嗜好性が推定できるかという問題についてシンポジウムで発表した内容の一部をまとめた。動物の嗜好は, 基本的には人間には当てはまらないが, 動物と人間に共通の特定の生理的条件のもとでは, 有用な解析の手段となる。ここでは, ビールの多飲料特性および, 脂肪に対する高い嗜好性について, 実験動物を用いた研究を紹介する。
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  • 清水 誠
    56 巻 (2003) 4 号 p. 251-255
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    栄養素等の腸管吸収を調節することは疾病予防の一つの手段となりうるが, 腸管吸収のメカニズムは複雑である。トランスポーターやタイトジャンクション等, 腸管吸収に関わる分子の特性やその制御機構を解明するためには培養細胞を用いたアプローチが欠かせない。ヒト大腸がん由来の上皮細胞株Caco-2は単層培養するとさまざまな小腸上皮細胞様の機能を発現する。小腸の細胞とは異なる部分もあるので注意が必要だが, 疎水性薬物やコレステロールなどの吸収性は in vivo 実験の結果とも相関するなど, 腸管吸収モデルとして有用である。われわれはダイオキシンの腸管吸収性に影響を及ぼす食品成分等の検索を行うためのモデル実験系を, Caco-2細胞層とダイオキシン応答性肝細胞株を組み合わせることによって構築した。異物排出に関わるMDRIのようなトランスポーターもCaco-2には強く発現しており, 環境中に存在するさまざまな異物の腸管吸収性を解析する実験系としても有用である。メカニズム解析やスクリーニング実験におけるこれら培養細胞の重要性は高い。
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