日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
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57 巻 , 1 号
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  • 田中 利明, 染谷 至紀, 今泉 美佳, 勝田 秀紀, 小澤 幸彦, 山口 真哉, 吉元 勝彦, 松村 英生, 永松 信哉, 石田 均
    57 巻 (2004) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    肝細胞の細胞レベルにおけるグルコース放出調節機構を検討する目的で, 酵素固定化カラムと電気化学検出器を組み合わせた, グルコース特異的かつ, 高感度で, 測定手技が簡便な高感度微量測定系を作成し, ラット初代培養肝細胞系と組み合わせた新たな実験系を確立した。本測定系での最小測定濃度は10nMであり, その測定の変動係数は1.9%と, 再現性は良好であった。この系を用いたところ, 初代培養肝細胞からのグルコース放出は, 10-12~10-8Mまでのグルカゴン刺激により濃度依存性に増加した。10-9Mのグルカゴンの存在下に10-12Mから10-5Mのインスリンを負荷したところ, グルコース放出は1時間以内にインスリンの濃度依存性に抑制された。次に10-7Mのインスリン存在下に, phosphatidylinositol 3-kinase 阻害剤の wortmannin とLY294002をそれぞれ添加したところ, いずれも濃度依存性にグルカゴン刺激下のグルコース放出に対するインスリンの抑制を阻害した。以上より, 肝細胞におけるインスリンの急性作用の少なくとも一部には, phosphatidylinositol 3-kinase の活性化を介したリン酸化カスケードが関与しているものと考えられた。
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  • 前田 宜昭, 青山 美子, 五島 孜郎, 阿左美 章治
    57 巻 (2004) 1 号 p. 9-13
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    ミネラル混合にハーパー塩を用いて高リン食で飼育した幼若期の Wistar 系, Fischer 系, Sprague-Dawley 系および Donryu 系雄ラットのカルシウムリン出納と腎臓中カルシウム含量について検討を行った。各系統のラットは, 0.5%もしくは1.5%のリンを含んだ飼料で3週間にわたり飼育し, 糞と尿は最終週に採集した。すべての系統において飼料摂取量は, 高リン食投与により有意に減少し, 系統の違いも観察された。Ca利用に対する高リン食の影響については, Wistar 系ならびに Sprague-Dawley 系ラットが対照群と同様の傾向を示したが, Fischer 系ラットのCa吸収率と保留率ともに, 対照群に比べて有意に高値を示した。Donryu 系ラットのCa吸収率と保留率は, 対照群に比べて有意に低値を示した。すべての系統において腎臓中Ca含量は, 高リン食の投与により有意に高値を示し, Ca含有量に系統の違いがみられた。以上のことから実験動物におけるCa利用に及ぼす食事中リン量の影響は, 高リン食による飼料摂取量の抑制割合と深く関係していることが示唆された。
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  • 渡辺 毅
    57 巻 (2004) 1 号 p. 15-19
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    戦後日本では, (1) 高度経済成長によって感染症や栄養不足が克服されて到来した長寿社会 (高齢化社会), (2) 摂取熱量は大きな変化はないが, 急激な生活様式の欧米化に伴う, 炭水化物の激減, 脂肪 (とくに, 動物性脂肪) の激増を特徴とする摂取栄養素構成の変化, (3) 身体活動の低下を原因とする平均肥満度 (とくに, 内臓脂肪肥満) の増加などの要因によって糖尿病, 高脂血症が激増した。高血圧は, 食塩摂取の減少とともに戦後40年は低下傾向にあったが, 最近は肥満 (インスリン抵抗性) に関連した高血圧の増加と食塩摂取の再増加によって下げ止まっている。その結果, 動脈硬化性疾患は増加し, 心筋梗塞と脳血管障害を合計すると死因第1位であるがんと匹敵する。また, 細小血管障害である糖尿病性腎症, 網膜症, 神経症や高血圧による良性腎硬化症は, 国民の健康寿命を低下させている。一方, 生活習慣病は多遺伝子病で, 進化の過程 (飢餓の歴史) で有利だった (倹約遺伝子) ため保存され, 今なお多数の国民が生活習慣病発症の予備軍である。いまなすべきは, 適切なカロリー摂取, 動物性脂肪制限, 有酸素運動, ストレス解消法と食塩制限であるが, 解決すべき研究課題も多く残されている。
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  • 富田 多嘉子
    57 巻 (2004) 1 号 p. 21-26
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    動脈硬化の発生, および脳卒中発症において, 種々の酸素ラジカルが関与する. そこで, フラボノイドの中でもきわめて高いラジカル消去能を有する茶カテキンについて, 動脈硬化抑制作用および脳卒中発症・進展抑制効果について検討した. 茶カテキンのうち, EGCg, ECgは強い血小板凝集抑制作用を示した. またカテキン各成分は, in vitro における低密度リポタンパク質 (LDL) の酸化を著明に抑制した. さらに, ボランティアが茶カテキン抽出物を1週間摂取することにより, LDLの酸化遅延時間は摂取前に比し有意に延長された. またアポE欠損マウスにおいて, 茶カテキン抽出物の投与は動脈硬化の進展を有意に抑制した. 一方, 中大脳動脈を結紮した脳梗塞モデルラットに手術前および実験中, 茶カテキン抽出物を投与すると, 脳障害による神経症状の改善, 血漿カテキン濃度に依存した脳虚血体積の縮小, 虚血部位周辺の好中球の浸潤その他の虚血マーカーの減少が認められた. 以上の結果, 茶カテキンの常飲は, 循環器疾患の予防, 進展の抑制に効果的に作用することを示唆している.
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  • 香川 靖雄
    57 巻 (2004) 1 号 p. 27-33
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    生活習慣病や寿命は数十年の長期にわたる栄養, 運動等の影響と遺伝子多型で決まる。生活習慣病と関係の深い主要な多型である飢餓耐性一塩基多型 (thrifty SNP) の頻度はモンゴロイドでは白人よりも高い。SNPと栄養調査をアジア・太平洋地区6カ国で行い, 食生活の西欧化・運動の低下が飢餓耐性SNPに作用して肥満, 糖尿病, 動脈硬化症を促進することを示した。次に, 本学栄養クリニックでは過去33年間に4群点数法と運動の介入を行った。初診時の代謝, 高血圧, 高血糖はSNPの影響を受けたが, 生活習慣の変容で正常値に戻り, 数十年にわたって持続し, 要介護者, 重症生活習慣病患者は一般の頻度に比較してはるかに少なかった。これは介入に反応しやすいUCP3p, UCP2, apoE, mtDNA等のSNPのためである。米国の糖尿病予防計画 (2002年) の結果, 薬物よりも生活習慣改善が糖尿病に罹患しやすい非白人において最も有効であることが示された。この結果は管理栄養士の活動の有効性を示すものである。
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  • 津田 孝範
    57 巻 (2004) 1 号 p. 35-43
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    アントシアニンは食用色素として利用されており, 日常的に摂取する多くの植物性食品に含まれている。しかしアントシアニンの生理機能については研究が遅れていた。著者はアントシアニンのもつ生理機能に注目し, 個体レベルでの証明を試みた。その結果, ラットにおいてシアニジン3-グルコシド (C3G) は抗酸化物質として機能することを明らかにした。ヒトおよびラットにおいてC3Gあるいはルチノース配糖体は吸収され, 直接血中に検出されることを明らかにした。ラットでは吸収されたC3Gは生体内で分解しプロトカテキュ酸を生じ, 組織ではメチル化された。次にアントシアニンの新たな生理機能を検討した結果, マウスにおいて紫トウモロコシ色素添加食 (0.2%C3G) の摂取は, 高脂肪食負荷における体重増加, 脂肪組織重量および脂肪細胞の肥大化を抑制し, 高脂肪食による高血糖, 高インスリン, 高レプチン血症を正常化した。以上の結果はアントシアニンの生理機能性食品因子としての重要性と新たなファンクショナルフードの創製の基盤を示すものと考えられる。
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  • 石塚 敏
    57 巻 (2004) 1 号 p. 45-50
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    消化管上皮の恒常性維持機構の破綻は結果的に消化管疾病を引き起こす。DNA傷害後の異常細胞の除去に対して大腸上皮間リンパ球 (IEL) が積極的に関与すること, かつある種の食物繊維にはIELが減少するような場合にもその減少を弱める作用があることを明らかにした。また, 生理的な状態でも食物繊維の摂取は大腸IELの分布に影響を与えることを明らかにした。このことは食物繊維の摂取が大腸粘膜上皮内に呼び込むリンパ球を何らかの方法で選択することを示している。大腸内における食物繊維の大腸内発酵を介して大腸IELやナチュラルキラー細胞を上皮近辺へ導く機構が存在すると考えられる。食餌成分による消化管上皮恒常性の維持に免疫系が重要な役割を担っていること, ある種の食物繊維は免疫系に作用することで消化管上皮の恒常性維持に寄与することを明らかにした。
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  • 竹内 弘幸
    57 巻 (2004) 1 号 p. 51-58
    公開日: 2009/12/10
    ジャーナル フリー
    食事による体脂肪蓄積の制御は, 生活習慣病予防の観点から非常に重要である。動物油脂は, 植物油と比べて体脂肪として蓄積しやすい。ラットを用いて, 飽和脂肪酸がその原因物質であることを証明した。さらに, 飽和脂肪酸摂取による体脂肪蓄積増大は, 交感神経活性低下による食事誘発性体熱産生の減少, 甲状腺ホルモンを介したNa+, K+-ATPase活性低下および脂肪組織リポタンパク質リパーゼ活性上昇など, 複数のメカニズムが関与しうることを示した。健常人を対象とした試験で, 中鎖トリアシルグリセロールは, 長鎖トリアシルグリセロールと比べて, 体脂肪として蓄積されにくいことを実証した。中鎖トリアシルグリセロールを長鎖トリアシルグリセロールとエステル交換することにより, 加熱調理適性は大きく改善されることを見出した。本エステル交換油は, エネルギー化されやすく, 体脂肪として蓄積されにくいことを示した。これらの結果は, 肥満予防の食事管理においては, 脂肪の摂取量だけでなく, 脂肪の質にも配慮すべきであることを示唆している。
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