日本栄養・食糧学会誌
検索
OR
閲覧
検索
60 巻 , 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
総説
<平成18年度日本栄養・食糧学会奨励賞受賞>
  • 大森(平野) 玲子
    60 巻 (2007) 1 号 p. 3-9
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    動脈硬化を発症および進展させる要因として, 低比重リポタンパク (LDL) が質的変化を受けた酸化LDLの関与が指摘されている。著者らはin vitro においてLDL酸化過程でビタミンCのほか, カテキン類にもビタミンEラジカル再生力が備わっていること, 野菜や豆類における検討から, ポリフェノールは食品のLDL酸化抑制効果と高い関連性をもつことを明らかにした。また, 健常人を対象とした試験から, カカオならびに緑茶は効果的な抗動脈硬化作用食品であることを確認した。次に, 冠動脈造影を施行した症例を対象に, 動脈硬化性疾患の予防に効果的な食品の調査を行った結果, 緑茶の飲用習慣をもつ人はもたない人に比べ, 心筋梗塞の発症頻度が低いことを明らかにし, さらに冠動脈疾患に繋がりやすい遺伝子多型をもつ場合, 緑茶の飲用習慣によって心筋梗塞を予防できる可能性を示した。以上の結果は, 動脈硬化性疾患を予防する上で, 抗酸化物質を有する食品摂取の重要性を示唆するものと考えられる。
    抄録全体を表示
<平成18年度日本栄養・食糧学会奨励賞受賞>
  • 菅原 達也
    60 巻 (2007) 1 号 p. 11-17
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    糖脂質は自然界に普遍的に存在し, 日常的に食品成分として摂取されている。にもかかわらず, その消化管吸収機構や栄養機能についてはほとんど知られていなかった。本研究では, 蒸散型光散乱検出―HPLC法を応用し, さまざまな骨格構造をもつ糖脂質の一斉定量検出に成功した。本法を応用してグリセロ糖脂質の消化管吸収機構を動物実験で調べ, 消化管内で脱アシル化されたガラクトシルグリセロールは消化も吸収もされないことを見出した。さらに継続的な植物糖脂質の摂取によって, 下部消化管 (盲腸や大腸) 内環境が改善されることが示唆された。一方, スフィンゴ糖脂質の消化管吸収において, 植物や真菌類に特徴的なスフィンゴイド塩基は小腸上皮細胞に吸収されにくいことを明らかにした。このスフィンゴイド塩基の吸収選択性には, P-糖タンパク質 (MDR1) が関与していることが強く示唆された。また, さまざまな食品成分由来のスフィンゴイド塩基による大腸がん細胞に対するアポトーシス誘導作用を明らかにし, トウモロコシや酵母由来セレブロシドによる1,2-ジメチルヒドラジン投与マウスの大腸腺種誘発抑制効果を示した。これら結果は, 糖脂質の新たな食品機能の可能性を示すものであり, 今後の研究の発展が期待される。
    抄録全体を表示
 
  • 江崎 治, 窄野 昌信, 三宅 吉博, 井藤 英喜
    60 巻 (2007) 1 号 p. 19-52
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    日本人の飽和脂肪酸の摂取基準策定 (2005年版) に用いた論文をエビデンステーブル (表) として提示し, 策定の基本的な考え方を詳しく述べた。飽和脂肪酸は摂取量が多いと肥満や心筋梗塞が増加し, 少ないと脳出血が増加する至適摂取範囲の狭い脂肪酸である。このため, 飽和脂肪酸の目標量は18歳以上で4.5%エネルギー以上, 7%エネルギー未満に設定された。飽和脂肪酸摂取量が増加すると, 肥満度, 血中LDL-コレステロール値が増加し, 糖尿病, 心筋梗塞罹患が増加する。米国での飽和脂肪酸摂取量を10%エネルギー以下 (National Cholesterol Education Program Step I diet) または7%エネルギー以下 (National Cholesterol Education Program Step II diet) にした多くの介入研究で, LDL-コレステロール値低下, 体重減少が認められている。米国のコホート研究 (観察研究) でも, 飽和脂肪酸摂取量が増加すると, 用量依存性に心筋梗塞や糖尿病罹患の増加が認められている。日本人の飽和脂肪酸摂取量のエネルギー比率の中央値 (50パーセンタイル値) は男性18歳以上で4.9-7.2%エネルギー, 女性18歳以上で5.4-7.9%エネルギーとなり, 平均では約6.3%エネルギーとなる。日本人の現状, あるいは伝統型食生活も考慮に入れて, 心筋梗塞, 肥満, 糖尿病の予防のため, 7%エネルギーが目標量 (上限) に設定された。日本人中年男女を対象にした観察研究では, 飽和脂肪酸の摂取量が少ないと, 血圧, 肥満度, コレステロール値, 喫煙, アルコール摂取量を考慮しても, 脳出血の発症頻度の増加が認められている。ハワイ在住中年男性日系人の観察研究でも, 飽和脂肪酸の摂取量が10g/day未満の人は, 10g/day以上の人に比べ, 約2倍の脳卒中による死亡数の増加を認めている。これらの研究結果から, 18歳以上で, 4.5%エネルギーが下限値に設定された。
    抄録全体を表示
報文
  • 伊藤 千夏, 古泉 佳代, 渥美 圭子, 鈴木 智恵美, 金子 佳代子
    60 巻 (2007) 1 号 p. 53-59
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    中学生の男女394名を対象とし, 超音波骨評価装置を用い, 踵骨の音響的骨評価値 (osteo sonoassessment index以下OSIとする) を測定し, 食習慣, 運動習慣, 体力の指標, 身長, 体重, BMI, 除脂肪量, 体脂肪率との関連を観察し横断的検討を行った。OSIは男女とも学年が進むにつれ有意に高値を示したが, 同学年の男女間に差はなかった。女子では初経発来者は未発来者に比べてOSIが有意に高値を示した。また男女ともOSIと身長, 体重, BMI, 除脂肪量と有意な正の相関関係が認められた。カルシウムを多く含む食品の摂取頻度とOSIには関連性がみられなかった。体力の指標の中でOSIと有意な正の相関関係が認められた項目は, 筋力の指標と持久力の指標であった。運動習慣のある対象者は運動習慣のない対象者に比べてOSIは有意に高かった。中学生では, 身長, 体重だけでなく, OSIも増大し, 体格の指標がOSIに影響を及ぼしていた。運動習慣のある人, 体力の指標の得点が高い人のOSIが高いことが示されたが, 食習慣とOSIとの間には有意な関連が認められなかった。
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top