日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
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61 巻 , 5 号
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総説
  • 齋藤 衛郎
    61 巻 (2008) 5 号 p. 219-231
    公開日: 2009/01/27
    ジャーナル フリー
    ドコサヘキサエン酸(DHA)に代表されるn-3系高度不飽和脂肪酸は,特有な生理効果が明らかとなっているが,化学構造上きわめて酸化しやすく,多量摂取した際の生体内での過酸化が懸念される。われわれは,「健常な生体内では,高度不飽和脂肪酸に対する巧妙な過酸化脂質の生成抑制と解毒・排泄機序が存在するために過酸化脂質の蓄積が抑制される」との仮説を立て,最も不飽和度の高いDHAに着目し,ラットをモデル動物として研究を開始した。その結果,組織過酸化脂質(LPO)はDHA投与量依存的に増加するが一定レベル以上の投与ではプラトーになる,過酸化されやすさの指標Peroxidizability Indexから計算されるほどには増加しない,多量投与でもリポフシン(lipofuscin)のような脂質過酸化終末産物の生成がみられない,かつ,組織細胞傷害も認められない,こと等を観察した。ここに本仮説の妥当性を確信し,その解明を進めるに至った。まず,抗酸化機序としては,1)抗酸化剤としてのビタミンE(VE),アスコルビン酸(AsA),グルタチオン(GSH)の必須性,2)DHA投与によるAsAとGSHの生成亢進,これに伴うVEの抗酸化性増加,3)組織ごとに異なるDHAの取り込みと,それに伴う細胞膜脂質不飽和度の変化の重要性,4)組織ごとに異なるリン脂質種への取り込みの変化とフォスファチジルエタノールアミンへの優先的取り込みに伴う酸化抵抗性増加の可能性,5)DHA多量摂取では,一過性に組織中性脂肪への取り込み増加とそれによる酸化抵抗性の上昇,等を明らかにした。一方で,脂質過酸化終末産物の生成や細胞傷害等の有害作用の惹起には至らないことから,LPOの蓄積抑制と解毒・排泄機序の解明を試みた結果,1)脂質過酸化分解生成物である反応性アルデヒド類と高分子化合物とのシッフ塩基形成抑制と終末産物リポフシンの生成抑制,2)有害なアルデヒド類のグルタチオンとの抱合体化と,その代謝物としてのメルカプツール酸の尿中への排泄亢進を見出した。抱合体の排泄に至る過程では,肝臓では膜輸送タンパク質としてのABCトランスポーターファミリーの一つ,MRP3(ABCC3)の介在を初めて見出した。また,アルデヒド類のヒスチジン付加体の尿中排泄亢進,3)アルデヒドの代謝に関わるアルデヒドデヒドロゲナーゼやアルドースレダクターゼの活性亢進,等が明らかになった。
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報文
  • 吉谷 佳代, 南 利子, 宅見 央子, 鏡 義昭, 白石 浩荘, 米谷 俊
    61 巻 (2008) 5 号 p. 233-239
    公開日: 2009/01/27
    ジャーナル フリー
    ヘスペリジンは柑橘類に多く含まれ,末梢血管強化作用が知られている。サイクロデキストリン合成酵素によってヘスペリジンを配糖化し,吸収性を向上させた酵素処理ヘスペリジンを用いて,冷え症女性に与える影響について検討した。冷えを訴える女性11名(29.6±3.9歳)を対象に酵素処理ヘスペリジン(250 mg/日)またはプラセボ(粉糖,250 mg/日)を二重盲検交差法により摂取させ単回摂取40分後と7日間継続摂取後において,手掌部に15°C,1分間の冷却負荷を与え,その後の皮膚表面温,皮膚血流量,血管幅の変化を評価した。その結果,酵素処理ヘスペリジン単回摂取時は,プラセボに比べて冷却負荷後の温度変化量,血流変化率が有意に高く,酵素処理ヘスペリジン継続摂取時においても,冷却負荷後の温度変化量,血流変化率が有意に高値を示した。よって,酵素処理ヘスペリジンを摂取することで,末梢の血流量が増加して,皮膚表面温度を回復させると考えられる。また,継続的に摂取することでその効果が維持され,冷えを緩和する可能性があることが示唆された。
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