アルドヘキソースの一種である
D-アロースは, 自然界にほとんど存在しない希少単糖であり, 栄養学的な性質については不明である。そこで, 本研究では, 8週齢ウィスター系雄ラットを用いて, 経口摂取された
D-アロースの体内動態について検討した。
D-アロースを体重kgあたり8 g経口投与し, 投与後3日間の糞尿中, 1, 3および7時間後の消化管内容物中の
D-アロースを測定した。
D-アロース投与後のラットに下痢などの異常は確認されなかった。経口投与24時間後の尿および糞中の
D-アロースは, それぞれ投与量の90.9, 2.7%であった。胃内容物中の
D-アロースは投与後1から3時間にかけて急激に減少し, 小腸, 盲腸内容物中の
D-アロース残存量はわずかであった。これらの結果から, 摂取された
D-アロースは, 少なくとも90%以上が小腸から血中に吸収され, 急速に尿中に排泄されたと考えられる。
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