日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
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64 巻 , 5 号
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総説
  • 田中 司朗
    64 巻 (2011) 5 号 p. 291-295
    公開日: 2011/12/30
    ジャーナル フリー
    臨床研究・疫学研究に代表される人間を対象にした研究は, ヘルシンキ宣言, 臨床研究に関する倫理指針, 疫学研究に関する倫理指針に従って行われなければならない。これらの倫理指針の重要な役割は, 対象者の福祉を最大にしつつ, 研究成果の社会還元を推進することである。本論文では, 倫理指針に記載されている研究者の責任のうち, 特に重要な以下の三つについて解説する。 (1) 研究計画書に, 倫理的観点からの必須事項 (被験者の選定方針, 研究の意義, 目的, 方法, 研究終了後の対応, 個人情報の保護, インフォームド・コンセント, 利益相反, 健康被害に対する措置, 試料等の保存など) について記載する。 (2) 研究者は, 所属機関の利益相反ポリシーや規定に従って, 経済的な利益関係を利益相反委員会に報告し, 研究計画の審査を受けなければなければならない。 (3) 臨床試験を実施する場合は, 被験者登録以前に, 公的なオンラインデータベースに登録を行う。
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  • 井上 順
    64 巻 (2011) 5 号 p. 297-303
    公開日: 2011/12/30
    ジャーナル フリー
    生体においてコレステロールは主に二つの経路により供給されている。一つは肝臓における生合成であり, もう一つは小腸より吸収された食事由来コレステロールである。コレステロールの恒常性は, 転写レベル・翻訳レベル・翻訳後修飾レベルで厳密に制御されており, この恒常性の破綻が動脈硬化性疾患発症のリスクを高めることが知られている。Sterol regulatory element-binding protein (SREBP) は, コレステロール恒常性を転写レベルで制御する因子であり, 生体におけるコレステロール恒常性維持に重要な役割を担っている。本研究では, SREBPの活性制御機構について分子レベルでの解析を行い, 複数の新規な制御機構について明らかにした。本稿ではそれらの中から, 1) 小胞体膜上における活性制御, 2) 翻訳後修飾による活性制御, 3) 他の転写因子との相互作用による活性制御について概説する。
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報文
  • 石田 眞弓, 手塚 宏幸, 長谷川 智美, 曹 利麗, 今田 敏文, 木村 英一郎, 松本 英希, 河野 るみ子, 新井 平伊
    64 巻 (2011) 5 号 p. 305-311
    公開日: 2011/12/30
    ジャーナル フリー
    食塩の過剰摂取は血圧上昇の一因であり, 脳卒中や心臓疾患の原因と考えられている。近年, これら疾病の予防や病態の改善を目的とする減塩食の必要性が高まっているが, 料理中の食塩を減らすと味がもの足りなくなり, 病院給食では入院患者の摂食量低下による栄養摂取量の不足が問題となる。我々は, ナトリウム (Na) を含まないうま味物質であるグルタミン酸マグネシウム (MDG) を用い, おいしさを維持した減塩料理の提供を試みた。通常の病院給食として供食している通常料理, Na量を減らした減塩料理とMDGを用いたうま味添加減塩料理の3通りの料理についての官能特性を比較した。その結果, 減塩料理は通常料理に比べて全ての項目で低値を示し, うま味添加減塩料理では顕著に改善した。この結果から, 通常料理を減塩する際にうま味を呈するMDGを用いても料理のおいしさを損なうことなく, Na摂取量を減らす有効な方法であると考えられる。
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  • 今井 絵理, 佐野 光枝, 福渡 努, 柴田 克己
    64 巻 (2011) 5 号 p. 313-321
    公開日: 2011/12/30
    ジャーナル フリー
    トリプトファン (Trp) の異化代謝にはビタミンB1, B2, B6が関わっている。そこで, 低用量, 中用量, 十分量のビタミン混合を含む飼料を投与した時にTrp異化代謝がどのように変動するのかを, 健常ラットと糖尿病ラットを用いて比較した。健常ラットにおいても, 糖尿病ラットにおいても, 飼料中のビタミン混合含量の差異はTrp異化代謝には全く影響をおよぼさなかった。糖尿病ラットにおけるTrp-ニコチンアミド (Nam) 転換率は健常ラットの1/3程度にまで低下していた。N1-メチルニコチンアミドが体内に蓄積しやすい代謝状態にあった。この現象は体内の遊離状態のNam濃度の上昇を引き起こす可能性がある。遊離型のNamは, poly (ADP-ribose) 合成酵素やヒストンデアセチラーゼなど種々の酵素の阻害剤である。したがって, 糖尿病時にはNam代謝変動による影響が表れる可能性があり, さらなる研究が必要である。
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研究ノート
  • 林 泰資, 曽我部 咲, 服部 幸雄
    64 巻 (2011) 5 号 p. 323-327
    公開日: 2011/12/30
    ジャーナル フリー
    コーヒー飲用によるストレス緩和作用についてはよく知られているが, その揮発性成分の効用に着目した研究は数少ない。本研究では, 焙煎したコーヒー豆の揮発性成分とストレスとの関連性を明らかにするために, マウスを用いて種々の行動薬理学的実験を行い, コーヒー揮発性成分のストレス緩和作用について検討した。高架式十字迷路試験において, コーヒー揮発性成分は自発運動量に影響を及ぼすことなく, オープンアームへの滞在時間および進入回数を増加させた。また, ペントバルビタールによる睡眠時間は, コーヒー揮発性成分の曝露により明らかに延長した。オープンフィールド試験および強制水泳試験では, コーヒー揮発性成分の効果は見られなかった。以上より, 焙煎したコーヒー豆の揮発性成分はマウスの覚醒水準を低下させ, 抗不安様のストレス緩和作用を発揮することが示唆された。
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資料
  • 柴田 克己, 坂崎 愛, 佐野 光枝, 福渡 努
    64 巻 (2011) 5 号 p. 329-334
    公開日: 2011/12/30
    ジャーナル フリー
    低温環境下ではエネルギー代謝の亢進が起こることが知られている。そこで本研究では, 低温環境下においてビタミンB1の要求量がどの程度高まるかを調べた。まず最初にラットを低温環境下で14日間飼育すると, 飼料摂取量は1.1倍に増加したが, 体重増加量は0.6倍程度であった。したがって, 寒冷曝露により1.7倍のエネルギー代謝の亢進が認められた。同時に, 14日間の寒冷曝露により, 褐色脂肪組織 (BAT) が増加し, 尿中のビタミンB1排泄量は約1/2にまで抑制された。これらの事実によって, 低温環境がエネルギー代謝の亢進をもたらし, ビタミンB1必要量が増加したことが示唆された。さらにこのことを確認するために, ビタミンB1を最小必要量加えた飼料をラットに投与して寒冷曝露し, ビタミンB1欠乏が引き起こされるか否かを調べたが, ビタミンB1を十分量投与した群と比べて顕著な体重増加量の低下は認められなかったが, ビタミンB1の尿中排泄量が低下したことから, 寒冷曝露によってビタミンB1の必要量が高まったと考えられる。
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