日本栄養・食糧学会誌
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64 巻 , 6 号
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総説
  • 原 博
    64 巻 (2011) 6 号 p. 367-376
    公開日: 2012/04/25
    ジャーナル フリー
    消化管を舞台として, 吸収されずに生理作用を発揮する食品成分として, 食物繊維などの難消化性糖質が知られるが, これに難消化性ペプチドが加わった。本研究では, 食品成分を情報分子としてとらえ, それらが消化管において, 生活習慣病やメタボリック症候群の発症に係わる生体機能を制御していることを示した。具体的には, 難消化性糖質が小腸タイトジャンクションを介した経路により, カルシウムや鉄の吸収を強く促進する機構を明らかにした。また, 難消化性オリゴ糖の大腸発酵を介した作用として, フラボノイド配糖体の生体利用性を強く促進すること, 大腸のバリア機能を強化することを, それらの機構を含めて明らかにした。難消化性食品ペプチドが消化管腔内で上皮細胞に作用して, 食欲に関係する消化管ホルモンであるコレシストキニンの分泌を刺激することを見いだし, 大豆たんぱく質中にその有効なペプチド配列を同定した。また食品ペプチドを認識する分子機構の一端を明らかにした。
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  • 水品 善之
    64 巻 (2011) 6 号 p. 377-384
    公開日: 2012/04/25
    ジャーナル フリー
    食品成分や栄養素の新規な生理活性として「哺乳類のDNA合成酵素 (DNAポリメラーゼ, pol) の分子種に対する選択的阻害活性」に注目した。「ホウレン草の糖脂質画分」にDNA複製型のpolα, δ, εに対する選択的阻害活性を見いだし, マウスにその糖脂質画分を経口投与することにより, その画分は副作用がない抗腫瘍活性を持つことを明らかにした。DNA複製型のpol阻害成分を高含有する食品素材は, 抗がん機能性食品としての開発が期待できる。一方で, 「クルクミン (Curcumin) 」はDNA修復・組換え型のpolλを特異的に阻害して, マウス耳の抗炎症活性を示した。そして, マウスのマクロファージ (抗原提示細胞) において, 炎症刺激によりpolλ発現が上昇すること, クルクミンはpolλの活性阻害だけでなく発現抑制も同時に行うことを見いだした。このpolλの発現量の増減は, 炎症マーカーであるTumor Necrosis Factor-α (TNF-α) の分泌量の増減と一致した。従来のpol阻害剤は全てのpol分子種を同時に阻害する「猛毒」であるが, 食品成分・栄養素による特定のpol分子種に対する選択的な阻害剤は毒性がない「生体機能調節物質」になることを我々は提唱した。pol分子種選択的阻害活性という科学的根拠に基づく抗がん・抗炎症機能性食品の開発が期待される。
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報文
  • 山中 千恵美, 池上 幸江, 青江 誠一郎
    64 巻 (2011) 6 号 p. 385-391
    公開日: 2012/04/25
    ジャーナル フリー
    カルシウムの摂取量と形態の違いがKKマウスの腹腔内脂肪蓄積に及ぼす影響を比較した。KK/Taマウス3群に, カルシウム含量が0.5%となるように炭酸カルシウム (NC) あるいはミルクカルシウム (MC) を配合した飼料, あるいは, カルシウム含量が0.1%となるように炭酸カルシウム (LC) を配合した飼料をそれぞれ給餌した。終体重, 飼料効率はLC群がNC, MC群に比べて有意に高かった。肝臓脂質蓄積量は, LC群がNC, MC群に比べ有意に高かった。血糖値, 血清インスリンおよびレプチン濃度は, LC群がNC, MC群に比べて有意に高かった。血清PTH濃度は, MC群がLC群に比べて有意に低かった。各腹腔内脂肪組織の重量は, LC群がNC, MC群に比べて有意に増加した。MC群とNC群の間に有意な差は検出されなかった。以上の結果, カルシウムの摂取量の低下は, 腹腔内脂肪蓄積を促進することが認められ, おそらく, インスリン分泌の過剰によると考えられた。しかし, ミルクカルシウムと炭酸カルシウム間では, 腹腔内脂肪蓄積に対して顕著な差は見られなかった。
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  • 岩本 祥子, 須永 克佳, 原田 園子, 大久保 温子, 津田 整
    64 巻 (2011) 6 号 p. 393-401
    公開日: 2012/04/25
    ジャーナル フリー
    近年では機能性食品やハーブ, 健康食品などを用いた補完代替療法への関心が高まり, がんの予防効果や抗腫瘍活性が期待される食品やハーブ類の使用が増加している。それらの食品の機能性の研究は活発に行われているが, 化学療法薬との相互作用についてはあまり検討されていない。本実験では俗に悪性腫瘍に有効とされ, がんの化学療法を受けている患者が積極的に摂取する可能性がある8種の食品やハーブの酢酸エチル抽出物を被検試料として, 化学療法薬であるドキソルビシン (DOX), メルファラン (L-PAM) およびメトトレキサート (MTX) と相互作用を引き起こす可能性について検討した。ヒト肝がん由来細胞株HepG2細胞に対するDOX, L-PAMまたはMTXの生存細胞数の減少作用に対する被検試料の影響を検討した結果, チンピおよびホウレン草, 緑茶がL-PAMの作用を, また, チンピおよびブロッコリー, 緑茶がDOXの作用を減弱する効果が認められ, 抗腫瘍効果を減弱する可能性が示唆された。
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  • 山崎 優子, 中村 禎子, 志村 二三夫, 奥 恒行
    64 巻 (2011) 6 号 p. 403-413
    公開日: 2012/04/25
    ジャーナル フリー
    健常成人女性へD-タガトース (TAG) を摂取させ, 一過性下痢に対する最大無作用量を測定した。次に, TAG 摂取による血糖値およびインスリン濃度への影響, TAG の血中濃度および尿中排泄量ならびにTAG 摂取後の呼気水素ガス排出量を測定し, TAG の小腸からの消化・吸収性ならびに大腸における発酵性, 腸内細菌による資化性などを観察し, D-タガトースの生体における運命を検討した。TAG の最大無作用量は0.25 g/kg体重で, D-ソルビトールと同程度であった。TAG 5 gおよび10 gを摂取させた場合, TAG 血中濃度は検出限界以下であった。また, 摂取後6時間までの尿中排泄量は摂取量の2%以下であった。血糖値および血清インスリン濃度はTAG 摂取によって変化せず, 呼気水素ガス排出はTAG 5 g摂取では観察されず, 10 g摂取で明らかに増加した。しかし, フラクトオリゴ糖の同量摂取に比べると量的に少なく, 排出開始時間は遅延した。また, ヒト糞便培養実験におけるTAGからの有機酸生成量は少なく, 大腸へ到達したTAG が腸内細菌によってわずかに短鎖脂肪酸へ代謝されることが示唆された。以上の結果, TAG 10 g摂取では下痢は誘発されず, 5 g程度が小腸から吸収され, 摂取量の2%程度が代謝されずに尿中へ排泄されると推定された。これらの結果に基づいてTAGの有効エネルギー量を推算したところ, TAGのエネルギー換算係数は2 kcal/gに分類された。
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