日本栄養・食糧学会誌
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66 巻, 3 号
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総説
  • (平成24年度日本栄養・食糧学会奨励賞受賞)
    瀬川 博子
    2013 年 66 巻 3 号 p. 127-132
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/17
    ジャーナル フリー
    栄養素は細胞膜上に存在するトランスポーターにより細胞へ供給される。我々は,system L amino acid transporter (LAT)1, LAT2, basic amino acid transporterb+,0(BAT)1, system yL amino acid transporter (y+LAT)1,ナトリウム依存性リン酸(リン)トランスポーターであるNaPi IIcを同定した。トランスポーターの役割を明らかにするため,アフリカツメガエル卵母細胞,培養細胞,齧歯類を用いて,それらの機能や栄養素による調節を解析した。本稿では,機能発現クローニング法を用いたアミノ酸トランスポーターの同定および,ノックアウトマウスを用いたリンの恒常性について検討した我々の研究について概説する。
速報
  • 西本 裕紀子, 位田 忍, 惠谷 ゆり, 海老根 直之, 中江 悟司, 宮谷 秀一
    2013 年 66 巻 3 号 p. 133-139
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/17
    ジャーナル フリー
    基礎疾患のない低身長児のエネルギー必要量を検討するため,低身長児8 例(男4,女4,5.2±0.5 歳)を対象に二重標識水法と呼気ガス分析法を用いて総エネルギー消費量(TEE)と安静時エネルギー消費量(REE),呼吸商を測定し,身体活動レベル(PAL)を算出し,基礎代謝基準値を用いて求めた算出値と比較した。食事調査によりエネルギーと三大栄養素の摂取量を算出した。低身長児のTEE,REE の実測値は年齢が一致する算出値より有意に高く,PAL は食事摂取基準と差がなかった。食事の炭水化物エネルギー比率は食事摂取基準と比較して低値であった。低身長児のエネルギー代謝が亢進しているのは,何らかの理由で発育が遅延した状態であるのか,遺伝子的変異が生じているのか明らかではないが,食事の炭水化物摂取が少ないことが影響している可能性も考えられた。
研究ノート
資料
  • 大塚 礼, 加藤 友紀, 今井 具子, 安藤 富士子, 下方 浩史
    2013 年 66 巻 3 号 p. 147-153
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/17
    ジャーナル フリー
    地域から無作為抽出した一般住民における年齢群別の血清脂肪酸構成比率を明らかにすることを目的とした。対象者は「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第5 次調査(2006–2008 年)に参加し,空腹時採血による血清中脂肪酸24 分画を測定した40–88 歳の男性1,070 名,女性1,098 名である。血清脂肪酸構成比率は各脂肪酸について脂肪酸総量(μg/mL)に占める各脂肪酸の濃度(μg/mL)を重量比(wt%)で示した。性別の各年齢群(40,50,60,70,80–歳)の脂肪酸構成比率は,男女ともに高齢群ほどα-リノレン酸,EPA,DHA を含むn-3 系多価不飽和脂肪酸は増加し,リノール酸やアラキドン酸を含むn-6 系多価不飽和脂肪酸は減少した。女性では高齢群ほど飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸が増加した。年齢階級の上昇に伴い血清脂肪酸構成比率が変化する可能性が示唆された。
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