日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
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66 巻, 4 号
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総説
  • 菅原 達也
    2013 年 66 巻 4 号 p. 177-183
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/16
    ジャーナル フリー
    スフィンゴ脂質は, 真核生物の細胞膜構成成分の一つであり, 細胞の分化やアポトーシスなどの生命現象に深く関わっていることが知られている。近年, 食品機能成分としても注目されつつあり, とくに皮膚バリア向上作用が期待されている。したがって, 経口摂取されたスフィンゴ脂質の消化と吸収の機構を明らかにすることは, その食品機能性を理解する上でも重要といえる。グルコシルセラミドやスフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質は, 小腸内で消化を受け, その構成要素であるスフィンゴイド塩基にまで加水分解された後に小腸上皮細胞に取り込まれる。しかし, その分解効率は低く, 吸収率も低い。スフィンゴシンと比べて, それ以外の化学構造のスフィンゴイド塩基はP-糖タンパク質による排出を受けやすいため, 吸収はさらに低いことが示唆されている。スフィンゴ脂質の有効利用のためにも, その選択的吸収機構の詳細について, 今後明らかにされる必要がある。
報文
  • 中本 真理子, 酒井 徹, 首藤 恵泉, 安藝 菜奈子, 小杉 知里, 秦 明子, 篠田 香織, 桑村 由美, 南川 貴子, 市原 多香子, ...
    2013 年 66 巻 4 号 p. 185-193
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/16
    ジャーナル フリー
    近年, 生活習慣病や精神疾患などを抱える勤労者が増加している。一方, 朝食欠食, 過食, 身体活動の不足, 短時間睡眠など, 生活習慣の乱れが疾病の発症に関連することが報告されている。我々は, 徳島県勤労者において, 夕食終了から就寝までの間隔と生活習慣病の有病状況との関係について横断研究を行った。20歳以上の勤労者735名を対象に, 食物摂取頻度調査, 生活に関する質問票調査, 採血, 身体計測を実施した。夕食終了から就寝までの間隔が2時間未満の対象者を対照群とし, ロジスティック回帰分析を用いて解析を行った。高血圧に関して, 対照群に比し3-4時間, 4時間以上の群で, 有意に調整オッズ比が低下した。さらに21時以降の食事摂取者で, 高血圧の調整オッズ比は3-4時間空ける群で有意に低下し, 量反応性の関係が認められた。これらのことより, 夕食終了から就寝までの間隔を空けることが, 高血圧の予防につながる可能性が示唆された。
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