日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
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69 巻, 2 号
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研究ノート
  • 中岡 加奈絵, 田辺 里枝子, 奥 裕乃, 山田 麻子, 野田 聖子, 星野 亜由美, 祓川 摩有, 五関‐曽根 正江
    2016 年 69 巻 2 号 p. 57-63
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    高脂肪食におけるビタミンD制限によるアルカリホスファターゼ (ALP) 活性への影響について検討した。11週齢SD系雄ラットをコントロール食 (C) 群, ビタミンD制限食 (DR) 群, 高脂肪食 (F) 群, 高脂肪食でビタミンDを制限した食餌を与えた (FDR) 群の計4群に分けた。実験食開始28日後に, 大腿骨のALP活性は, DR群がC群と比べて有意に低値を示し, FDR群もF群と比べて有意に低値を示した。また, 十二指腸のALP活性においては, FDR群がF群と比べて有意に低値を示した。小腸ALPは, 腸内細菌由来のリポ多糖 (LPS) などを脱リン酸化して解毒していることが示唆されており, 高脂肪食摂取時におけるビタミンD制限が小腸ALP活性を低下させることにより, 腸内ホメオスタシスに影響を及ぼしている可能性が考えられた。
  • 本窪田 直子, 駒居 南保, 鈴木 麻希, 林 育代, 森谷 敏夫, 永井 成美
    2016 年 69 巻 2 号 p. 65-74
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    生体リズム位相には個人差があり, 日中に活動しやすい朝型と夕方から夜間に活動しやすい夜型があることが知られている。そこで, “朝型と夜型では体内時計支配下にある自律神経活動や胃運動・食欲感覚の日中の変動が異なる”という仮説を立て, 実験による検証を行った。前夜22時より絶食した若年女性34名の胃電図, 心電図 (心臓自律神経活動) , 食欲感覚, 眠気, 深部体温 (耳内温) を8-20時まで1時間毎に測定した。食事と間食は定時に供した。全測定後に朝型-夜型を質問紙によりスコア化し, 中央値以上を朝型傾向群, 未満を夜型傾向群として結果を比較した。夜型傾向群は朝型傾向群と比べて, 終日, 交感神経活動優位の自律神経活動と高い心拍数, 眠気スコアが示された。また, 午前中の空腹感スコアが低く, 食後胃運動の周波数シフトに有意な上昇を認めなかった。本結果より, 午前中の食欲や活動が減弱しやすい夜型傾向群の特徴が示唆された。
資料
  • 川口 真規子, 丸山 剛平, 山田 真
    2016 年 69 巻 2 号 p. 75-79
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    日本国内で流通しているバナナであるキャベンディッシュ種 (CA) , ラカタン種 (LA) およびセニョリータ種 (SE) の成熟果の糖度, 滴定酸度, クエン酸量およびカロテン量を測定した。LAおよびSEの糖度の平均±標準偏差はそれぞれ23.7±1.2, 25.4±0.7 Brix %であり, CA (20.3±1.1 Brix %) に対して有意に高値を示した。滴定酸度およびクエン酸量はCAに対してLAが有意に高値を示した。α-カロテン量はCAが26±8, LAが167±62, SEが108±10 μg/100 gであった。β-カロテン量はCAが26±6, LAが236±53, SEが205±22 μg/100 gであった。α-, β-カロテン共LA, SEはCAに対し有意に高値を示した。LAのα-およびβ-カロテン量は, 4月と6月に低く, 8, 9月に高値を示す傾向が見られたが, 月間における値の違いに有意差は認められなかった。
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