1. 遊離アミノ酸の分布
緑色蔬菜9種類中の遊離アミノ酸をイオン交換樹脂及びペーパークロマトグラフイにより分離検出した。これらの蔬菜中に大体共通して存在するアミノ酸はアスパラギン酸, グルタミン酸, セリン, アスパラギン, スレオニン, グルタミン, バリン, ロイシン, プロリン, チロシン, γ-アミノ酪酸, フエニールアラニン, アラニンの13種類でその他シスチン, グリシン, リジン, オキシリジン等が見出されたがグリシン, シスチンもかなり広く分布するアミノ酸であつた。アミノ酸の種類は多いものとしてフダンソウ, キヨウ菜, カブ葉の各々に16種, 少いものとして春菊に13種をみとめたが大体14~15種を含むものが多く大差をみとめなかつた。
2. 遊離アミノ酸の含有量
アミノ酸の量的差異を求めるために上記アミノ酸のクロマトグラムについて呈色班抽出比色法により定量を行つた。アミノ酸の含有量はパセリー, カツヲ菜, 等に著しく多く, フダンソウ, 春菊, セリ等に少く検出された。グルタミンは試験蔬菜に共通して含有量の著しく多いアミノ酸であつたがこれはカツヲ菜, パセリー等に目立つて多かつた。其の他含有量の多いアミノ酸としてバリン, アスパラギン, アラニン, プロリン等があげられるがバリンはパセリー, カツヲ菜にアスパラギンはパセリーとフダンソウに, アラニンはパセリーとカツヲ菜にプロリンはキヨ菜とカブ葉等に特に多く検出された。又スレオニン, チロシン, フエニールアラニン等は試験蔬菜に共通して含有量の少いアミノ酸であつた。
3. アミノ態Nの含有量
アミノ態Nの含有量はパセリー, カツヲ菜等に多く, フダンソウ, セリ等に少く検出された。
抄録全体を表示