栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
10 巻, 5 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 神立 誠
    1958 年 10 巻 5 号 p. 215-219
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 頼尊 豊治, 松田 源治, 富永 文雄, 仙波 秀雄
    1958 年 10 巻 5 号 p. 220-221
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    以上の実験成績からD-及びL-Pyrroglutamin酸注射群は体重では寧ろ対照群よりも増加する傾向を示し, 検尿肝臓病理所見は共に著しい差を示さないことが認められた。従つてこの程度の量即ちRatte 1匹当り43mgを29日間に腹腔内注射 (初め約2週間は毎日5~6mg/kg, 次の2週間は10~12mg/kg) では無害であり, 日常我々の食品中に混入して摂取されるPyrroglutamin酸の影響は考慮しなくてもよいと思われる。
  • V. 血清アミノ酸窒素量並びに残余窒素量との相関
    横田 英夫
    1958 年 10 巻 5 号 p. 222-225
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 国立東京療養所入所中の, 主として重症活動性肺結核患者中, 肝機能正常と認められた者12例と, 肝機能障害を認めた者12例について, 血清M量, アミノ酸N量N. P. N. を測定し, 3者の間の相関関係につき考察を加えた。
    2) 血清M量, アミノ酸N, N. P. N. とも肝機能障害群に増量を認めたが, 血清M量のみ有意の増加を証明し, アミノ酸N, N. P. N. とも有意差を認める程に至らなかつた。
    3) 軽度肝障害時には, 血清M量の増減はアミノ酸Nと有意の相関を示したが, N. P. N. との間には何等相関関係を証明し得なかつた。
    4) 重症肝機能障害時には, 血清M量は特異的に増量し, 更に急性黄色肝萎縮症の如き, 急性且つ広汎な重症肝障害時には, 血清アミノ酸N, N. P. N. も増量を来すのが観察された。
  • VI メチオニン負荷による影響
    横田 英夫
    1958 年 10 巻 5 号 p. 226-230
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    1) 健康成人男子2名に合計5回にわたり, DL-メチオニン10gを経口負荷し, 血清遊離M量, 尿中M量を測定した。血清M量 (L型) は負荷15分後より上昇し2時間後に最高値 (116.5γ/ml) に達し, 10時間後迄かなり高濃度を維持し, その後次第に減少するが24時間後, 尚正常値の5~10倍の値を示すのが観察された。
    2) 尿中M量はDL型, L型とも2時間尿に最も多く排泄され, 後次第に減少する。24時間尿中DL-メチオニン量は1.11gで, 翌日尿では測定不能であつたが, L型は24時間尿中に89mg, 翌日尿に13.9mgで, 翌々日には正常値に復した。尚D型では最初6時間尿中に24時間排泄量の約60%以上が排泄されるのに反し, L型ではその40%しか排泄されず, 排泄の遅延する傾向が認められた。
    3) 国立東京療養所入所中の肺結核患者中, 血清肝炎を併発せる者17例と, ビラジナマイドによる肝障害を併発せる者1例につきDL-メチオニンを経口或いは静脈内に負荷し, 24時間後の血清M量を測定した。
    4) 軽度肝障害時にはメチオニンの負荷によつても, 24時間後の血清M量は若干の増加を認めるのみであつたが, 重症例においては著明の増量を示すものがあり, 尿中にも多量に排泄されているものと推測された。
    5) 更にかかる重症例に対するメチオニン投与の臨牀的意義に関して若干の考察を加えた。
  • 曾根 清秀
    1958 年 10 巻 5 号 p. 231-233
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    水稲成熱過程における籾中のビタミンB2と糖質の消長関係をフタケトリおよび愛国1号を用いて検討した。
    (1) 総B2は出穂後10日目ではフタケトリ, 愛国1号ともに籾中に多量に分布したが, そののち急激に減少し, それぞれ35, 33日目で一定値に達した。遊離型B2は出穂後10日目では両品種とも総B2の約90%を占めているが, その後減少し, それぞれ226, 223日日で約40%となつた。
    (2) 全糖は両品種ともほぼ出穂後30日目まで増加しその後一定値を示した。還元糖および非還元糖が全糖中で占める割合は20日日まで急激に減少するが, その後は漸減して約60日目で1%以下となり, そののちほとんど変動を示さなかつた。
    (3) デンプンと遊離型B2との間にはいちおう負の相関が存在するように思われるが, 他のものについては特に関係があるようには見られなかつた。
  • 小川 政禧, 岡野 千枝子, 石田 昌子, 戸川 美奈子, 野村 正子
    1958 年 10 巻 5 号 p. 234-238
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 本学学生につき特に医師の指示によらないで使用するビタミン剤の種類, 使用方法等につき調査し並せて白鼠につき正常食餌, 高蛋白質食餌と共にビタミンB類混合物を与え又食餌とは全く別個に之等を与えた場合とその発育に及ぼす影響につき観察した。
    2) ビタミン剤を使用する割合は昭和26年に於ては1家庭当り2.1件でこの中, 常用する者は5.2家庭に1件であつた。使用せられるものはB1剤最も多く, A剤は僅かであつたがB2及びC剤は極めて稀であつた。而し32年に於ては綜合剤の使用普及は著明で, ビタミン剤の常用者は1.2家庭につき1件の割合を示し6年前に比して4倍に増加した。
    3) 正常組成の食餌又は高蛋白食餌とビタミンB類とを共に摂取せしめても, 或は全く別個に摂取せしめても, 白鼠の体重増加には殆ど認むべき影響がない様に思われた。
    4) 但し, 高蛋白質食餌を給与した動物では, 之とビタミンB類を同時に与えたものは, ビタミンB類を食餌とは別個に与えたものに比すれば, 其の後ビタミンB類の給与を全く中止してB類欠乏状態に置いた場合, B類欠乏の影響が出現し難い様に観察せられた。
    5) この事は蛋白質量の高い食餌を与えた場合に於ては同時に摂取せられたビタミンB類の体内保有量が高まつた事を示すものかも知れない。
  • 南 勝一
    1958 年 10 巻 5 号 p. 239-241
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    昭和31年12月下旬~同32年1月上旬, および昭和32年7月下旬, 大学学生スポーツ選手を対照として, 激しいスポーツの累積疲労の防止に, グロンサンの効果を検討し, つぎの結果を得た。
    1. 馬術練習時における疲労軽減度は5.1%で
    2. 柔道練習時における疲労軽減度は79%であり
    3. 以上の成績は0.01以下の危険率で有意であつた。
  • (第1報) 蓚酸処理の脱色効果
    田中 杉太郎
    1958 年 10 巻 5 号 p. 242-243
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. 蓚酸処理を行うことによつて米糠油の脱色効果を上げることができる。
    2. 蓚酸処理による脱色効果は脱酸油の酸価の低くなるに従つて逓減する傾向を示す, 実験3の油は実験1の油に比べて淡色であり実験4の油は実験2の油に比べて淡色であつた, すなわち精製全工程の脱色効果を上げるためにはアルカリ精製を入念に行い脱酸油の酸価を出来るだけ低くすることが大切であろう。
  • 田中 杉太郎, 末次 重一
    1958 年 10 巻 5 号 p. 243-244
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. (末尾の表)
    2. 白土処理による脱色率が最大であり, 蓚酸処理による脱色率が最小を示す。
    3. 脱酸による脱色率は脱酸油の酸価に反比例する傾向を示す。
    4. 白土処理による脱色率及び蓚酸処理による脱色率は脱酸油の酸価に正比例する傾向を示す。
    5. 総合的脱色効果の最大を示すのは脱酸油の酸価の最も低い実験1であり, 実験3はその逆を示している。
  • 福士 敏雄, 松田 和子
    1958 年 10 巻 5 号 p. 245-247
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    (1) 人参は一度凍結すれば組織が海綿状となり食品価値を減ずるが, 煮熟後凍結させて貯蔵すると, 生鮮貯蔵, 生凍結貯蔵に比してカロチン残存率は高い。
    (2) 積雪寒冷地に於ては, 「せいようかぼちや」を凍結させると2月初旬頃迄貯蔵出来る。この際一度煮熟してから凍結させた方がカロチンの損失が少ない。(残存率1月96%, 2月80%)
    (3) 生鮮大根葉のカロチン含量は, 緑葉部に極めて多く, 葉柄, 主脈部はその1/100程度を含むにすぎない。
    (4) 乾燥大根葉の乾燥当初は, 緑葉部のカロチン含量は55,000γ%内外である。乾燥大根葉を作るには1分内外煮沸してから乾燥させることが, カロチンの貯蔵中に於ける損失を少くするのに極めて有効で, 6ヵ月後で約73%を残存するから, 冬季用のカロチン給源として利用すべきものと考える。
    (5) 乾燥大根葉を味噌汁として食用する場合, 一昼夜浸水, 30分水煮して用いると34%のカロチン損失がある。併し, カロチンを多く含む緑葉部のみを用いれば, 1時間浸水, 10分の水煮で充分食用し得る状態となり, かつ, カロチンは98%残存する。
  • はぜ実の消化
    岩田 久敬, 末次 重一, 田中 杉太郎, 竹内 芳一
    1958 年 10 巻 5 号 p. 248-250
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. はぜ実粕を核仁部と皮肉部に分けて粉にしてシロネズミを用いて栄養試験を行つた。
    2. 核仁部の主成分はへミセルローズで, その一つは主にキシランからなつていた。
    3. 核仁部の有機物消化率は僅かに15%内外で, ペントザンでは更に低くて約6%であつた。然し脂肪はよく消化された。
    4. 核仁部のアミラーゼ及びペプシンによる人工消化率も低かつた。
    5. 皮肉部の有機物消化率はやや高く約45%で, 脂肪でも約47%で, 糖質は約73%であつた。
    6. 可消化成分から算出した100gの有効カロリーは, 核仁粉では71で甚だ低かつたが, 皮肉粉では152で中等であつた。
    7. はぜ粕中の核と皮肉の比を6: 4として計算すれば, その有機物消化率は27%で, 可消化成分からの有効カロリーは100gにつき103Calとなつた。
  • 佐藤 友太郎, 蛯沢 春枝
    1958 年 10 巻 5 号 p. 251-254
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    (1) 小麦粉に強化したりリジンの生地における分布状態は, ほぼ均一であり, 試料調製, 定量操作上の誤差を検討したところ, 記載の方法でよいことが認められた。
    (2) 醗酵中においては, リジンの損失はほとんど認められなかつた。
    (3) 焙焼による損失は加熱による影響の多い表皮の部分が, 内部に比較して遙かに著しい。
    (4) L-リジンの0.2%に相当するDL, あるいはLリジンを添加する場合, 前者の方がリジンの損失が多く約30%, 後者で10%程度の損失を示した。
    (5) 総リジンと遊離リジンの損失が一致しない (Lリジン添加の場合) ことを認め, この原因について若干の考察を加えた。
  • 松尾 登
    1958 年 10 巻 5 号 p. 255-259
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    (1) 空気中において攪拌しながら, 225±10℃に10時間加熱して得られた熱重合油は, 過酸化物は極く微量であるに不拘, 20%程度白ネズミに投与すると著しい毒性を示す。(2) 更に, この熱重合油より, 尿素附加法を用いて分離した環状構造エチルエステルは, 20%投与の場合は2~7日にて, 白ネズミは総べて斃死し, 10%投与の場合に於ても10~14日にて何れも斃死する。(3) 然るに, 連鎖構造エチルエステルは何等毒性を示さず, その成長は極めて良好である。(4) 空気中における高温加熱による熱重合の場合は重合に空気中の酸素が関与するけれども, 矢張り環状構造のものの生成が進み, その結果, 炭酸ガス気流中において加熱した熱重合油と同様, 毒性を現わすに至るものと考える。(5) 熱重合油の毒性の主体は, 加熱によつて生成される環状構造化合物であると考える。
  • 横山 正実, 川島 さやか, 高橋 章子
    1958 年 10 巻 5 号 p. 260-261
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    調査の結果を見て先ず問題となることは一般の傾向と同じくビタミン類の不足である。V. Aは植物性のものを約70%含むのでAとしての有効値は基準量の1/6に過ぎない。またV. B1, V. B2, V. Cも調理による損失率を考慮すれば基準量の1/2前後になる。このことが疲労度に大いに関係するものと思われる。
    次に目につくのはカルシウムであり, これも一般と大体同じ数値を示している。蛋白源は大豆製品が多く, また脂肪も植物性脂肪の方を動物性脂肪より20%多く摂つていることから見て動物性食品の少ないことが分る。
    32年度は31年度と比較するといくらか数字は上回つているが, ビタミン類, カルシウムの低値はあまり変らない。本調査の対象は学生で頭脳労働者であり, まだ発育途上に在る者もいることとて, 今少し摂取量を多くすること, 特に動物性蛋白質, カルシウム, ビタミン類を注意して摂取することを必要とする。
  • 1958 年 10 巻 5 号 p. 261
    発行日: 1958年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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