1. 170℃, 3分間, ほうれん草葉を未変敗油, および変敗油 (POV. 430) で油揚げを行ない, エーテルにて脱脂後灰化し, KおよびMg量を求めた。
変敗油油揚げほうれん草の灰分, K, Mgは未変敗油揚げに比較し, 僅かながら減少した。
2. ほうれん草を油揚げすると, ほうれん草のクロロフィルは40分加熱後油脂中に移行し, 移行したクロロフィルは少しずつ分解し, エーリッヒ呈色反応を示した。
3. 添加したクロロフィルの分解は, 変敗油ほど速く, また分解と同時にピロール環物質を生じ, 生じたピロール環物質も除々に分解した。
4. クロロフィルとピロール混合により, 油脂の着色は著しく促進された。
5. 油脂にクロロフィルを0.005%添加し, 170℃ で20分, 60分, 120分間加熱し, クロロフィルの分解度の異なる油脂を調製し, 安定性を調べた結果, クロロフィルおよびその分解物を含む油は酸敗し易かった。
6. 0.005%クロロフィル添加油にピロールを10
-4-10
-5モル加え, AOM酸化曲線を調べると, クロロフィルとピロールの混合は酸敗を促進させた。
抄録全体を表示