栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
17 巻 , 6 号
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  • 広野 治子, 有山 恒
    1965 年 17 巻 6 号 p. 371-373
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1. 蛋白質の量と質が高脂肪食シロネズミの酵素能に及ぼす影響を検討するために無脂肪群低蛋白群メチオニン添加低蛋白群, ゼラチン群, 無蛋白群, 対照群 (カゼイン18%, 大豆油40%) を設けて各群の体重増加, 血清アルカリフォスファターゼ, 膵リパーゼ活性度ならびに肝脂量の測定を行なった。
    2. 体重増加は無脂肪群がもっとも大きく次いで対照群も増加したが, 他はすべて減少を示し無蛋白群とゼラチン群はその減少がもっとも著しかった。
    3. 血清アルカリフォスファターゼの活性度は無脂肪群, 無蛋白群およびゼラチン群が低下しており, 他はほぼ同じレベルでメチオニン添加乃至カゼインの量の相違による影響はみられず, ゼラチン群と無蛋白群は高脂肪食であるにもかかわらず無脂肪群と同じに低下した。
    4. 膵リパーゼ活性度は無脂肪群がもっとも高く, 豆油40%を含む対照群もほぼそれに近い値を示した。
  • 梶本 五郎, 向井 克憲
    1965 年 17 巻 6 号 p. 374-378
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    50gずつのじゃがいも, たまねぎ, 鯨肉, とうふを, 180℃で4分間あげ, 10分後さらに4分間あげ, 揚げの時間と, フライ油の疲れ度合, 泡立ち性, 脂肪酸重合の程度を調べた。
    (1) 各揚げ物をあげることによって, フライ油の泡延距離が早くから拡がる。
    (2) 各揚げ物をあげ, 疲れ度合を同じにしたフライ油の脂肪酸重合の程度はそれぞれ異なり, いずれも対照油に比べ, ダイマー部, 2次生成物部の蓄積量は少ない。
    (3) じゃがいも, 鯨肉に吸着した油脂の脂肪酸重合の程度は, 揚げ物時のフライ油重合度より高い。
    (4) 未加熱油 (泡延距離25mm) に, カゼインを1%添加すると, わずかに泡延距離が25.3mmと拡がり, 酸化重合油 (泡延距離40mm) に添加した場合には, 泡延距離41mmとなり, その拡がりは大きい。しかし, 添加したカゼインを除くとかえって泡延距離が38~40mmとなり, 小さくなった。
    (5) 加熱重合油にカゼインを添加混合し, 脂質-カゼイン複合体を調製し, その窒素量を求めると10.9%となり, カゼインの窒素15.1%より少ない。
    また脂質-カゼインの複合体の脂肪酸重合度は, カゼイン添加時のフライ油より高い。
    以上の結果から, フライ油にカゼインを添加したときあるいは各種の揚げ物をあげた場合には, それぞれに酸化重合油が吸着し, 複合体を作り, 泡立ちの一原因になるものと考えられる。かかる観点からすれば, 泡立性, あるいは泡延距離から疲れ度合を判定するには, 揚げ物をあげた場合には, 若干の補正を加える必要がある。
  • 山添 義隆, 石井 勝三
    1965 年 17 巻 6 号 p. 379-380
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1) ムツゴロウ肉質中の水溶性ビタミン特にB1, B2, B6, B12ナイアシンおよびCの6項目について含有量を測定した。
    2) 全般的にかなり多くの含有量が認められた。
    3) 特にB12, ナイアシン含有量から泥土, 干潟に棲息する生活環境の特性がうかがわれた。
  • 高橋 重作, 神野 完
    1965 年 17 巻 6 号 p. 381-386
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    農家の保存食として, かなり広く利用されている醸造なめみそ類21点, 対照として市販品9点, 合計30点について, 成分を中心に検討を加えた。農家の自家用醸造なめみそについて次のことがいえる。
    1. 水分および食塩含量の高いものがかなり存在した。
    2. 概して糖質は低値であったが, 粗タンパク質, 粗脂肪およびアミノ態窒素などの含量は高値であったので, これらの保存食は農民栄素の欠陥を補足するうえに効果的である。
    3. 官能審査の成績においては, 多塩, 少糖などの点を反映して, 風味は概して市販品におよばないものが多かった。また, 色沢, 香り, 硬さについても問題があるので, 嗜好上や栄養的観点から今後改良を要する。
    4. ビタミンについては, B1含量は一般に低値であったが, B2含量は相当に高値を示した。しかし, いずれも農民栄養の欠陥を補足する意味では不十分で, 強化の必要が考えられ, 目下それぞれの強化条件について検討を加えつつある。
  • 春日井 愛子
    1965 年 17 巻 6 号 p. 387-396
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    数種市販プロテアーゼ剤による種々生鮮食品の蛋白分解について検討した。
    1. 生鮮鳥獣魚介類のプロテアーゼによる分解度はなまミンチ≫蒸煮ミンチであった。
    2. しかし鶏卵とくに卵白は蒸煮によってはじめて分解されるに至った。
    3. 米, 麦, 大豆の蛋白質も蒸煮によって蛋白分解性がいくぶん増加した。
  • 吉利 和, 柴田 長夫, 赤沢 北生, 山下 政三
    1965 年 17 巻 6 号 p. 397-404
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    シロネズミにカゼイン, 脂肪, 蔗糖, マツカラム塩からなる一定の合成食餌を与え, その中の脂肪の含量をかえて, シロネズミの毎日の摂食量と体重増加量をしらべて, 食欲に及ぼす影響を検討し, 同時に全身の栄養状態を観察して下記の成績を得た。
    1) 大豆油16%含有食餌投与シロネズミの摂食量と体重増加率が最も大で且つ元気もよく, 剖検時の栄養状態も良好である。
    2) しかし脂肪の量と種類とを大幅に変えて与えても, シロネズミの摂食量と体重増加は良好である。(ただ肝油の大量継続投与は有害に作用する) 。
    3) 脂肪無投与シロネズミでも毎日平均3.5gの体重増加, 11gの摂食量で, 全身栄養状態良好, 皮膚変化も全くない。
    4) 実験食餌中に脂肪以外の必須栄養素が十分に存在していれば, 健常シロネズミの摂食量・体重増加の割合はいずれも良好である。すなわち脂肪の多寡は健常シロネズミの食欲には影響がない。
  • 吉利 和, 柴田 長夫, 赤沢 北生, 山下 政三
    1965 年 17 巻 6 号 p. 405-414
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    ネズミのパントテン酸欠乏実験を行ない, その経過中に現われる主要症状について観察し, 下記の成績を得た。
    1) ネズミの尿中パントテン酸排泄量は, 実験開始当日から減少し始め, 数日後には早くも欠乏症状を呈しているネズミの排泄量とほぼ同程度にまで下ってしまう。
    2) 次いで体重増加の停止, 白毛への赤褐色の色素沈着が始まる。ついで脱毛 (時に眼鏡様眼), 脂漏性皮膚炎, 神経症状が現われ, その後化膿性疾患で突然死を来たすものが多い。黒毛のネズミでは白毛のネズミの脱毛の始まる時期から白毛化が始まるも脱毛はない。
    3) 本症に見られる神経症状に2型あり, 季節による影響が顕著なので, 夏型と冬型とに分類する。前者は末梢神経の知覚過敏 (その他脱毛, 脂漏性皮膚炎) を主とし, 後者は錐体外路性症候群を主とし, 筋緊張亢進と摂食時の震顫増強のため飢餓に陥り, 急速に衰弱して死亡する。
    4) 血清蛋白像では, 総蛋白量とγ-グロブリン濃度の減少が著明である。
    5) パントテン酸欠乏シロネズミに, 実験当初から毎日チロジンの大量経口投与を行なって症状, 特に神経症状を観察してみると, 対照パントテン酸欠乏ネズミの症状との間に差がない。パントテン酸はチロジン代謝に無縁であることを示すものと思われる。
    6) パントテン酸欠乏症にみられる主要症状群を, アセチル化の障害で一元的に説明しようと試みた。
  • 古沢 康雄, 宮下 詮子
    1965 年 17 巻 6 号 p. 415-419
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    各種の夏そばおよび秋そばデンプンについてひきつづきその性状を検討した結果,
    (1) アルカリ数は夏そばデンプン (平均12.1) と秋そばデンプン (平均11.2) との間に殆んど差がみられない。
    (2) カルシウムの含量は夏そば (平均54.1mg%) では高く秋そば (平均28.9mg%) では低い。また燐の含量は夏 (2.8mg%), 秋 (1.1mg%) ともに非常に少ない。
    (3) ヨードデンプン吸光曲線は夏そばの方が秋そばよりもいく分高い傾向で, 青価も夏そば (平均0.349) の方が秋そば (平均0.323) よりも少し高い。
    (4) ヨード親和力は夏そば (平均4.42) と秋そば (平均4.35) との間でほとんど差がなく, またアミロース含量も夏そば (平均25.2%) と秋そば (平均24.9%) の値はほとんど等しく, このことは各産地間の比較においても同様である。
    (5) 極限粘度は夏そば (平均2.00) の方が秋そば (平均2.41) よりも低い。
  • 永島 靖子, 平 友恒
    1965 年 17 巻 6 号 p. 420-422
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1. ナス10kgからアントシアン塩化物1.20gを得p.p.c. およびT.L.Cにより3種のアントシアニンを推定した。
    2. アントシアン塩化物を加水分解してアグリコンと結合糖とに分け, それぞれのp.p.c. の結果からアグリコンはdelphinidinであり, 結合糖はブドウ糖である事を認めた。
    3. c.p.c. により3種のアントシアニンを分別し, これらのp.p.c. および紫外線吸収の結果から, それぞれがdelphinidin-3, 5-diglucoside p-coumaric ester, delphinidin-3, 5-diglucosideおよびdelphinidin-3-gl-ucosideに一致した。
    黒田および和田はナスの主な色素はdelphinidin-5-diglucoside p-coumaric esterであると報告しているが, これはdelphinidin-3, 5-diglucoside p-coumaricesterと同一の物質のように思われる。Robinsonらによればアントシアニンは鉱酸により部分的加水分解を起こす恐れがあるとの事からdelphinidin-3, 5-diglucosideはナスニンの加水分解によることもあり得るとも考えられる。
  • 石田 欽一, 横尾 良夫, 小山 吉人
    1965 年 17 巻 6 号 p. 423-428
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    食品にPaA-Caを強化した場合の味の変化を調べるため単一の呈味物質および市販の液状嗜好食品にPaACaを添加し官能審査を実施した。
    1) 単一の呈味物質の場合, 苦味物質 (カフェイン) はPaA-Caの添加によって味に変化がみられ苦味が弱くなることがわかった。また人工甘味物質 (サッカリンナトリウム) においても苦味が弱くなるため, PaA-Caの添加が好ましい影響を及ぼすことがわかった。2) その他の呈味物質については, その変化は統計的に有意なほど大きくなかった。
    3) 市販の液状嗜好食品にPaA-Caを添加した場合オレンジジュース, ぶどう酒に変化がみられ, 添加区が好ましいということがわかった。
  • 高橋 重作, 神野 完
    1965 年 17 巻 6 号 p. 429-433
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    農家の自家用加工なめみそ9点, 市販品1点, 計10点について, 含有成分, 官能的品質および保存性などについて検討を加えた。その結果を要約すると次のようになる。
    1. 自家用加工なめみその原料は既製のみそを基本とし, これに大豆, 落花生, 干だら, かつお節, ごま, 野菜類, 砂糖, 食油および香辛料などであった。
    2. 一般成分については, タンパク質, 脂質, 糖質などの含量に富み, 水分含量は概して低値であった。従って, これらの保存食の栄養価はかなり高いと考える。
    3. ビタミンB1含量は醸造なめみそに比較していくぶん高い程度であったが, B2含量はかなり高値であった。しかし, 農民栄養の欠陥を補足する意味では, B1はもちろんB2含量においても不十分で, これらの保存食に対し, ビタミンなど強化の必要が考えられるので, 引き続き強化条件について検討中である。
    4. 野菜類を多量に混有する加工なめみそは概して保存性に乏しい事実を確かめた。
  • 仁木 達, 祐川 金次郎
    1965 年 17 巻 6 号 p. 434-440
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    分娩前1~1.5カ月の乳牛に対して, 百日せきジフテリヤ混合ワクチンを注入し, 乳汁中の抗体産生を経時的に測定した。
    1. 抗原の注入は6~7日間隔, 1回40ml (百日せき菌24 billion/ml) を乳頭から3~7回, 総菌数2,880~6,720 billionを注入した。
    2. 免疫牛および非免疫牛からの初乳および常乳の蛋白質組成上の差異は認められない。免疫牛および非免疫牛の蛋白質含量および組成上の若干の差異は, 乳牛の個体差によるものである。
    3. 免疫牛からの乳汁ホエー部分の百日せき菌に対する抗体価は, 分娩後10日ぐらいまでは, ホエー窒素量2~3γで凝集が認められる。以後泌乳期の進行にともなって抗体価は減少したが, 160日後には25γで反応を示した。一方非免疫初乳では, ホエー窒素200γで凝集を示したが常乳では3,000γでも反応が認められない。したがって抗原注入による抗体価は初乳において約40,000倍, 160日後で約300倍に上昇した。
    4. 硫酸アンモニウム1.62M分画, すなわち電気泳動的にγ-グロブリンと考えられる区分に凝集素が存在し, 免疫乳では窒素1.5γ, 非免疫初乳および常乳からのγ-グロブリン区分では50γで凝集を示した。
    5. ジフテリヤ抗原に対する抗体は, 免疫量が少なかったので検出できなかった。
  • 仁木 達, 祐川 金次郎
    1965 年 17 巻 6 号 p. 441-445
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    分娩前乳牛の乳頭から, 百日せきジフテリヤ混合ワクチンを注入して得た人工免疫乳から, 免疫蛋白質γ-グロブリンを硫酸アンモニウム塩析によって分別し, 免疫蛋白質が経口的に摂取される場合に, 必然的に生ずる消化分解による免疫活性の低下および加熱処理による免疫抗体の熱変性にともなう抗体価の低下を知るために, まず試験管内でこの問題を検討し, 次のような結果を得た。
    1. 分離されたγ-グロブリンは, 電気泳動的には95%純度のものであるが, DEAE-Sephadex A-25, 2.5×50cmカラム, 0.02M, pH7.0リン酸緩働液, 5ml/5min. の条件で溶出した場合には, 2つのピークに分離された。このγ-グロブリンは3~6γ窒素で百日せき菌10billionと凝集を示した。
    2. γ-グロブリンを, 1/10濃度のヘプシンpH2.2およびトリプシンpH7.0で37℃, 3時間消化させ, 反応終了後, イオン強度を塩化ナトリウムて0.05~0.3Mまで段階的に上昇させながら, 上記同様のカラムに0.02Mリン酸緩衝液を5ml/5min. で流出させ, 5mlずつフラクションコレク々ーて採取した。各フラクションを自記分光光度計280mμで吸光度を測定し, ペプシン消化物は7区分, トリプシン消化物を5区分に分画した。
    3. ペプシン消化ては, 反応混液の凝集価は約1/4に減少したが, トリプシン消化では凝集価の低下は認められなかった。各分画については, 消化分解によって分子量が小さくなったと考えられる区分の抗体活性は次第に減少したが, 1~3分画ではほとんど変らなかった。ペプシン処理による最終分画には活性が認められなかった。
    4. γ-グロブリンの加熱処理では, 温度, 時間の上昇にともなって遠心沈殿蛋白量, すなわち熱変性量も次第に増加した。
    63℃, 30分加熱処理では, 凝集価も約1/2に低下する。しかし, 70℃以上の処理で遠心沈殿したγ-グロブリンをpH10~11で再溶解したものの凝集価は溶液中のそれと同程度であった。
  • 松下 アヤコ
    1965 年 17 巻 6 号 p. 446-451
    発行日: 1965/04/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    大豆, 小豆, かぼちゃおよびきゅうりの成熟過程における遊離アミノ酸の分布状況を, PCおよびイオン交換クロマトグラフィーを用いて追跡し, アミノ酸含有量の変化状況はJ. Awapara14) のPCによるアミノ酸の呈色班抽出比色法を用いて定量を行なった。大豆, 小豆の種子, かぼちゃ, きゅうりの果菜成熟過程における遊離アミノ酸は不変のものでなく, それらの種子および果菜の成熟の段階がすすむにつれて, その種類および含有量に変化を生じることがみとめられた。
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