基礎代謝および安静時代謝の両老, あるいは基礎代謝と安静時代謝のいずれか一方を測定した施設幼児23名と家庭幼児15名の摂取食物を計量記録し, それより食品成分表を用いて摂取熱量を算出し, これと基礎代謝との関係を検討し, 次の結論を得た。
1. 平均栄養摂取量は全般的に家庭児が施設児を凌駕し, 施設児は大部分が所要量を下回わっており, 家庭児は熱量を除いて, 所要量を上回わっていた。
2. 摂取熱量は, 総熱量では昭和45年度の目標を全般的に下回わっているが, 体重1kg当たりにすると, 年令, 性, 対象群についての差異は殆んど見られず, 大部分は65~90Calの間に分布していた。
3. 基礎代謝に対する総摂取熱量の比率は, 施設児では男女とも1.4倍前後にすぎず, 家庭児の男児は1.7倍, 女児は2倍近くを示した。
4. 総摂取熱量から基礎代謝量を差引いた数値は, 個別的変動が著しく大きく, また施設, 家庭両群間にも大差がある。
5. さらに特異動的作用を差引いた数値の平均は, 家庭の女児を除いてMacyの成績を下回わり, 特に施設児は1/3前後にすぎない。
6. 生活々動指数は平均値で家庭児は0.56に近い値を示したが, 施設児は0.21~0.33であった
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