栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
19 巻 , 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 森 治夫
    1966 年 19 巻 4 号 p. 235-239
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    米ぬかより純粋に分離したimositol hexaphosphateをpH 3.6にて分解し生成したinositel phosphatesを分別し, 精製し, フィチン態Pを定量し, 全Pの中どれだけがこの定量法により定量されるかを定めた。
    (1) inositol triphosphate以上の高級リン酸化合物は, そのPの90%以上がフィチン態Pとして定量された。
    (2) 分離されたinositol diphosphateの2個の異性体はそのPのそれぞれ58.8%および28.8%がフィチン態Pとして定量された。
    (3) inositol monophosphateのPは全くフィチン態P定量法によって定量されなかった。
  • 川西 悟生, 斎藤 健輔
    1966 年 19 巻 4 号 p. 240-244
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    新鮮全脂および脱脂粉乳の風味構成の比較, 保存中の変化, 油脂および香料を添加した還元脱脂乳の嗜好性の変化などについて実験を行ない, 次のような結果がえられた。
    1. 両粉乳の揮発性脂肪酸は, ほぼ類似しており, n-C4酸, n-C6酸が主体であり, C1, C2, C3は認められなかった。
    2. 新鮮脱脂粉乳では揮発性カルボニル化合物は少ないが, 保存による風味の劣化とともに増加する。全脂粉乳では新鮮時もある程度存在し, 劣化に従いさらに増加する。
    3. 脱脂, 全脂粉乳とも, H2Sが検出されたが, mercaptan, methylsulfideは認められなかった。H2Sは脱脂粉乳に多く, 45℃の保存で著しく増加した。
    4. 両粉乳とも45℃の缶詰保存で経時的に風味の劣化をきたすが, 劣化の現象と揮発性化合物の変化との関係について検討した。
    5. 還元脱脂乳の嗜好性は乳化状態によっても異なるが, 適量の精製油添加, 適切な香料添加によってかなり改善される。
  • 後藤 たへ, 佐藤 明子
    1966 年 19 巻 4 号 p. 245-247
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    同位元素希釈定量法によって食品のHgを定量する際, 食品の有機物の分解はできるだけ温度をあげないで, しかも短時間で分解を完了しなければならない。また途中の操作でHgの逸散ならびに損失を防止しなければならない。
  • 後藤 たへ
    1966 年 19 巻 4 号 p. 248-251
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    131Iを用いて次のことが確認された。
    市販だし昆布のIの約90%は無機態Iで水浸液中に溶出する。水浸液中に少量の有機態Iも共存するが煮沸によって無機態Iがいちぢるしく減少し, 逆に有機態Iが増量する。その有機態Iの一種は沃度と昆布中のカテキン類の結合物と考えられる。なお昆布の加熱分解は500℃が最適である。
  • 後藤 たへ
    1966 年 19 巻 4 号 p. 252-255
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    昆布水浸液中にタンニンおよび非タンニン物質Iが含有量の約2倍量も含まれている。煮沸によってそれらの含有量に大差がないがタンニン混合KI溶液ではタンニンが減少し非タンニン還元物質は増加する。これら還元物質と関係すると考えられる無機態I定量時の過酸化水素の濃度は3%が最適である。また昆布中の成分であるアルギン酸, グルタミン酸, リジンのいずれも昆布水浸液ならびにタンニン混合KI溶液に加えても無機態Iはほとんど変化はしない。グルタミン酸混入の煮沸時には無機態Iが少量減少する。しかしタンニン混合はいちぢるしく無機態Iを減少し, アルブミンおよびマンニット混合もタンニン混合よりは少ないが, 無機態Iを減少する。いずれも煮沸時はさらに無機態Iの減少がみとめられる。
  • 小柳 達男, 鷹觜 テル, 及川 桂子
    1966 年 19 巻 4 号 p. 256-259
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. ゼラチンを米に補ってその蛋白質の栄養価を高めるばあい, その添加量は飼料に対して6%くらいが適当である。4%のほうが体重増加は大であるがこれは体脂肪増加のためである。
    2. Harperらはゼラチンとともにアミノ酸を加えたばあい, ゼラチン添加以上の効果を認めていないが, われわれはゼラチンとともにトリプトファン, メチオニンを与えるとこれらアミノ酸添加によりさらに発育の改善が生じ, その程度は蛋白質栄養価として最高である6%カゼイン添加のばあいに近づくほどの効果を示した。これらアミノ酸のほかヒスチジンを加えたがその効果は認められなかった。
  • 鈴木 正成, 小柳 達男
    1966 年 19 巻 4 号 p. 260-263
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ラッテに12, 20, 30日間, 1日600~1, 600mの運動を負荷し, 運動訓練の身体に及ぼす影響を経日的に検討した。
    1. 運動訓練で体重増加抑制現象がみられ, 皮下脂肪, 腎周囲脂肪組織重量が運動訓練で著しく減少したが副睾丸脂肪組織は運動の影響を受けなかった。
    2. 運動訓練で心臓, 上腕三頭筋, 腓腹筋の発達が促進された。
    3. 筋肉中脂質量は, 30日間の運動訓練で減少し, リン脂質量は変化しなかったが, 全脂質中リン脂質の割合が増加した。
  • 藤江 奏
    1966 年 19 巻 4 号 p. 264-267
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 弗素中毒発生要因として, 飲料水中の弗素以外の因子を追究するため, 斑状歯発生地帯の島根県美濃部美都町および同県鹿足郡六日市町の中学校生徒を対象に, その飲料水を分析し, 同時に毛髪中の弗素を測定して体内蓄積の状態をしらべた。
    2) 斑状歯の発生率が美都町11.63%, 六日市町41.56%であるのに対して, 飲料水中の弗素含量がそれぞれ0.56p. p. m. および0.26p. p. m. と逆の結果を示したのは前報と同じであったが, 弗素のほかに, 塩素, 硬度およびカルシウムにも大きな差異がみとめられた。すなわち, 美都町においては六日市町に比し, 塩素は約3.8倍, 硬度およびカルシウムにはそれぞれ約2.9倍という高い含量を示した。
    3) 飲料水中の弗素含量が0.30p. p. m. 以上になるとすべて斑状歯症状を呈していたが, 0.30p. p. m. 以下では硬度値およびカルシウム含量が高いほど, 斑状歯の出現が抑制されていた。しかし, 塩素は美都町において多量検出されたにもかかわらず, 斑状歯出現とは全く無関係であることがみとめられた。
    4) 毛髪中弗素含量は斑状歯保有者に多量検出され, またカルシウム含量の高い場合には低い値を示していた。したがってカルシウムが弗素と結合して体内への吸収を妨害しているものと推察された。
  • 川村 信一郎, 多田 稔, 楢崎 丁市
    1966 年 19 巻 4 号 p. 268-275
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    (1) 大豆 (10品種) は88.8~92.0 (平均90.3) %の種実 (子葉) と6.1~8.3 (平均7.3) %の種皮と1.9~2.9 (平均2.4) %の胚軸からなる。
    (2) 糖を抽出し, 個々の糖を定量する方法を定めた。
    (3) 9品種の大豆の種実, 種皮, 胚軸の水分, 灰分, 粗脂肪, 粗タンパクを分析定量した。日本品種はアメリカ品種よりも炭水化物が多い。
    (4) 9品種の大豆の種実, 種皮, 胚軸の個々の糖を定量的ペーパークロマトグラフィーによって定量した。平均すると脱脂種実はサッカロース6.6%, ラフィノース1.4%, スタキオース5.3%を含み, 単糖類 (グルコースとフルクトース (?)) と五糖類 (ベルバスコース) がこん跡量存在する。平均すると種皮はアラビノース0.02%, グルコース (+フルクトース (?)) 0.05%, サッカロース0.60%, ラフィノース0.13%, スタキオース0.41%, ベルバスコースこん跡を含む。アラビノースは水溶性多糖類が分解したものかも知れない。脱脂胚軸の糖組成は脱脂種実と大差ないが, スタキオースがサッカロースより多い場合が多かった。
    計算によると, 大豆全粒 (無水物, 脂肪あるまま) は平均すると単糖類と五糖類 (ベルバスコース) こん跡, サッカロース5.0%, ラフィノース1.1%, スタキオース3.8%を含む。 (この値は日本産1品種についての定量値よりやや高い。)
  • 柳沢 文正, 小笠原 公
    1966 年 19 巻 4 号 p. 276-281
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    強化精麦を健康, 不健康のヒトならびに実験動物に与えて, 血清電解質およびコレステロールに及ぼす影響を精白米とあわせ吟味した。
    1. 健康のヒトでは両試験食の差異がみられないが, 糖尿病患者および病弱者の試験では, 強化精麦食により血清透析性カルシウムが増加し, 精白米食は逆に減少する傾向であった。
    2. 健康動物試験では, 強化精麦投与により血清無機リンが減少し, 精白米投与では逆に増加した。
    3. 四塩化炭素障害ウサギの試験では, 強化精麦投与により血清透析性カルシウムが増加し, 精白米投与では総マグネシウムおよび無機リンが増加した。
    4. 飢餓回復に対する試験では, 短期飢餓のものは精白米に比較して強化精麦投与により血清透析性カルシウムが増加し, マグネシウムと無機リンが減少するが, 長期飢餓ではこの関係が逆になった。
    5. 健康動物に精白米を投与すると強化精麦よりも血清総コレステロールが増加する。コレステロール添加食飼育や高コレステロール血動物では, 精白米に比較して強化精麦投与の血清総コレステロールが低値であり, 四塩化炭素障害のものでは強化精麦が高値を示した。飢餓動物では強化精麦による減少が緩慢であった。
    以上を総括して糖尿病などの病弱者や実験的肝障害は, 比較的血清透析性カルシウムが低く, 無機リンが高値のアチドージス傾向があるが, 強化精麦食によって血清透析性カルシウムが増加し, 精白米食にみられるごとき高無機リンがなく, マグネシウムや総コレステロールの増加が少ないことなどから考慮して, 主食のとりいれ方に改善的役割があると思われる。
  • 永田 致治, 安藤 則秀
    1966 年 19 巻 4 号 p. 282-285
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    従来肉製品中の亜硝酸塩を定量するために用いられている比色定量法は, その反応域が強酸性側にあるため, 還元性物質が共存すると亜硝酸塩の正しい定量値の得られないことが明らかとなった。これは反応域が酸性側にあるときには, 共存する還元性物質により亜硝酸塩が分解されるためである。したがって還元型ascorbateなどの還元性物質が共存する場合に亜硝酸塩を正確に定量するためには, 反応液のpHを中性付近に保つことが必要である。
    そこで今回, ポーラログラフを用い, 還元型ascorbateが共存する場合の亜硝酸塩定量法について検討を行なったところ, ベロナール緩衝液でpH6.0~7.0に調整したクロム (III) -グリシン錯塩と過塩素酸ナトリウムを含む支持電解液を使用すると, 亜硝酸ナトリウム20ppm以内で濃度と波高との間に直線関係があり, かつ共存する還元型ascorbateによる阻害作用も認められないので, この新しく考案したポーラログラフ法により, 還元型ascorbateが共存しても, 亜硝酸塩の量を正確に定量できることが明らかとなった。
  • 永田 致治, 安藤 則秀
    1966 年 19 巻 4 号 p. 286-290
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    還元型ascorbateと亜硝酸塩が共存する場合, 通常ひろく用いられている滴定法や比色法では還元型ascorbateの正確な定量値は得られないことが明らかとなった。
    そこでポーラログラフを用い, 亜硝酸塩が共存する場合の還元型ascorbateの定量法について検討を行なったところ, 亜硝酸塩定量の場合と同様に, ベロナール緩衝液でpH6.0~7.0に調整したクロム (III) -グリシン錯塩と過塩素酸ナトリウムを含む支持電解液を使用すると, アスコルビン酸ナトリウム0.02%以内で波高と濃度との間に直線関係があり, また共存する亜硝酸塩による阻害作用も認められないので, このポーラログラフ法により, 亜硝酸塩が共存しても還元型ascorbateの正しい定量値の得られることが明らかとなった。
  • 吉田 昭, 守時 圭子, 野田 克彦
    1966 年 19 巻 4 号 p. 291-296
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. 8%カゼイン食にMetを添加した時に起こる脂肪肝の際のプラズマ全エステル型脂肪酸, 燐脂質, コレステロールを測定したがエチオニンやオロチン酸による脂肪肝の場合と異なり, 肝脂質の蓄積に伴ってこれらの血中脂質量に変化は見られなかった。
    2. 無蛋白食にメチオニンを加えた飼料でネズミを飼育すると無蛋白食に比して肝脂質は著しく増加するが, Thrの添加によって肝脂質蓄積は部分的に阻止された。また無蛋白食にMetとThrを添加すると体重の減少は明かに少なくなった。無蛋白食群では8%カゼイン食群に比してプラズマ中のエステル型脂肪酸は著しく低下し, Metの添加によっては無蛋白食群と変らなかったが, MetとThrを同時に無蛋白食に加えるとエステル型脂肪酸量は8%カゼイン食群と略同じ程度にまで回復した。
    これらの実験からは8%カゼイン食の場合にも, 無蛋白食の場合にもMetの添加による肝脂質の増加は肝臓におけるリポ蛋白の合成低下によるとは考え難いがThrの肝脂質蓄積阻止作用はリポ蛋白合成促進と関係ある可能性も存在する。
  • 金森 正雄, 植田 多津, 後藤 英弥
    1966 年 19 巻 4 号 p. 297-301
    発行日: 1966/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    牛肉ロース芯をそのまま, メチルセルローズおよびイソアスコルビン酸ソーダ処理の3区分に分けて凍結乾燥品を調製した。生肉の組織脂肪の恒数を測定し, その構成脂肪酸をブロマゾン法で分析した。凍結乾燥品を約1カ年貯蔵して脂質変化をTBA法で追跡したところ, 不飽和脂肪酸の少いロース芯の乾燥品は6カ月貯蔵後でも殆んど変化なく安定であった。イソアスコルビン酸ソーダ, メチルセルローズ処理による酸化防止効果は認められなかった。
    新鮮卵黄の凍結乾燥粉末を調製して室温で約1カ年貯蔵し前と同様に卵黄脂質の恒数を測定し, 貯蔵初期と末期での恒数の変化ならびに脂質構成脂肪酸組成の変化をしらべた。貯蔵中の脂質の変質状態をTBA法を用いて精査し, 9カ月貯蔵後でも余り変敗は認められず, 風味, 復元性などから凍結乾燥品として優れたものであることを認めた。TBA反応呈色物質の吸収スペクトルについて考察を加えた。
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