栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
20 巻 , 1 号
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  • 金森 正雄, 高橋 昌雄, 三好 正満, 植田 多津, 後藤 英弥
    1967 年 20 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    豚肉各部位を無処理, 抗酸化剤処理および抗酸化剤と醤油処理のA, B, C処理して, 常法にしたがって凍結乾燥製品を製造し, 窒素ガス充填, アルミラミネート包装して37℃の条件で長期貯蔵した。
    貯蔵とともに脂質の酸価, カルボニル価は次第に増大し, TBA価, 過酸化物価も次第に増加するが, 食品として不適当なほどの変化ではなかった。
    各凍結乾燥試料の中性脂肪の構成脂肪酸および遊離脂肪酸組成の貯蔵中における変化をガスクロマトで詳細分析し, 酸化の様相を精査した。また各試料について, それぞれの遊離脂肪酸から求めたP/Oモル比を調べたところ, 貯蔵とともに増加し, 酸化速度との相関関係を推定できる結果がえられ, P/Oのもつ脂質の恒数としての意義を認めることができた。
    7カ月貯蔵後の各試料についての官能試験から, 各部位各処理区とも良好であり, 処理法による優劣は余りなく, 特にC処理区分のものは優れていた。
    以上の実験結果から凍結乾燥豚肉製品は食品としての貯蔵性に優れ, 殊に抗酸化剤と醤油とで処理をしたC処理区分の試料は優れた貯蔵性をもつことがわかった。
  • 祐川 金次郎, 繁田 晴美, 飯田 広夫, 櫻田 教夫, 大和田 寛, 長島 隆
    1967 年 20 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    経産牛および妊娠牛にポリオウイルスワクチンを筋肉注射し, 血中および乳汁中の抗体価, 加熱処理による免疫抗体の変化および免疫粉乳をサルに投与した場合の血中抗体の変動などについて実験した。
    1. ポリオウイルスワクチン免疫による乳牛の血清および乳汁中の中和抗体価は, 妊娠牛に免疫した場合にその産生能が良好で, 血清, 初乳ともにIII型は<4, 096×と上昇した。I, II型は血清で128~2, 048×, 初乳では16~2, 048×であった。
    2. 乳汁中のポリオウイルス中和抗体の経時的低下はきわめて速かで, 分娩約2週間後には免疫前と同程度まで低下した。
    3. 免疫初乳を仔牛に摂取させた結果は, 血清中のポリオ中和抗体はI, II, III型それぞれ<4×, 64×, 512×と上昇した。
    4. ポリオ抗体の活性は63℃, 30分間の加熱処理ではほとんど低下しなかった。
    5. 免疫粉乳をサル4頭に15日間投与した結果, 1頭にのみ8×の血中抗体が確認された。
  • 田村 真八郎, 劔持 久仁子, 鈴木 忠直, 麻生田 明子
    1967 年 20 巻 1 号 p. 14-20
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    日本人が日常食用としている食品49点のアミノ酸組成の測定結果を食品群別に表示し, 若干の考察を加えた。
  • 劔持 久仁子, 田村 真八郎
    1967 年 20 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    大豆たんぱく質, 白米たんぱく質およびこれらに米でんぷんを加えたものの計4種の試料について, 塩酸量を試料に対して1~1, 000倍の範囲で変えて加水分解を行なって, アミノ酸分析をし, 塩酸量の多少がアミノ酸測定値に及ぼす影響を考察した。たんぱく質単独試料では試料に対して100倍以上の塩酸量で白米たんぱく質のセリンを除いては, ほぼ満足すべき値を得た。でんぷん混合試料では, たんぱく質が大豆たんぱく質の場合は試料の100倍以上の塩酸量があれば, たんぱく質単独試料と同じ測定値を示したが, 白米たんぱく質の場合は試料の100倍の塩酸量では, チロシン, セリン, アルギニンの測定値が低く, 1,000倍の塩酸量でもチロシンの測定値は低かった。
  • 高橋 徹三, 中川 一郎, 小林 克巳, 大木 フサ
    1967 年 20 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    雄ラットをad libitum feedingとpair-feedingの2群に分け, この各群をそれぞれ飼料中カゼイン含量10, 18, 27%の3群に分けた。27%群のみは生後1年経過後さらに10, 18, 27%の3群に分けた。自然死するまで飼育し, 生存日数, 残存率と飼料中カゼイン含量との関係を検討し, 死亡したラットについては病理組織学的検討を行なった。
    残存率, 平均生存日数の状況からみて次のような傾向が認められた。一生を通じて同一飼料を与えた場合, ad libitum feedingでは18%群が最もよく, 他の2群間では540日頃までは27%群の方が, それ以後はかえって10%群の方がよく, pair-feedingでは27%群が最もよく, 18%, 10%の2群間に大差はなかった。27%群を1年後3群に分けた場合はad libitum feeding, pair-feedingともに18%群が最もよかったが, 他の2群についてはad libitum feedingでは大差なく, pair-feedingでは10%群の方が悪かった。
    生存日数についてはいずれの群間にも統計的には有意差はなく, また腹のちがいによる有意差もなかった。
    病理組織検査の主要な結果は次のとおりである。
    大部分の例数において肺炎が直接, 間接の死因であった。肝臓に何らかの所見がみられた例数は食餌タンパク量の低い程多い傾向がみられ, とくに萎縮は10%群では1年以前にすでに高率にみられた。しかし肝臓の脂肪化については一定の傾向は認められなかった。
    心筋変性, とくに脂肪化は27%群に多くみられた。睾丸では萎縮などの所見が, 一生を通じて10%食を与えた群に多くみられた。細尿管変性は10%群に多く, 次いで27%群に多くみられた。
    18%群は心臓, 腎臓, 睾丸, 消化管における所見が他の2群にくらべて少なかった。
    脾, 副腎, 大脳, 小脳では所見少なく, 各群間に一定の傾向はみられなかった。
  • 長田 博光
    1967 年 20 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    海藻の有機酸組成ならびに乾燥中におけるそれらの含量の変化について研究を行なった結果は次のごとくであった。
    1. モズク, ワカメ, ホソメコンブの3種の有機酸組成は殆んど同一であった。すなわち3種の有機酸組成はプロピオン酸, 酢酸, ピルビン酸, フマール酸, α-ケトグルタル酸, コハク酸, 乳酸, ピログルタミン酸, シュウ酸, リンゴ酸, クエン酸であった。
    2. 有機酸含量はモズク, ワカメにはフマール酸, 酢酸がやや多く含まれていた。またホソメコンブには酢酸, 乳酸が多く含まれていた以外はあまり目だって多い酸は見当たらなかった。
    3. 全有機酸量を比較するとホソメコンブは他の2種に比べて著しく多くモズクの約8倍, ワカメの約4倍量を含んでいた。
    3. 乾燥した場合ワカメではクエン酸が生9.7mg%に対して44.5mg%と著しく増加していた。ホソメコンブでは全ての酸が減少していた。
  • 満田 久輝, 中村 尚夫, 安本 教傅, 河合 文雄, 鹿内 健彦
    1967 年 20 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    10M尿素溶液による40℃, 72時間浸漬によって調製したトルラ酵母分離タンパク質, 尿素処理カゼインおよび乾燥トルラ酵母, カゼインについて白ネズミによる窒素出納試験, 成長試験を行ない, 生物価, 消化率, タンパク効率などを測定し, これらを比較検討した。
    その結果,
    (1) トルラ酵母分離タンパク質, 尿素処理カゼイン, 乾燥トルラ酵母, カゼインの生物価は, それぞれ47~48%, 60~67%, 37~51%, 68~70%で消化率はそれぞれ96~97%, 93~94%, 65~68%, 96~98%であった。
    (2) 尿素処理によるトルラ酵母分離タンパク質, 尿素処理カゼインの生物価は, それぞれの原料である乾燥トルラ酵母, カゼインの生物価と差異はない。
    (3) トルラ酵母分離タンパク質の消化率は乾燥酵母に比して著しく高く, カゼインにやや劣る程度である。尿素処理カゼインの消化率もカゼインにやや劣るが, その差は実際的に無視しうるものである。
    (4) 乾燥トルラ酵母の消化率が著しく劣るため, そのタンパク効率は1.1で, トルラ酵母分離タンパク質の1.6に比して著しく劣る。しかし消化率による補正を行なった正味タンパク効率は前者で1.6, 後者で1.6となり有意差は認められない。
    (5) 尿素処理カゼインのタンパク効率, 正味タンパク効率はそれぞれ2.3, 2.5でカゼインの2.3, 2.3と大差はない。
    (6) 酵母分離タンパク質, 尿素処理カゼインを継続して大量投与しても白ネズミの成長曲線に異常はなく, また白ネズミに外観的異常も現われなかった。
    (7) トルラ酵母分離タンパク質にmethionineを補足すると生物価は57~61, タンパク効率は2.2と向上しこれによる成長曲線はカゼインによる場合に匹敵した。
    以上尿素処理法はタンパク質の栄養価をそこねることなく多量のタンパク質を抽出する優れた方法であることを立証し得た。
  • 満田 久輝, 安本 教傳, 古川 忠康
    1967 年 20 巻 1 号 p. 40-44
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    グルタミン酸生産菌, M. glutamicusの凍結乾燥菌体より尿素法と各種前処理を併行して, 菌体の成分タンパク質の分離抽出法を検討した。
    1) 本菌体がもつ強固な細胞壁のため尿素法のみではタンパク質の抽出効率は極めて低かった。
    2) 各種前処理中, 1N HCIによる熱処理は100℃, 3~10分間処理が最も効率がよく, タンパク質純度も高かった。
    3) 本菌体の成分タンパク質のアミノ酸組成はほぼ全卵タンパク質に匹敵しているが, 抽出タンパク質は菌体の成分タンパク質に比べてmethionine含量が低下していた。
  • 祐川 金次郎, 菊池 俊彦, 繁田 晴美
    1967 年 20 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    リゾチームの生理効果を検討した。リゾチームはカゼインに対してin vitroでは分解作用を示さない。
    リゾチームを130mg/100g添加した育児用試験粉乳を家兎およびネズミに投与し, つぎのような結果を得た。
    1. 牛乳中には0.03~0.17mg/100g, 人乳では3~10mg/100gのリゾチームが含まれ, 牛乳では人乳の約1/100程度であった。
    2. 家兎にリゾチーム添加試験粉乳を投与した場合には, 血清および糞便中のリゾチーム含量が増加した。とくに糞便中に多い。
    3. 家兎糞便中のN-化合物の分布をDowex-50Wイオン交換樹脂で測定した結果, オリエンタル飼料と育児用粉乳を投与した場合はその分布が異なり, 育児用粉乳投与によって糞便中には低分子N-化合物が多くなった。しかしリゾチーム添加試験粉乳と無添加粉乳との間では明らかな差異は認められなかった。
    4. リゾチーム添加育児用粉乳および無添加粉乳投与によって, ネズミ糞便中のpHは低下, ビフィダス菌は増加した。とくに試験粉乳投与ではこの傾向が明らかであった。さらに再びオリエンタル飼料を投与するとpHは上昇し, ビフィダス菌も減少した。
  • 山田 尚達, 吉岡 一, 田中 哲夫, 石崎 岩雄, 今井 敏夫, 祐川 金次郎, 菊池 俊彦, 繁田 晴美, 土肥 達, 小林 洋子
    1967 年 20 巻 1 号 p. 52-61
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    生後2~150日の乳児17名にリゾチーム130mg/100gを添加した粉乳 (以下試験粉乳と略す) を4~21日間投与し, 乳児の一般所見および糞便中の各成分を測定し, つぎのような結果を得た。対照としては雪印ネオミルクPF (以下PFと略す) を用いた。
    1. 試験粉乳投与乳児の一般的な所見は, PF投与乳児に比較して, 便性や授乳量に変化はなく, 体重増加も順調であった。とくに未熟児5例の体重増加は良好であった。
    2. 糞便中のリゾチーム含量は, 個体差がきわめて大きく, 0.7~80mg/100g固形であったが, 15例中13例は試験粉乳投与によって増加した。したがって経口投与されたリゾチームは胃の中でもほとんど酵素作用をうけずに腸まで達するものと考えられる。
    3. 糞便中のグルコサミン含量も0.3~4.3mg/g固形と個人差は大きかったが, 試験粉乳を投与した場合には14例中12例にグルコサミン含量が増加した。傾向としてリゾチーム量の増加と大体並行した。
    4. 試験粉乳投与による乳児糞便中のアンモニヤ態窒素, ヒスタミンおよび硫化水素含量は, PF投与乳児のそれと大差はなかった。
    5. 糞便中の窒素化合物の分布については, Dowex-50Wによる篩分別の結果, 60~67%は主としてアミノ酸および低分子窒素化合物であった。
    PFおよび試験粉乳投与乳児の間には, 窒素化合物分布に大きな差異は認められなかったが, 試験粉乳投与後は主としてアミノ酸および低分子窒素化合物含量の増加する傾向が認められた。また試験粉乳投与によって糞便中の全窒素に対する水溶性窒素化合物量が若干増加した。
    6. 試験粉乳投与乳児糞便のpHおよび便性は, PF投与の場合とほとんど差は認められなかったが, 糞便中のビフィダス菌については増加の傾向が認められた。
  • 山田 尚達, 田中 哲夫, 山本 恵子, 山田 睦夫, 吉岡 一, 祐川 金次郎, 菊池 俊彦, 繁田 晴美, 佐々木 敬卓, 小林 洋子
    1967 年 20 巻 1 号 p. 62-68
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    生後2~10ヵ月の母乳栄養児13名について, 糞便中のリゾチーム含量およびこれに関連する各成分ならびに腸内菌叢について測定し, すでに報告したリゾチーム添加粉乳投与乳児のそれと比較した。
    1. 母乳栄養児糞便中のリゾチーム含量は約5mg/100g固形であった。人工栄養児では約2mg程度のものが多く, リゾチーム添加粉乳投与乳児では母乳栄養児程度か, またはそれ以上に増加した。
    2. グルコサミン含量については, ほとんどの場合1mg/g固形以上で最高27.5mgであった。人工栄養児の場合には0.5mg/g前後のものが多く, リゾチーム添加粉乳投与によって約1mg程度に増加したが, 母乳栄養児糞便中のグルコサミン含量よりも一般に低い。
    3. アンモニヤ態窒素含量は約2mg/g固形であった。
    人工栄養児とほとんど同程度か, むしろ若干高い傾向であった。
    ヒスタミンについては, 1, 0mg/g固形以下がほとんどで, 人工栄養児と大差はなかった。硫化水素はいずれも検出されなかった。
    4. 母乳栄養児糞便中の窒素化合物の分布は, 水溶性窒素化合物が80%以上で, 人工栄養児のそれに比べてきわめて多かった。
    しかし, Dowex-50W樹脂による窒素化合物の篩別分析では, タンパク態窒素化合物が人工栄養児糞便に比較して多かった。
    5. 母乳栄養児糞便のpHは人工栄養児糞便よりも酸性で, 菌叢についてはビフィダス菌が圧倒的に多く, 大腸菌は2~3例に若干みられたのみであった。
  • 松谷 康子, 結城 節子, 多田 真瑳子, 小川 安子, 小川 政禧
    1967 年 20 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1967年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    超音波発振によって汚れの洗浄効果が増加することはよく知られた事実であるので野菜類の洗浄にこれを適用した時の影響を知るための予備実験として, 本報では東陽理工製作所の強力超音波発振器 (20K.C) を用いて主として植物葉のL-アスコルビン酸におよぼす影響について観察したところを要約すれば次のごとくになる。
    1) L-アスコルビン酸溶液に超音波処理を行なった場合, 中性付近においてもpHの大なるものほどL-アスコルビン酸の損失が大であり, 窒素ガス通気によってもまた流動パラフィンにより液面を被覆しても完全にこれを防ぐことは困難のように思われた。
    2) 夾竹桃葉について超音波処理を行なったものは然らざるものに比しdye測定値の増大がみとめられた。ただしこれがL-アスコルビン酸によるものであるか否かは明らかでない。
    3) にんじん汁のアスコルビナーゼ作用は超音波処理によって阻害抑制された。
    4) パセリ生葉のL-アスコルビン酸含有量は超音波処理によってほとんど影響を受けないが, みじん切りパセリ葉の場合はかなりのL-アスコルビン酸量の損失をみとめた。しかしてこの際0生にんじん汁のアスコルビナーゼ共存によるL-アスコルビン酸の損失は特に指摘するほどではないように思われた。
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