栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
21 巻, 4 号
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  • 山西 貞
    1968 年 21 巻 4 号 p. 227-235
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    After a review of research on tea aroma components, from the beginning to up-to-date, our investigation on tea flavor is reported.
    We have been working on tea flavor since 1955, and identified twenty five new aroma constituents besides thirty two known compounds which had been identidied by Takei etal2) and Yamamoto etal3).
    Basing on these knowledges, flavor chages which occur during manufacture of green tea or black tea were pursued by quantitative analyses of fourty seven aroma components by means of gas chromatography.
    Also, the aroma patterns of various types of black tea including thirteen samples were compared and found that there were some correlationship according to the type of black tea.
  • 日本の主要都市水道水のフッ素含有量知見
    岡村 保, 松久 次雄
    1968 年 21 巻 4 号 p. 236-241
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    東京, 名古屋, 京阪神を主とした全国各地の水道水のフッ素含有量をしらべた。 フッ素含有量の高かったのは愛媛県西条市1.080p. p. m., 沖縄県宜野湾市1.008p. p. m., 大阪市の一部0.840p. p. m. などであり, 東京都も一部0.300p. p. m. 以上の値をしめすものがあった。 大半は0.200p. p. m. またはそれ以下で, 最低値は, 愛媛県久万町の0.016p. p. m. であるが, ほかに岩手県下数都市の水道水はすべて0.100p. p. m. 以下で低値をしめした。
    従来食品からのフッ素摂取量については余り問題にされていなかったが, 日本人は毎日いろいろの食品から5~10mgのフッ化物を摂取しており, 本実験の結果から飲料水からのフッ素摂取量に比べて10~20倍の値になっており, 日本人のフッ素摂取量は過剰であっても少なすぎることはないものとおもわれる。
    このような点から, 水道水のフッ素化は食品面から再検討すべきではないかと考えるにいたった。
  • 上住 南八男, 笠間 一男
    1968 年 21 巻 4 号 p. 242-244
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1. 生後1~6日の新生児屍3例の肝につきその肝脂肪量について検討した。 肝の総脂質は成人のそれに比し約半量にすぎない。 コレステロール値は成熟児2例では成人のほぼそれにひとしいが, 未熟児肝ではその半量であった。 リン脂質含量は成人のそれよりも低い。
    2. 同じ材料を用いて肝の総脂質の脂肪酸組成を文献値のそれと比較したところ哺乳前の新生児肝に, パルミチン酸の増加リノール酸の低下がみとめられた。
  • 安藤 英彦, 金田 尚志
    1968 年 21 巻 4 号 p. 245-248
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    アサクサノリにふくまれる脂質の酸化しにくい理由を明らかにし, あわせてアサクサノリ脂質の組成を知るため, 脂質を分離しその性状を調べたところ, つぎの結果を得た。
    (1) アサクサノリ脂質はC20 : 5酸に富み, とくにリン脂質は該酸を50%以上ふくんでいた。
    (2) アサクサノリ脂質中トリグリセライドは25%, リン脂質は35%程度であった。
    (3) リン脂質はホスファチジルエクノールアミン (30.6%) レシチン (23.6%) を主とし, リン脂質の脂肪酸中55%はエイコサペンタエン酸であった。
    (4) アサクサノリの組織を染色し, 脂質の存在状態を調べたところ, 脂質は細胞膜外膜および細胞膜にとりかこまれていた。
    (5) リン脂質は対照として用いたBHTと同程度の抗酸化性を有し, またシネルギストとしての効果も示した。
  • 中川 眸, 横山 静子
    1968 年 21 巻 4 号 p. 249-252
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    富山県地方では広く飲用されている焙じ番茶抽出液中の2, 3の呈味成分, ならびに無機イオンやビタミン類について, 宇治煎茶抽出液のそれらと比較研究を行なった。
    焙じ番茶葉の粗蛋白は煎茶葉に比較して著しく少なく, 粗繊維は逆に著しく多かった。
    煎茶抽出液中には, ペーパークロマトグラフィーによりテアニン, アルギニン, アスパラギン酸およびグルタミン酸を検出したが, 焙じ番茶抽出液中にはニンヒドリン陽性物質は全く検出されなかった。
    糖含有量は焙じ番茶抽出液に少ない。 焙じ番茶抽出液中の糖成分としては, ブドウ糖, 蔗糖が検出されたが, 煎茶抽出液中の糖成分は, ブドウ糖, 蔗糖に加えて果糖が検出された。
    マンガン, カルシウムは焙じ番茶抽出液中に多く, V. B1およびV. Cは, 煎茶抽出液中に多く含まれていた。なお焙じ番茶抽出液の酸化型V. Cの総V. Cに対する割合は煎茶抽出液のそれに比して著しく多かった。
  • トリメチルアミンにスパイスを加えたモデル実験
    菊池 武昭, 平井 孝一, アグス スティアルソ・スダルソ
    1968 年 21 巻 4 号 p. 253-256
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    スパイスを加えて調理, 加工する場合の魚臭抑制に関する知見を得るため, 魚臭の代表的成分と考えられているトリメチルアミン (TMA) にスパイスを加えた時の諸変化を官能検査法, ガスクロマトグラフ法によって研究した。
    使用したスパイス類はキャラウェー, カシア, クローブ, ジンジャー, ローレル, メース, ナツメグ, オニオン, ペッパー, セージ, タイムの精油, および燻液である。
    1) スパイスの種類によりTMA臭抑制効果が異なることが官能的に明らかにされた。抑制効果の高いもの-オニオン, ローレル, セージ, 抑制効果のあるもの-キャラウェー, カシア, クロープ, ジンジャー, タイム, 燻液抑制効果の少ないもの-メース, ナツメグ, ペッパー
    2) スパイス添加後の時間経過により官能的にTMA臭が減少することから, TMAとスパイスが結合して, においの少ない物質に変わることを推定した。
    3) TMAとスパイスのにおいの融和性は, ジンジャー, セージ, 燻液に高く, 抑臭効果と関係があるようであった。
    4) TMAとスパイス混合臭に対する一般消費者の嗜好を調べ, 抑臭効果と関連づけようとした。
    5) スパイスを添加したときのTMAの量的変化をガスクロマトグラフ法で調べ, 添加するスパイスによってTMA量の減少が異なること, 添加後の時間経過によってTMA量が減少することから, 官能試験によって得られたスパイスのTMA抑制効果の一部を裏付けした。
  • 中村 定市, 鳴神 和夫, 三浦 一夫
    1968 年 21 巻 4 号 p. 257-260
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    Present report will elucidate the occurrence of polyphosphoinositides, such as di- and triphosphoinositides, in a strain of baker's yeast as well as in beef brains.
    In order to remove other phospholipids from polyphosphoinositides, phosphoinositide fraction was reextracted with acidified chloroform-methanol (C-M) mixture after having extracted twice with neutral (C-M) mixture from yeast. The phosphoinositide fraction was further purified by the methods of Folch13), Folch14), and Hendrickson etal. 12) in this order. The purified inositides were chromatographed on DEAEcellulose column comparing with “Folch's Diphosphoinositide” fraction prepared from beef brain. Three peaks were obtained on the column chromatogram. The euates corresponding to each peak were combined, dialyzed against water, and then lyophilyzed. Each fraction was identified on formaline-treated paper and silica gel thin layer chromatograms as monophosphoinositide plus a trace of phosphatidyl serine, di-, and triphosphoinositides, respectively. The diphosphoinositide was further characterified from the rate of inositol to phosphorus.
  • 白鳥 つや子, 慶田 雅洋, 川城 巌
    1968 年 21 巻 4 号 p. 261-264
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    はち蜜中のジアスターゼ (α-アミラーゼ) 活性をよう素でんぷん反応による比色法によって測定し, 結果をジアスターゼ数によって表示した。本法を市販はち蜜30種類および採取はち蜜3種類に応用した結果, 後者はいずれもジアスターゼ数8以上であったが市販はち蜜は27種類が8未満であって, 明らかに加熱の影響が認められた。
  • 北海道産米の特性について
    竹生 新治郎, 遠藤 勲, 谷 達雄
    1968 年 21 巻 4 号 p. 265-269
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    北海道産米とそれに対比するための他地域の産米各4品種について, 精白米の水分, 精白米粉のアミログラフィー, 精白米粉のX線回折, アルカリによる米粒の膨潤崩壊度, 精白米の炊飯時における諸特性, 米飯の水分, ジアスターゼによる消化性, 粘弾性, 米飯粒の硬さおよび水中における落下速度を測定し, それぞれ比較検討した。 その結果, 北海道産米は農林20号をのぞき, 次のように他地域の産米とその米質においてかなり異なる傾向を示し, それには地理的条件にもとずく北海道産米の登熟温度の低いことが関係していると推定した。
    (1) 北海道産米はアミログラムにおける糊化温度がやや高く, ブレークダウンは明らかに小さい。
    (2) アルカリによる米粒の膨潤崩壊度が大きく, アルカリに対する抵抗性が小さい。
    (3) 炊飯時の特性において加熱吸水率がやや小さい。
    (4) 米飯はジアスターゼにより消化されにくく, 弾性が小さい。
    (5) 米飯粒の水中における落下速度がおおむね速く, ペネトロメーターによる針入度は小さい。
  • 飽和脂肪酸摂取による白ネズミ血清コレステロール量の変動について
    馬嶋 安正, 中村 富美恵, 尾崎 博子, 畑 慧子, 工藤 恵美子
    1968 年 21 巻 4 号 p. 270-272
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    幼若白ネズミに種々の飽和脂肪酸を脂肪酸あるいはトリグリセリドの形で飼料に10%ずつ添加して8週間飼養し血清コレステロール増加量を比較した。その結果C6C10 C12 C14 C16 C18飽和脂肪酸共に増加量に差異は認められなかった。
  • 岩下 慧子, 田口 文子, 村田 希久
    1968 年 21 巻 4 号 p. 273-275
    発行日: 1968/11/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    数年前の調査に引きつづき, B1強化食品349件, B2強化食品121件について, B1もしくはB2を実測し, 強化指示量に対する実測値の割合を求めた結果, B1指示量の60~119%の範囲に強化されていたものが全体の54%, 指示量の120%以上添加されていたものが全件数の24%で前回の調査結果より幾分の向上が見られた。またB2では指示量の60~119%の範囲のものが全体の72%を占め, 前回に比しかなりの向上が見られた。
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