栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
23 巻 , 1 号
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  • 小柳 達男, 和田 せつ, 藤本 和完, 紺野 靖子
    1970 年 23 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    ネズミの胃に及ぼす発ガン毒の影響がネズミの栄養状態によって左右されるかどうかを知るため白米ととうふよりなる栄養不完全な飼料と, これにビタミンと塩類を増したり蛋白質の質を上質のものにしたりして改善した飼料との2種の飼料で2群のネズミを飼育し, この各々に発ガン毒を加えて胃の障害の程度を比較した。
    試験は2回行なったがその結果, 栄養不完全にしただけでも胃壁に退行変化が起きるが, 発ガン毒を加えると栄養不完全なほうのネズミに栄養を改善したネズミよりもその障害の程度が強く現われた。
  • 桐山 修八, 岩尾 裕之
    1970 年 23 巻 1 号 p. 6-12
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    ネズミの胃に及ぼす発ガン毒の影響がネズミの栄養状態によって左右されるかどうかを知るため白米ととうふよりなる栄養不完全な飼料と, これにビタミンと塩類を増したり蛋白質の質を上質のものにしたりして改善した飼料との2種の飼料で2群のネズミを飼育し, この各々に発ガン毒を加えて胃の障害の程度を比較した。
    試験は2回行なったがその結果, 栄養不完全にしただけでも胃壁に退行変化が起きるが, 発ガン毒を加えると栄養不完全なほうのネズミに栄養を改善したネズミよりもその障害の程度が強く現われた。
  • 石黒 伊三雄, 篠原 力雄, 青山 方子
    1970 年 23 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    大根にはいろいろの酵素が既に見出されているが, まだpolyphenol oxidaseの存在については明らかではない。著者らは大根にo-diphenol oxidaseが含まれていることを明らかにし, 新鮮な組織中では多量に含まれるAAH2によって酵素活性が抑制されていることを認めた。そして大根オロシにして放置するとAAH2は空気酸化を受けて破壊され, それに伴って本酵素が活性化されて着色することが分ったので, これについて検討し次の結果を得た。
    1) 大根の各部位による総AAH2量は, 各部位とも著しい差異を認めなかったが, 大根オロシを調製し, これを汁液と残渣に分けると汁液にはAAH2量が総AAH2量の約1/2量を占めるに反して残渣では非常に少なかった。
    2) 大根オロシを放置すると赤桃色になるが, この着色化はdopaを添加すると黒色となり, その作用はo-diphenol oxidaseによるものと思われた。
    3) この着色化はAAH2を余り含まない大根オロシ残渣に顕著であることから新鮮組織における着色物質の形成はAAH2の存在によって強く抑制されている。
    4) 大根に含まれるo-diphenol oxidaseを硫安分画とSephadex G-25によるゲル炉過法により精製し, ディスク電気泳動法によりほぼ単一であることを認めた。
    5) この精製酵素はdopaのみを基質として作用し, AAH2のほかcysteine, glutathioneなどの還元剤により着色物質の形成が著しく抑制され, KCNによっても同様に阻害された。またCu++の添加により著しく活性化された。
    6) 精製酵素における酵素活性はAAH2により強く抑制され, AAH2の減少に伴って着色化が起きた。また大根オロシの着色化もAAH2の減少によることが分った。
  • 田村 真八郎, 大沢 文江
    1970 年 23 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    日本食品アミノ酸組成表にのっている食品のうち主要なもの68食品について, パターン間距離を用いてアミノ酸パターン分布図を作り, アミノ酸パターンの全体的分布を明らかにした。
  • 牧 善輔, 金森 正雄
    1970 年 23 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    牛初乳の免疫グロブリンをプロナーゼで分解して得た2種類のグリコペプチドの中性糖類, グルコサミン, シアル酸, アミノ酸の量より, その分子組成を比較検討した結果, いずれも糖類ではマンノース10mol, ガラクトース7mol, フコース2molを, アミノ酸ではSer 2mol Asp 2mol, Thr 2molを含んでいるが, グルコサミンおよびシアル酸の量が異なっており, 特にシアル酸はグリコペプチドの1つには2molあるのに対し他のグリコペプチドには存在しなかった。
    シアル酸は蛋白質よりグリコペプチドを得る際に脱落することもあるので, 他の組成が非常によく一致していることより, これら2種類のグリコペプチドは蛋白質に存在する同一のグリコペプチド鎖より生じたものと考えられる。
    Ser, ThrがAspとともに存在することは糖とアミノ酸の結合について一つの示唆を与えるが解明することはできなかった。
  • 渡辺 智恵
    1970 年 23 巻 1 号 p. 30-34
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    わが研究室を訪れた肥満婦人の食事指導を行なった結果下記の成果を得た。
    1. 症例I (41才女子) は20週にして体重が65kgか第3表 Y.A. (41才女子) の栄養摂取量の推移ら49kg, 胸囲が102cmから84cm, 皮脂厚は肩甲骨下部で38mmから20mm, 腹部で30mmから19mm, 上腕部で20mmから14.8mmに減少した。
    2. 症例II (43才女子) は18週で体重が60kgから49kg, 胸囲が96cmから89cm, 皮脂厚は肩甲骨下部で37mmから25mm, 腹部で31.5mmから19.5mm, 上腕部で23mmから14mmに減少した。
    3. 症例III (40才女子) は20週にして体重が68kgから56kg, 胸囲が96cmから87cm, 皮脂厚が肩甲骨下部で30mmから19mm, 腹部で35mmから24mm, 上腕部で31mmでから18mmまで減少した。
    4. 当初, 皮下脂肪は非常にかたいが, 食事療法を始めて, 1週間位すると非常にやわらかくなった。
    5. 各症例は何れも体調の好転を報告した。
    6. 各症例に対して行なった指導前, 指導後の壮年体力テストを比較すると, 何れも体力年令が5才以上若くなった。
  • 渡辺 智恵
    1970 年 23 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    肥満児および肥満婦人の食事療法中止後, 予後観察を行なって次の如き結果を得た。
    1. 症例Iは指導打ち切り後, 1年5カ月経過して身長は5.5cm, 胸囲は3cm, 体重は6kg増加したが, 皮脂厚は上腕部不変, 肩甲骨下部で1mm, 腹部で1mm減少した。
    2. 症例IIは指導打ち切り後, 1年3カ月経過して身長は7cm, 胸囲は4cm, 体重は7.3kg, 皮脂厚も肩甲骨下部で1mm, 上腕部で1mm, 腹部で2mmとわずかに増加した。
    3. 症例IIIは指導打ち切り後, 8カ月現在で体重が1.5kg増加しただけで皮脂厚は各部位とも殆んど変化を見なかった。
  • 蜂須賀 弘久, 水野 勇, 山岡 誠一, 吉村 寿人
    1970 年 23 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    肥満の判定にもっとも望ましいとされている体脂肪量を推算するために, 装置が簡単でしかも測定要領が比較的容易な人体密度の測定方法を考究し, その測定精度について検討を加えた。
    水中体重は組立式の水槽にバネ秤でつるした座椅子に被検者をすわらせて測定する。この場合水漕の中で肺活量計に満した純酸素を最大呼気状態から3回呼吸し, 最大呼気状態まで呼出して潜水させ, 水中体重測定時の肺残気量を窒素稀釈法 (閉鎖式) によって求める。この方法によって, 人体密度の測定を5回くり返したところ, 測定誤差 (平均値に対する標準偏差) の範囲は±0.0008 (約0.1%) と従来の報告に劣らぬ精度で求められた。
    止息時間の短かい幼少年者では最大呼気状態での水中体重の測定が困難なために, 肺活量の60%を肺胞に残した中呼気状態に換算して人体密度の推算を試みた。その結果誤差の範囲は±0.0022であって, 成人の場合より大きかったが, 従来より困難視されていた幼少年の人体密度の測定方法としては満足すべき精度であると思われる。
  • 蜂須賀 弘久, 水野 勇, 山岡 誠一, 吉村 寿人
    1970 年 23 巻 1 号 p. 46-50
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    筆者らの考案した成人用ならびに幼少年用の水中体重ならびに肺残気量の測定要領に従い, 7才から22才にわたる幼, 少, 青年を対象として測定を行ない, Döbelnの式を用いて人体密度を, さらにKeysの式を用いて体脂肪含有率を推算し, 年令別の発育推移を観察して次の結果を得た。
    (1) 人体密度は幼年期に低く, 身体の発育にともなって増大し, 16, 7才ごろに最高となり, 以後ほぼ一定ないしは僅かに低下の傾向を示した。
    (2) Keysらの式で算出した体脂肪量 (体重に対する%) は人体密度と逆比例の関係にあって, 16才ごろまでは発育にともなって減少し, それ以後は増大する。しかし年令とともに体重が増大するために, 体脂肪総量としては徐々に増大し, 16才を過ぎると増加が大きくなる。
    (3) 以上の結果から16, 7才ごろまでの体重の増大は除脂肪体重すなわち体実質の増加であり, それ以後は除脂肪体重とともに体脂肪量の増加をともなっている。
    (4) Rohler指数の高いもののうちには筋肉太りのものがいるために, これと体脂肪含有率 (人体密度) との相関は+0.4 (-0.4) の程度であって, 脂肪太りの判定にはRohler指数のみでは十分ではない。また体脂肪量と皮下脂肪厚の相関は0.5-0.6程度で部位によって異なり, ウエスト側腹および大腿部では0.60以上の相関がみられた。
  • 鷲見 幸子
    1970 年 23 巻 1 号 p. 51-61
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    963年より岐阜雑系, Donryu系, Fisher系, Wistar系のラットについての無菌強制哺乳実験を実施し, その実験回数は13回に及んだ。 その間飼料を改善し, A・B・Cの3飼料を作製し, これら飼料による強制哺育成功率, 発育, 妊娠率, 歯牙異常発生頻度, 腸捻転の頻度を検討した。 この業績は日本において無菌繁殖の基盤を確立することに寄与しえたものと考える。 業績の主要なる点を挙げれば次のようである。
    1) 蛋白含量の少ないA飼料の無菌強制人工哺乳の成功率は13. 1%であったが, 蛋白量の多いC飼料を使用し87. 5%という高い成功率に達せしめた。
    2) C飼料による無菌強制人工哺乳成功例の♀の無菌妊娠率を88%という高率に達せしめえた。
    3) 無菌強制人工哺乳成功例のうち, 岐阜雑系およびDonryu系に属するものの中に歯牙異常が出現した。 それ故にこの種の系統は無菌動物化に不適当であることを明確にした。
    4) 腸捻転症は無菌ラットに特異な所見であるが, C飼料によってその発現頻度を低減せしめ, 第2代以後代を重ねることによってその発現を皆無ならしめた。
    5) BおよびC飼料哺育動物の強制人工哺乳期間中に帝王切開摘出胎仔の生肝を投与する方法は無菌繁殖を成功させることに寄与しえたものと思う。 6) 無菌強制人工哺乳は, 切歯の萠出や開眼に影響を与えるものではないことを明らかにしえた。 但し, 無菌環境下における自主的な摂食および水飲は飼料により影響される傾向がみられた。
  • 満田 久輝, 杉浦 正毅, 安本 教伝, 外村 辨一郎
    1970 年 23 巻 1 号 p. 62-65
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    (1) n-パラフィンを炭素源として成育した酵母 (Candida属) の乾燥菌体から食糧化への応用を目的としてタンパク質の抽出を行ない, その栄養価を測定した。
    (2) 2% NaOHを用い, 37℃にて10時間振とう撹拌により, 粗タンパク質の約70%が抽出された。この抽出液から等電点沈澱により約37%の粗タンパク質が回収された。
    (3) こうして得られたタンパク質画分の必須アミノ酸組成は, システイン含量の著しい減少を除いては, 乾燥菌体のそれと近似していた。第1制限アミノ酸は含硫アミノ酸であった。
    (4) タンパク質を菌体から分離することにより, ペプシンによる人工消化率に著しい向上がみられた。
  • 満田 久輝, 杉浦 正毅, 外村 辨一郎, 安本 教伝
    1970 年 23 巻 1 号 p. 66-70
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    (1) n-パラフィンを炭素源として成育した酵母 (Candida属) の乾燥菌体から, 食糧への利用を目的として, 菌体タンパク質の分離精製が試みられた。
    (2) 2% NaOHによる抽出液を流水透析することにより不快な特異臭が除かれた。同時に, この操作により抽出液中の細胞壁成分が沈澱除去された。
    (3) 上記透析の後, タンパク質のエタノール分別沈澱を行ない, エタノール濃度0~30%の間に出発菌体の粗タンパク質量の約20%が純度70%以上の画分として得られた。
    (4) また上記透析の後, 塩化カルシウムを加え, 再び流水に対して透析することにより, 純度のより高いタンパク質画分が沈澱した。
    (5) これらを組合わせたタンパク質分離法の一例が示された。
  • 白田 きち, 安斉 きょう子, 斉藤 好枝, 鈴木 昭子
    1970 年 23 巻 1 号 p. 71-74
    発行日: 1970/01/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    以上を要約すると, 牛豚肉等普通肉50%のかわりに, 人工肉50%を使用した場合, 官能・嗜好テストにおいては, 両者間に差がみられず好評であり, かつまた, 実際の調理における栄養価の比較においても, 植物油を使用する調理法をえらぶことによって, 動物脂の弊害を伴わずにカロリー, 脂肪の不足を補足しうると考えられる。また, シロネズミの体重増加状態, 飼料効率, ならびに剖検の結果の測定成績, 内臓の諸重量, 骨の発育状態, その重量, Ca量の測定においても, 血清コレステロール, 肝キサンチンオキシダーゼの活性度をのぞいて, 有意の差は見られなかった。
    ゆえに, 人工肉が良質の蛋白源食品として, 栄養価高く, しかも, おいしく, 経済的な食品としてだけでなく高血圧, 心臓病の予防食餌としての意義があるのではないかと考えられる。
    なお, 現在, オリエンタル固型飼料によるネズミの測定成績との比較, ならびに, 植物性蛋白質のみ100%を使用したときとの相違, 牛豚等の普通肉と人工肉との相乗効果について検討中である。
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