栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
23 巻 , 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 前田 清一, 松野 武夫, 高嶋 百合子
    1970 年 23 巻 4 号 p. 231-235
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    以上の結果より調理の段階で添加したリジンの挙動として, 天つゆ, 煮物の調味液など一般的な加熱条件の場合で, 糖源として砂糖使用の場合もしくは味淋を使っても比較的少ない場合には, リジンの変化はほとんどみられなかった。 また高温加熱として天ぷらの衣に入れた場合も処理時間の短いことからリジンのロスはわずかであった。 またリジン以外のアミノ酸についてもリジンと同様の傾向であった。
    この結果より調理におけるリジンおよび他のアミノ酸の加熱変化の一端が定量的に明らかにされた。
  • 鈴木 秀雄
    1970 年 23 巻 4 号 p. 236-242
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1) 10%肝油を用いて6カ月間白ネズミを飼育してE欠乏をおこさせると腎臓および睾丸はともに肥大し, 腎臓の糸球体および睾丸に退行性の変化を認めた。NaCl添加は腎臓に影響はなかったが睾丸ではNaClによる基底膜の損傷を認めた。
    2) 臓器所見のほかE欠乏の影響として成長の抑制とともに腎臓の自己融解が促進され赤血球の溶血率, クレアチン尿の増加, 血中含硫アミノ酸値の低下, 体脂肪の褐色化のほか血尿, 蛋白 (アルブミン) 尿などの異常尿, 喫歯の退色化を認めた。
    3) 腎臓の自己融解はそれ程鋭敏ではなかったが12週目ごろが最高で, その後は低調な傾向であった。
    クレアチン尿, Creatin/Creatinine比は暫時増加する傾向を示したが, 欠乏動物では一層著しく, 特にNaCl非添加群が上昇を示した。
    4) 食塩の影響として睾丸の検鏡所見の増悪がみられた。腎臓では検鏡所見に影響はみられなかったが, 水分の摂取が多く, その割に尿排泄の少なかったことより腎機能障害の可能性が考えられる。
    しかし臓器の所見とは別に腎臓の自己融解, クレアチン尿および初期 (7週目当りより) の発育状況などをみるとこの際の食塩の添加は見かけのE欠乏徴候に対して単にEを欠乏させた場合よりもかえってある程度有利な結果をもたらした。
    5) 以上総括すると10%肝油で長期にわたってEを欠乏させた白ネズミの腎臓, 睾丸に萎縮性の変化が認められる。腎の検鏡所見に比べて死後自己融解は予期した程鋭敏ではなかったがE欠乏の影響を認めることができた。
    E欠乏の一般的影響が発育, 臓器および契歯の状況, 血液, 尿の所見を通してみうけられた。これらのうちクレアチン尿の増加が特に明瞭であった。
    高食塩の摂取の影響は睾丸検鏡所見で認められたが腎臓の所見では影響はなかった。しかし水分代謝の異常から食塩による腎機能障害の可能性がみえた。
    このほか腎の自己融解並びに一般のみかけのE欠乏徴候に対して食塩は単にEを欠乏させた場合よりもむしろ有利な傾向を示した。
    用いた肝油のレベルと肝臓のE含量からみて, この程度の軽度な欠乏が長期間徐々に進んだ場合にみかけの徴候はそれ程判然としないが潜在的な欠乏により細胞膜の燐脂質構成が影響を受け, 膜の脆弱性を促し, 組織が退行に向うといえよう。
    こうした際に, これを助長しEの要求を高める因子として加令, 食塩の過剰摂取があげられるが, 食塩がE欠乏の際に腎の構造, 機能の両面に影響する可能性が多分にあり, 高血圧症などの老年病はEの欠乏と高食塩摂取の組合せによって一層発生しやすいといえる。
  • 中川 一郎, 正名 洋子
    1970 年 23 巻 4 号 p. 243-246
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    18%カゼイン・パターン, 宮崎パターン, Rama Raoパターンのそれぞれ3つの純アミノ酸混合について同腹のネズミを用い, これを3群に分け1群はもとのパターンそのままの混合で, 他の2群にはグルタミン酸の一部を等N量のグルタミンでアスパラギン酸の一部を同様等N量のアスパラギンでおきかえ, あるいはさらにagar gelにして尾長, 体重の発育ならびに飼料摂取量を6週間にわたって観察した。 その結果はもとのパターンそのままのアミノ酸混合に比べアスパラギンまたはダルタミンあるいは両者を加えたものの方が尾長, 体重の発育について平均値の上ではややすぐれた傾向を示した (その差は統計上有意というほどのものではなかった) 。 しかしさらにこれをagar gelの状態にしてもその効果は見られなかった。
  • 石黒 弘三, 武田 みわ子, 奥田 乃芙子
    1970 年 23 巻 4 号 p. 247-250
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    春の農繁期前と後において農民 (男25名, 女55名) の血液比重, 血清蛋白濃度およびその画分, ならびに血清コレステロール値を測定した。その結果, 農繁期後において, 血液比重と血清蛋白の減少が観察された。一方, 血清コレステロールには明らかな変化は認められなかった。血清蛋白画分においては, グロブリン, なかんずくα-グロブリンの減少が明らかであり, アルブミンの変化は認められなかった。
  • 満田 久輝, 河合 文雄
    1970 年 23 巻 4 号 p. 251-254
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    Under-ground storage of rice grain was experimented at an abandoned mine in Shikoku Island, basing on the same principle of the under-water storage that was carried out at Lake Biwa from April 14th of 1969. The packaging materials for the under-ground storage of rice were endowed with the same features as those of the materials used for the under-water storage. The packaging system was consistect uf three layers; inner, middle and outer bags. A particular attention was paid for the outer bag to avoid from the possible ravages of field rodents. Several kinds of plastic materials were tested in all combinations of two for the inner bag, five for the middle bag and three for the outer bag. The gas and water-vapor transmission of several laminated films used in this experiment and the results of drop test for the middle bags made of them were shown. Plastic bottles were also tested as another type of the storage container. Eighteen bags and two plastic bottles containing brown rice were transported by truck, ropeway and mine truck to the storage place, 570m deep in a gallery, where the air temperature ranges from g to 11.5°C in one year, while the relative humidity is over 94% due to underground water. After every year, the stored rice is to be tested by physical, biological and organoleptical means and the results to be compared with the rice stored open under the conventional storage condition.
  • 梶本 五郎, 吉田 弘美
    1970 年 23 巻 4 号 p. 255-259
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    油脂含有量の異なる鯨肉を180℃で2分間, 大豆油で1回100gずつ揚げ, 鯨肉400g揚げたごとにフライ油を5ml秤取し, 揚げの回数とフライ油への鯨油の移行量および変質度を測定した。
    1. 油脂含有量の多い鯨肉ほど, フライ油へ多く鯨油が移行し, さらに揚げの回数が増すにしたがい増加した。
    2. 揚げ鯨肉よりフライ油への鯨油の移行量の求め方は, フライ油と鯨油の脂肪酸組成とその含有量の相違を利用した。すなわち, 両油脂を比較した場合, C14, C16: 1, C18: 2などの脂肪酸量が異なるので, あらかじめ, 大豆油と鯨油との混合割合の異なるものについて, C14, C16: 1, C18: 2の検量線を求めておく。 ついで, フライ油の脂肪酸を測定し, 検量線と比較して移行量を算出した。
    3. 鯨油移行量の多いフライ油ほど, CO. V, A. Vは高い傾向にある。すなわち変質度合が高い。
  • 古賀 ゆう子
    1970 年 23 巻 4 号 p. 260-268
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    米国心臓学会, モノグラフ第18号に示される式 (ΔChl. =2.16ΔS-1.65ΔP+6.77ΔC-0.5) より食品中のコレステロールは血清コレステロールをかなり左右すると思われるため, 食品中のコレステロールを飽和脂酸および多不飽和脂酸と共に定量することは成人病予防食選定上重要である。動物性食品中, 日本人の主要蛋白給源である魚類の総コレステロール測定結果は次の通りであった。
    (1) 全試料115種の新鮮物中のコレステロール量の最低値を示すものはマガツオ (普, 非) であったが, アラ (卵, 出) ; マサバ (内, 出) ; アユ (内, 非) ; マアナゴ (皮, 出) などの値は高くマアナゴ (内, 出) は最高であった。
    (2) 部位については, 総体的に普通肉; 血合肉; 皮; しらこ; 卵および内臓の順にコレステロール量の増加を認めた。就中肉部に関してはキダイ, トラフグのように白身魚でも高い値を示すものもあったが, 小形魚における出回り期の血合肉は最も高く, 次いでその他の血合肉も高かった。皮における含量はかなり多いため, 治療食的見地からは肉部のみを用いる調理形態が好ましいと考えられた。
    (3) 肉部の季節性についてはマサバを除いては出回り期が高く, マアジの場合は出回り期のうちでも, 特に産卵直後の増量が顕著であった。
    (4) 魚類は特に個体差が大きいが, おいしくしかもコレステロール量が少ない魚肉部は小形魚の白身魚と認められた。
    (5) 脂油中のコレステロール量について最高を示すものは内部ではトラフグ (出) であり, 皮部ではマアナゴ (出) であって, 白身魚と言えども出回り期において青魚より高い場合もあった。
    (6) 魚肉成分中脂質量および水分量の和は約80%で, 両者間には負の相関を認めた。なお, 小形魚における出回り期の血合肉については, 含油量の高いものではコレステロール量も高い傾向があった。
  • 古賀 ゆう子
    1970 年 23 巻 4 号 p. 269-275
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    わが国の食物摂取状況および都市における食形態の欧米化に伴う動物性食品の摂取率上昇に関連して, 第1報と同様の目的で魚類を除くその他の動物性食品, 即ち甲殻, 頭足類, 貝類, 獣鳥鯨肉類, 乳製品, 鶏卵および加工食品類の6群, 95試料について総コレステロールを測定した。
    (1) 総体的には新鮮食品中のコレステロール量で最低値を示すものは卵白AおよびBであり, 鶏 (腿肉の肉部および胸肉), 羊 (腿肉およびヒレ肉), 鯨 (赤肉および尾肉) なども50mg%以下の低い含量であった。次いで甲殻類, プロセスチーズ類, 貝類, 頭足類と順次増加し, イカ類, 肝臓類および鶏卵などは圧倒的に高い値であった。
    (2) 甲殻, 頭足類および貝類などの季節性に関しては魚類に比して産卵状態が複雑であること, 出回り期が長いこと, また冷凍水産品の台頭などの理由により, その検討は困難であったが, 大体産卵期における試料の含量は高かった。
    (3) 脂油中のコレステロール量については, 概して粗脂肪量が少ない甲殻, 頭足および貝類における含量が特に高いことが特徴的であった。
    (4) コレステロール量の少ない食品を選択するには, 獣鳥肉類では適切な部位を知る必要がある。
    (5) 乳製品中, 特にマーガリンでは銘柄による格差が大きいので成分表示には注意を要する。
  • 清水 康夫, 松任 茂樹, 水沼 保之, 岡田 郁之助
    1970 年 23 巻 4 号 p. 276-280
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    麦茶の中性部香気成分について, カラムクロマトグラフィー, 薄層クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーによって検索を加え, 新たにfurfurylalcohol, acetylfuranおよび3-hydroxypyridineなどを同定した。
    Furfurylalcoholおよびacetylfuranはさきに単離同定したfurfuralなどフラン同族体とともに, 麦茶の特有の焦げ臭を形成する物質と考えられる。
    3-Hydroxypyridineは食品中にはじめて見出された物質であるが, 香気は有しない, この物質の生成機作についてはさらに検討を要する。
  • 水沼 保之, 清水 康夫, 松任 茂樹, 岡田 郁之助
    1970 年 23 巻 4 号 p. 281-285
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    麦茶には特徴ある淡い油臭が感ぜられる。この油臭は麦茶の香気成分として関連の深い化合物と思われるのでカセイソーダ可溶部香気をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって再分画を行ない, hexaneで溶離する画分が油臭を含むことがわかったので, この画分をTMS誘導体に導きDC 430を充てん剤とするガスクロマトグラフィーを行ない, 主な成分をトラップを用いて捕集した。
    ピーク1の成分をトラップを用いて捕集すると無色の融点62~64℃の結晶を単離した。MS, IRスペクトルおよび混融試験の一致より, palmitic acidと同定した。
    ピーク2の成分はMSスペクトルより, 2成分を含むことが推測されたもので, トラップを用いて捕集すると油臭をもつ液体がえられた。この液体をメチルエステル化し, 20%DEGSを充てん剤とするガスクロマトグラフィーを行ない相互に分離せしめ, MSスペクトルより, それぞれoleic acidおよびlinoleic acidと同定した。
    これらの高級脂肪酸は大麦の糠層に含まれる脂肪の熱分解によって生成したものと推測され, 麦茶の香気を特徴づける成分と思われる。
  • 伊東 清枝
    1970 年 23 巻 4 号 p. 286-293
    発行日: 1970/05/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    (1) 各種米味噌および米麹タンパク質を検索するために電気泳動法で分画した。
    (2) 各種米味噌の濃度1: 2の水抽出液泳動図はそれぞれ特色があり, 味噌の醸造方法および原料配合によって分類することが出来るものと思われた。
    (3) 米味噌の水抽出タンパク質はボビンアルブミンのプレアルブミンおよび麹菌より抽出した酵素タンパク質と同一の移動値を示した。
    (4) 米麹で醗酵させた味噌の水抽出タンパク質は完熟味噌中の米麹水抽出タンパク質と同一の移動値を示した。研究に対して, ご懇篤なるご鞭撻を賜わりました醸造協会理事長松本憲次博士に厚くお礼申し上げます。本研究の一部は昭和44年6月日本家政学会関東支部例会において報告した。
feedback
Top