栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
24 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 松岡 芳隆
    1971 年 24 巻 6 号 p. 311-316
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    冒頭に述べたように, リゾチームの発見はおよそ半世紀前のことであったが, この溶菌性酵素が実際に広く利用されるようになったのは比較的近年のことである。その背景には, リゾチームの酵素化学の急速な進歩と, 幅広い利用研究の成果があり, 1959年, 1961年, 1964年の3回にわたり, いずれもミラノで開催された“Fleming のリゾチームに関する国際シンポジウム”はその集大成ともいうべきものであった。そしてその後の研究はますます尨大なものになりつつある。しかしながら, 利用研究を促し, その利用を実現化した影の力として, 高純度の鶏卵白リゾチームを工業生産可能にした製造技術の進歩を見逃すわけにはゆかない。
  • 藤野 安彦
    1971 年 24 巻 6 号 p. 317-324
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    卵黄は30%をこえる高濃度の脂質を含む。 この脂質の種類, 組成および性状は, 第一義的にはかなりよく理解されている。 しかし, 飼料ならびに飼育環境と卵黄脂質との関係, 卵黄の脂肪やリン脂質の分子種の解析, 卵黄の微量脂質の探索と確認など, さらに深く掘り下げるべき問題は少なくない。 また, 卵黄脂質の本来の姿であるリポプロテインの存在状態ないし構造の解明はこれからの大きな課題である。 これらの諸点の究明は, 卵黄脂質に関する既存の知識と相まって, 卵黄の栄養的意義ならびに食品的価値を考察する上で, 大切な資料を提供することになろう。 その意味で卵黄脂質の研究は, 古くしてなお新しい使命をもっているといえるのである。
  • 小泉 典子, 川本 真砂子, 清田 マキ, 森 雅央
    1971 年 24 巻 6 号 p. 325-330
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    米たんぱくに不足するL-リジンの添加により, その質的向上をはかることの必要性は高い。L-リジンは古米臭を除去する効果のあることも認められてきているところより, 米飯にL-リジンを添加すれば米たんぱく質の栄養価向上と同時に, 米飯の風味向上をもはかり得るという主旨のもとに実験をすすめた。
    その結果添加リジンは炊飯後も約80%残存し, 米飯の風味の点からも, ごく良質の米を除けばL-リジン添加による効果があるものと推定した。
  • 相子 玲子, 石渡 昭男, 前田 清一
    1971 年 24 巻 6 号 p. 331-335
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    酸性水溶液系で銅-ニンヒドリン試薬によるリジンの定量条件を検討した。
    本法でリジン強化食品中のリジンを定量して, 従来のFolin試薬による比色法, 微生物定量法と比較し満足できる結果を得た。また本法はリジンに特異的な反応のために, リジン強化食品に含まれるリジンの定性および定量にあたってあらかじめ分離操作を必要としないという利点がある。
  • 桐山 修八, 市原 百合子, 吉田 昭
    1971 年 24 巻 6 号 p. 336-344
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    アミノ酸混合食中の非必須アミノ酸を等窒素量のクエン酸ニアンモニウム塩 (DAC) で完全に置換した飼料 (DAC飼料) に各非必須アミノ酸を対照飼料中と同量だけ単独添加したとき, シロネズミの成長がDAC飼料時より改善されるかどうかを調べた。飼料のアミノ酸組成はRama Raoのパタンにしたがったが飼料中の含量はその80%に抑えた。その結果は次の通りであった。
    (1) DAC飼料で常にみられる初期の成長阻害は, グリシン, グルタミン酸, アラニン, セリン, アスパラギン酸, プロリンのいずれの添加によっても克服できなかったが, 前三者の7日間の体重増加量は対照群と同程度であった。同種の3回の実験を通じてグリシン, アラニン添加時に体重増加量は少し改善されるようであった。
    (2) 肝グルタミン酸脱水素酵素の活性は対照群とDAC群の間で全く差はみられなかった。
    (3) 血漿中の遊離アミノ酸濃度を測定した結果, 対照群に比してDAC群では常にアラニン, グリシン, セリン濃度が顕著に低下していた。
    DAC飼料にグリシン, セリン, アラニン, グルタミン酸を添加したときでも血漿中のセリン, グリシン, アラニン濃度は常に低下した。ただしグルタミン酸添加時だけは血漿アラニンの低下がみられなかった。
    DAC飼料あるいは各NEAA添加飼料時には血漿遊離スレオニンも常に低下し, 一方, リジンは増加する傾向がみとめられた。
    (4) DAC飼料およびグリシン添加飼料投与時の窒素出納をしらべたところ, 飼料を切り換えて1日目の窒素出納値は両者とも対照群より有意に低く, ほぼ平衡状態であったが, 急速に回復して, 2日以後は対照群との差はなくなった。
    (5) あらかじめ, 60%カゼイン飼料で1週間飼育したあとでDAC飼料に切り換えると初期の成長阻害現象は少し弱まるような結果であった。
  • 畑 明美, 緒方 邦安
    1971 年 24 巻 6 号 p. 345-349
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    (1) ジャガイモの硝酸塩含量は産地, 出所または株によりかなり差があるが, 同一圃場で生産された同一株でほぼ同じ重量のものは, 含量に大差がない。
    (2) ジャガイモの硝酸塩は, 頂芽部より中央部, また中央部よりも匐枝部に多く分布する。また維管束部および髄部に多く中心部に少ない。
    (3) ジャガイモの調理実験より硝酸塩は熱により安定のようであるが, 煮汁などへの溶出で減少する。 電子レンジの加熱により, 亜硝酸塩が硝酸塩の還元中間物質としてあるていど蓄積されるようである。
    (4) ジャガイモの貯蔵諸実験より, 低酸素状態でジャガイモの呼吸が抑制されるような条件下では硝酸塩は分解減少し, 亜硝酸塩がやや増加するようである。
    (5) ジャガイモに60Co-γ-線照射を行なうと, その直後では硝酸塩が増加し, 逆に亜硝酸塩の減少がみられたが, 貯蔵中には総体的に硝酸塩, 亜硝酸塩ともに減少する傾向がみられた。
  • 石井 謙二, 桜井 英敏, 小野 豊樹
    1971 年 24 巻 6 号 p. 350-354
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    (1) 5, 6-ジアセチル・AsAを酸化してAcDHAとし, これをグリシンと反応させて生成した赤色色素の安定性をDHAとグリシンとの生成色素のそれと比較した。
    (2) DHA-Gly色素およびAcDHA-Gly色素はいずれもエタノールおよび水溶液中で244~247, 382~387, 510~522mμに吸収を示すが, AcDHA-Gly色素では382~387mμの吸収がDHA-Gly色素のそれより強いのが特徴である。
    (3) 両色素とも強酸性, 強アルカリ性では極めて不安定で直ちに退色したが, pH6で最も安定であった。AcDHA-Gly色素はpH 4ではDHA-Gly色素よりはるかに安定であった。しかしpH8ではDHA-Gly色素の方がやや安定性が高かった。
    (4) 含水エタノール中ではAcDHA-Gly色素はDHA-Gly色素よりはるかに安定であった。DHA-Gly色素はエタノール濃度が高まるにつれ安定性を増したが, AcDHA-Gly色素ではエタノール濃度差による色素の安定性に薯しい差は認められなかった。
  • 村田 希久, 山本 公子, 池田 喜美子, 田中 淑子
    1971 年 24 巻 6 号 p. 355-360
    発行日: 1971/09/20
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    米タンパク質と小麦タンパク質の栄養価を白ネズミの飼育実験によって比較するに当り, 両食品につき低タンパク質レベル (米タンパク質レベル), 中程度タンパク質レベル (小麦タンパク質レベル) と高タンパク質レベルの飼料を調製するため, 白米を細菌α-アミラーゼ処理により, でん粉の1部を除いて, タンパク質濃縮米粉 (凍結乾燥粉末タンパク質26.9-33.9%) を用意し, 小麦グルテン (タンパク質69.4%) と小麦でん粉, 米, 小麦粉などを配合して, 各タンパク質レベルの飼料を調製し, 幼白ネズミを20日間自由食で飼育し, タンパク質効率比 (PER), 生物価 (BV) などを求めた。
    その結果, 米のPER1.60と1.75平均1.67, 小麦のPER0, 62と0.96平均0.79で, 米の価を100とすると小麦では47 (文献値100: 79) で, BVは米63.1に対し小麦49.1でそのRatioは100: 78 (文献値100: 89) でいずれも文献にみられるよりも米タンパク質と小麦タンパク質の栄養価にかなり大きな開きがあり, 米タンパク質は小麦タンパク質に比し, 従来考えられていたより一層高い栄養価を有することを認めた。 また米, 小麦群とも摂取窒素量と体重増加量とはよく相関し, 体重増の傾斜は米群で体重増量10.24g/摂取Ng, 小麦群で6.74g/Ngでありその比は100: 66であった。
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