栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
25 巻 , 1 号
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  • 根来 秀夫
    1972 年 25 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    りんご果肉より, 水に可溶性のペクチナーゼ阻害因子と, 組織に結合されたタイプの阻害因子を分離し, 後者についてその化学的性状および阻害機構を追究した。
    (1) 本阻害因子は非透析性の熱に対して安定な物質であり, 75%エチルアルコールあるいはペクチナーゼ製剤で処理することによって, 果肉組織から溶出される。
    (2) この阻害因子はペクチナーゼと結合して, それを沈殿せしめる作用を有する。それらの反応様式から, 本因子の阻害機構を追究した。
    (3) 本因子はゼラチン, ナイロン粉末, ハイドバウダーなどと結合する性質があり, この反応性を利用することによって, その阻害を防止することが可能である。
    りんごのポリフェノールオキシダーゼを用いて, クロロゲン酸を酸化重合せしめたものも, これと同様の性質が認められる。また, 両者の紫外部, 可視吸収スペクトルはよく似たパターンを示す。
    (4) 本因子はタンニン酸とほぼ同程度の阻害を示す。クロロゲン酸酸化重合物はより顕著な阻害効果を示すが, クロロゲン酸自体には, ペクチナーゼ阻害作用は全くみられない。
  • 斎藤 洋子, 神立 誠
    1972 年 25 巻 1 号 p. 8-11
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    成熟白ネズミを0, 2, 4, 8, 16および30日間無たん白食飼育し, 後肢筋および肝臓のRNA量, DNA量および全窒素量を測定した。
    筋肉のDNA量は肝臓の場合と同様, 無たん白飼育により変化しなかった。RNA量は肝臓では初期に急減したのみで, その後はほぼ一定であったが, 筋肉では無たん白食飼育期間中少しずつ減少し続けた。筋肉のRNA量の減少は全窒素量の減少より速く, 先行することが認められた。
  • 岡村 保, 松久 次雄
    1972 年 25 巻 1 号 p. 12-15
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    収穫前の稲 (品種: 早農林) に人工的に降雨を模して降水処理を施し, 収穫米の理化学性を検討した。
    その結果降水処理によって米の諸理化学性のうち玄米粉末の水浸出液のpHが低下すること, 水溶性乾固物量および糖量も収穫直前の処理によって低下することを知った。
    本実験においては貯蔵による影響を受けていない米の理化学性を調べることを目的としたので, 貯蔵試験を経ず収穫後10日以内に分析を行なった。したがって収穫後の日数が短かいため米の理化学的変化はそれほど進行しておらず, 劣変と認めうるほど著しいものではなかったが, 収穫直後すでに理化学性に多少なりとも差異が生じているところから, 収穫前の降雨が米の貯蔵中の劣変を促進する可能性もあると思われる。
    また降水処理を受けた米の比電導度は未処理区の米よりも低値を示した。これは降雨に伴うカリウムイオンなどの電解質の流失によるものと思われる。
    米のαおよびβ-アミラーゼ活性は降水処理によって増加した。これら酵素活性の増加にかかわらず糖量が収穫直前の降水処理区で低いのは, おそらく呼吸が高まって糖の分解・消費量が増し, 糖の生成量を上回ったためと思われる。
  • 森高 真太郎, 沢田 幸七, 安松 克治
    1972 年 25 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    n-ヘキサン脱脂処理精白米は玄米に比較して貯蔵中の品質劣化が少ない。またn-ヘキサン脱脂処理精白米と無処理精白米貯蔵性の差は, 夏期一般家庭で消費されるまでの短期間においても認められる。
  • 草野 愛子
    1972 年 25 巻 1 号 p. 21-24
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    納豆製造過程におけるペプチドの変化を検索するため原料大豆, 蒸煮大豆, 菌の種類を異にし, かつ実験的に製造した納豆2種および市販納豆について, そのTCA可溶区分をDowex 50W-X2によって吸着部と非吸着部とに分画し, さらに吸着部についてSephadex G-10によるゲル濾過を行なった。
    (1) TCA可溶区分の窒素化合物のうちDowex 50W-X2に吸着されるものは78-93%でその大部分を占め, その割合は原料大豆, 蒸煮大豆で低く, 納豆では高かった。非吸着部である比較的高分子のペプチドは2~9%に過ぎなかった。したがってTCA可溶区分のペプチド検索には吸着部を用いることが適当であると考えられた。
    (2) Dowex 50W-X2吸着部のSephadex G-10による溶出パターンは原料大豆と蒸煮大豆が, No. 6納豆と市販菌納豆がそれぞれきわめて近似し, かつ前者は2個のピークを, 後者は3個のピークを持って, 明らかに異なるパターンを示した。市販納豆は市販菌納豆とほぼ同様な傾向を示したが若干相違する点もあり, 製造条件の相違によるものと考えられた。
    (3) 検討の結果, 溶出パターンのピークIは分子量1,000前後までのペプチド, ピークIIはジペプチド, ピークIIIはほとんどアミノ酸によるものであった。
    (4) 以上の結果から第1報および第2報において指摘した納豆製造過程におけるTCA可溶区分のペプチドの顕著な増加を分子量の大きさによってみれば, 原料大豆および蒸煮大豆中のDowex 50W-X2非吸着部すなわち比較的大きな分子量のペプチドの減少とDowex 50W-X2吸着部すなわち比較的小さな分子量のペプチド, 特にジペプチドの顕著な増加である。
  • 田主 澄三, 笠井 忠, 川村 信一郎
    1972 年 25 巻 1 号 p. 25-27
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    (1) ナンキンマメ, ソラマメ, エンドウ, アズキ, リョクトウ, インゲンマメ, ササゲ, ナタマメ, ダイズの9種の食用豆 (完熟品) について, 少糖類の分別定量を行なった。
    (2) 糖の抽出には80%熱エタノールと冷水を, 分別には濾紙抽出法を用い, フェノール硫酸法で定量した。
    (3) 還元性少糖類は検出できなかった。非還元性少糖類として, シュクロース, ラフィノース, スタキオース, ベルバスコース, それに微量ではあるがアユゴースが検出された。
    (4) デンプン性豆類と非デンプン性豆類との間には, 少糖類分布に大きな差はない。しいていうならば, 非デンプン性豆類では, 最も分子量の小さいシュクロースが最も多い。これに対して, デンプン性豆類では, ガラクトシルシュクロース類のうち, その豆が含む最高級少糖類が最も少なく, それよりも一分子だけガラクトシル基の少ない少糖類が最も多い傾向にある。
  • 永田 致治, 安藤 則秀
    1972 年 25 巻 1 号 p. 28-37
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    肉加工の際使用される発色促進剤 (Na-AsA, Na-iso-AsA, ニコチン酸, ニコチン酸アミド, GDL) および肉に本来含まれている主な金属イオン (Mg2+, Ca2+, Zn2+, Fe2+, Fe3+) が, 発色剤として作用する亜硝酸塩の挙動にどのような影響を及ぼすかについて調査を行ない, つぎのような結果を得た。
    (1) Na-AsA, Na-iso AsAおよびFe2+は, それぞれ単独で亜硝酸塩を分解する作用を示したが, 特にFe2+は, pH 5.0のみならずpH 6.0においても亜硝酸塩をかなり分解する作用のあることが認められた。
    (2) Na-AsAが共存する場合, 保持および加熱処理によって, 供試したいずれの添加物も亜硝酸塩の分解を促進する作用を示し, この作用はpH 6.0よりpH 5.0において顕著であった。この分解促進作用は, Fe2+とFe3+において最も著しく, pH 6.0においてもかなりの効果が認められた。
    (3) Na-AsAとNa-iso AsAを比較したところ, Na-AsAの方が亜硝酸塩分解作用は大で, 特に4℃で72時間保持後加熱した場合にこの差はさらに増大した。
    (4) ニコチン酸アミドの作用効果について, さらにワールブルグ検圧装置を用いて検討を行なった結果, Na-AsAが共存する場合, ニコチン酸アミドは亜硝酸塩の分解を促進すると共に, その還元分解によって生ずる酸化窒素の発生量を増大する作用を示すことが認められた。
    この実験結果から, ニコチン酸アミドが肉製品の発色に必要な酸化窒素の発生を促進する作用を有することが, ニコチン酸アミドが発色促進効果を現わす一因をなすものと推論した。
  • 田主 澄三, 川村 信一郎, 笠井 忠
    1972 年 25 巻 1 号 p. 38-41
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    (1) ナンキンマメ, ソラマメ, エンドウ, アズキ, リョクトウ, インゲンマメ, ササゲ, ナタマメ, ダイズの炭水化物を分別定量しようと試みた。
    (2) 分析項目は, 一般分析としての水分, 灰分, 粗脂肪, 粗たん白質, 粗繊維であり, 可溶性無窒素物は計算によりだした。炭水化物としては, 遊離糖, デンプン, ペクチン質である。粗繊維は更にα-, β-, γ-セルロースとして分別定量した。
    (3) 遊離糖, デンプン, ペクチン質の合計と可溶性無窒素物の値との間に差があり, これら以外の炭水化物の測定が必要である。
    (4) 全窒素から粗たん白質を求めるのに用いるいわゆる窒素係数を考慮する必要がある。
    (5) いわゆるヘミセルロースを計算上求めることを試みたが困難である。
  • 森高 真太郎, 安松 克治
    1972 年 25 巻 1 号 p. 42-45
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    硬質米, 軟質米, 古米, 外米, もち米についてSH基, S-S結合を電流滴定法で測定し, やわらかく粘りの強い米飯となる米にSH基が多いことを認めた。
  • 兼松 弘, 丸山 武紀, 新谷 いさお, 今村 正男, 川北 兵蔵
    1972 年 25 巻 1 号 p. 46-50
    発行日: 1972/01/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    A procedure for the quantitative estimation of mono- (MG), diglycerides (DG) and propylene glycol mono fatty acid esters (MP) in margarine and shortening was studied.
    After the esters was cleaned up by thin layer chromatography, they were estimated individually by programmed temperature gas chromatography. In this procedure cholesterol was added to the sample as internal standard.
    Samples with known quantities of MG, DG or MP were analyzed, and recoveries of them were about 97-105%.
    Several commercial samples of margarine and shortening were analyzed by the proposed method, and results obtained as follows: MP was not detected in any sample, but MG and DG were detected in most samples, and quantities of them were different from one another; total quantities of them in margarine were from trace to 2.2mg/100mg, and those in shortening were from trace to 7.1mg/100mg.
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