栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
26 巻, 2 号
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  • 梅田 圭司
    1973 年 26 巻 2 号 p. 81-90
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 石黒 伊三雄, 池野 武行, 長谷川 典子
    1973 年 26 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    天然蜂蜜の粘稠性を取り除き, 蜂蜜の利用効果をはかる目的で蜂蜜に梅, 夏ミカン, ビワ, サクランボ, ブドウ, ニンニクの浸漬時における果実ならびに蜂蜜中の一般成分, ビタミンC, アルコール, 酸度, 粘度などの変化について観察して次の結果を得た。
    1) 蜂蜜に梅, 夏ミカン, サクランボ, ブドウを浸漬した際, 浸漬1カ月後に蜂蜜中の糖と果実中の水分が減少し, 蜂蜜中の水分, 果実中の糖が増加した。以後6カ月まで平衡状態を保ち変化がなかった。
    2) 蜂蜜にビワ, ニンニクを浸漬した場合, これら果実への糖の浸透は緩慢で少なかった。
    3) いずれの果実を蜂蜜に浸漬してもビタミンCは浸漬にともない減少した。
    4) 果実浸漬により蜂蜜中にアルコールが生成しほぼ2~4%含有した。
    5) 果実中の酸は蜂蜜中にすみやかに移行した。
    6) 果実中の水分が蜂蜜中に移行するため, 蜂蜜の粘度は低下し取扱いが容易となった。
    7) ニンニクの浸漬を除き, 蜂蜜の芳香性は失われず, 生成するアルコールのため非常に美味となって滋養飲料に好適と思われた。
  • 石黒 伊三雄, 池野 武行, 長谷川 典子
    1973 年 26 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    蜂蜜に果実を浸漬すると, 水分の増加によって, 蜂蜜の粘稠性が低下し, それに伴ってアルコールの生成が認められる傾向にあってその濃度は2~4%に達し, また, 同時に炭酸ガスの発生もみられた。このような蜂蜜の水分と糖, 酸度, 粘度およびアルコール生成と炭酸ガスの発生の関係について実験を行ない次の結果を得た。
    1) 蜂蜜に梅, 夏ミカン, ブドウ, サクランボを浸漬すると, 蜂蜜中の水分と糖の平衡が浸漬開始後2週間で認められた。しかし, ニンニク, ビワの浸漬ではおそく, 粘度の低下も緩慢であった。
    2) アルコール生成は浸漬開始後約10日目よりみられた。ニンニク浸漬時には検出されなかった。
    3) 炭酸ガス生成はアルコールの生成とほぼ同傾向をとったが, ビワ, ニンニク浸漬時には生成がみられなかった。
    4) ブドウおよびビワをホモジネートとして蜂蜜と混合すると, アルコール生成および炭酸ガス発生が3日目より観察された。
    5) アルコール生成は果実ホモジネートを加熱処理してもしなくても大差はなかったが, 炭酸ガス発生は熱処理で著しく低かった。
  • 大堀 均, 細野 謙三, 木村 修一, 小柳 達男
    1973 年 26 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    白ネズミの皮膚と尾腱を用い, コラーゲンの加齢および, A欠乏時の変化を, コラーゲンの熱収縮を指標にして検討した。
    1) コラーゲンの熱収縮温度は年齢にかかわらず水溶液中で60~65℃であった。
    2) 加齢, およびA欠乏により, 白ネズミの皮膚と尾腱の総ヒドロキシプロリンの量は増加した。
    3) 脱脂皮膚と尾腱を65℃, 10分間, 水中で加温した場合, 外液に遊出してくる遊離型ヒドロキシプロリンと結合型ヒドロキシプロリンの量は, 加齢にともなって有意の減少を示した。
    4) 同様の実験をA欠乏白ネズミの皮膚で試みたところ, 欠乏群は対照群にくらべて, 遊離型ヒドロキシプロリンは増加する傾向を示したが, 結合型ヒドロキシプロリンは有意に減少した。
  • 大堀 均, 藤崎 忠男, 佐々木 和子, 木村 修一
    1973 年 26 巻 2 号 p. 109-112
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    白ネズミの皮膚と尾腱を用い, 加齢, ならびにA欠乏におけるコラーゲンの変化を観察した。
    1) 酸可溶コラーゲンは加齢にともなつて減少し, 酸不溶コラーゲンは増加してくる。
    2) A欠乏白ネズミにおいては, 欠乏群では対照群にくらべて酸可溶コラーゲンの全コラーゲンに占める割合が小さく, 酸不溶コラーゲンはこの逆であった。
    3) 加齢にともない結合組織の繊維化が促進されることを観察した。
    4) A欠乏は加齢と同様に結合組織の繊維化を促進することを観察した。
  • シイタケの血漿コレステロール低下機構について (III)
    徳田 節子, 菅原 洋子, 金田 尚志
    1973 年 26 巻 2 号 p. 113-119
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    シイタケによる白ネズミの血漿コレステロール低下機構を解明する目的で, おもに血漿中のリポたん白を分画しつぎの結果を得た。
    1) シイタケ給与による白ネズミ血漿中のコレステロールの低下は, 無コレステロール食群ではすべてのリポたん白画分において顕著であり, 含コレステロール食群においては, d<1.019, およびβ-リポたん白画分において低下していた。
    2) たん白質, リン脂質についてもd<1.019, α-リポたん白画分のシイタケ給与群で低下しており, コレステロール量の低下はたん白質, リン脂質の減少と相関性をもつものと推定される。
    3) cholesterol-4-14Cを経口投与し, その放射能を測定したところ, シイタケ給与群においては, コレステロールの代謝回転が早いこと, 排泄量も増加することを認めた。
  • 岡 芳子, 桐山 修八, 吉田 昭
    1973 年 26 巻 2 号 p. 121-128
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2010/03/25
    ジャーナル フリー
    野菜類から抽出した脂質の不鹸化物中のステロール量を第1報, 第2報と同様にβ-シトステロール相当量としてあらわした。遊離型およびエステル型ステロールの比は, シリカゲルカラムを用いて第1, 2報と同様に求めた。また第2報と同様に不鹸化物の薄層クロマトグラフィーをおこない, ステロール部分をガスクロマトグラフィーにかけたこ。
    1) 可食部100mg当りのステロール量は, 乾物のカンピョウを除いては1.4mg~49.7mgであった。
    2) 遊離型とエステル型ステロールの割合は測定した40種のうち32種では遊離型ステロールが多かった。タケノコではエステル型ステロールが遊離型ステロールの約4倍あった。
    3) ガスクロマトグラフイーでの分析の結果次のことがわかった。
    a) 一般にβ-シトステロールが最も多量に含まれていたこが, パセリ, ウド, クワイ, セロリー, トマト, リョクトウモヤシではスチグマステロールが最も多く, ホウレンソウではα-スピナステロールがおもなステロールであったこ。
    b) β-シトステロールはホウレンソウを除くどの試料にも見いだされたが, スチグマステロールとキャンペステロールのどちらか一方, または両方ともに含まれていないものもあった。
    c) コレステロールとまったく区別できないピークがカブの葉, キョウナ, ダイコン葉, タイサイ, ワケギ, アスパラガス, サンショウの実, タマネギ, トマト, ナス, ニンニク, 葉ネギ, ラッキョウ, ワラビで顕著にあらわれていた。
    d) β-シトステロールのピークの直前, または直後に未同定のピークが見られるものがあり, とくにウリ類ではβ-シトステロールとその直後に出る未同定のピークに相当するステロールとがおもなステロールであるものが多かった。
  • 新崎 輝子, 美野 典子
    1973 年 26 巻 2 号 p. 129-133
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1) 海藻たん白中のアルカリ可溶たん白質はその主たん白質成分をなす。
    2) アルカリ可溶たん白質の特徴として, 酸性アミノ酸 (アスパラギン酸, グルタミン酸), グリシン, アラニン, バリン, ロイシンの含量は高く, 紅藻ではプロリンも高い値を示す。低含量のアミノ酸としてはトリプトファン, リジン, スレオニンで, シスチンはこれを欠く。
    3) 褐藻中のE. bicyclisのアルカリ可溶たん白のスレオニンを除けば全卵たん白に匹敵するアミノ酸組成をもつ。一般にアルカリ可溶たん白では, メチオニン, セリン, リジンがやや少ないが, アミノ酸組成は卵アルブミンに類似している。
    4) これらの6種から得られたアルカリ可溶たん白質のたん白価は54~63であった。
  • 中性部について
    後藤 シゲミ
    1973 年 26 巻 2 号 p. 135-138
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    醤油を減圧蒸留し, 香気濃縮物を得, 常法により塩基性部, 酸性部, 弱酸性部, 中性部に分画し醤油の特有香を有する中性部につき分析を行なった。新しく醤油香気成分として同定された物質はアルコール類3種 (2-eth-oxyethanol, trans-2-hexen-1-ol, 1-octen-3-ol), カルボニル2種 (2-acetyl furan, 2-acetyl pyrrole) およびエステル1種 (n-butyl fomate) の6物質であり, 再確認された物質は8物質でさらにほかに少なくも20物質の存在が推定された。また, ガスクロマトグラムからのピーク面積に基づき9成分 (ethanol, n-butyl formate, 2 methylpropanol, 1-butanol, 3-methylbutanol, furfurylalcohol, ethyl succinate, 2-phenylethanol, 2-acety1 pyrrole) を調合後熟成した香気は醤油の中性部のにおいに類似していた。
  • トマト, ピーマン, イチゴ
    北川 雪恵
    1973 年 26 巻 2 号 p. 139-143
    発行日: 1973/12/29
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    前報に続いて果菜類のトマト, ピーマン (ナス科), イチゴ (バラ科) を用いて生育時期別, 上下部位別, 組織別のV. C量の変化について観察した。
    1) トマトの果実の生育に伴うV. C量 (mg%) の変化は総C, 還元型Cでは生育につれて増加し, いわゆる収穫期に最高になるが, 完熟期には逆に減少した。 細かく上下部位別の差異を果肉部でみると, 全期間を通じて基部に最も多く, 先端部がこれにつぎ, 中部が最も少なかった。 また組織別では全期を通じて胎座・種子部が果肉部より多く, とくに種子を含むゼリー状部に多かった。
    なお, 酸化型Cについては未熟期ほど多く, 生育につれて減少したが, 部位別, 組織別には総Cとほぼ同様の傾向がみられた。
    2) ピーマンの果実の生育に伴うV. C量 (mg%) の変化は総C, 還元型Cでは生育につれて漸増し, とくに完熟期に著しい。 上下部位別の差異を果肉部についてみると, 幼果期には中部に多いが, 収穫期以後は果頂部に最も多かった。 組織別にみると, 全期間を通じて果肉部にとくに多く種子部, 胎座部には少なかった。 また果肉部, 胎座部は完熟期に著しく増加するが, 種子部では反対に減少した。
    なお, 酸化型Cについては幼果期に多く, 収穫期にやや減少するが過熟期になると再び増加した。また果肉部よりは種子と胎座部に多かった。
    3) 可食適期のイチゴの場合を上下部位別にみると総C, 還元型Cは果頂部に近いほど多く含まれ基部に最も少なかった。また組織別では皮部にとくに著しく, ついで果肉部に多く含まれ芯部は最も少なかった。
    酸化型Cについても総Cの場合と同様の傾向が認められた。
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