栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
27 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 野田 克彦, 大野 卓雄
    1974 年 27 巻 3 号 p. 95-101
    発行日: 1974/04/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 低カゼイン飼料にヒスチジンを含まぬ不完全な必須アミノ酸混合物を添加した際 (ヒスチジン・インバランス) は, 白ネズミの食欲減少, 成長低下が起こるが, 添加アミノ酸混合物からリジンを除く (-Lys) ことによって食欲, 成長は回復する。
    2) -Lys群の血中遊離第一制限アミノ酸 (この場合ヒスチジン) 濃度はインバランス群より高い傾向にあった。ただし基本飼料群の値よりははるかに低値であった。
    3) 血中遊離第一制限アミノ酸の-Lys飼料による上昇傾向はヒスチジン分解の抑制よりは, むしろ消化管からのヒスチジン吸収速度の増加による可能性が高い。
    4) 血中アミノ酸代謝産物 (尿素, アンモニア, グルタミン) 濃度はインバランス群, -Lys群, 基本飼料群の順で高く遊離ヒスチジン濃度とは逆の傾向だった。
  • 石井 孝彦, 神立 誠, 亀高 正夫
    1974 年 27 巻 3 号 p. 103-108
    発行日: 1974/04/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 純粋培養および大量培養クロレラを使用し, クロレラたん白質の消化率が低い原因の一部を明らかにした。
    2) 人工消化試験と白ネズミによる動物試験の成績からみると, クロロプラスト画分の栄養価が, 他の画分にくらべて低かった。
    3) クロロプラスト画分をさらに分画して検討した結果, クロロプラスト可溶性画分の人工消化率は高いが, クロロプラストの構造的要素であるクロロフィル・リポプロテインのそれは低かった。これは脂質や色素などの存在が, 構造たん白質に対する酵素作用を妨げているためであろうと考えられる。
  • 宮本 進
    1974 年 27 巻 3 号 p. 109-115
    発行日: 1974/04/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    PMAにより汚染された食品を通じて水銀 (Hg) が母体にはいり, さらにその乳汁を通じての乳仔へのHgの移行をしらべる目的で, 以下の実験を行なった。
    PMA (203Hg) を合成し, これを用い, 泌乳中のモルモット (体重700~800g) 6頭に1回経口投与, 5頭にくり返し経口投与 (5回) をした。 PMA (203Hg) (1回につき500μg) をカプセルで投与し, 糞, 尿を経時的に採取, 投与終了後1週間経過後殺し臓器, 血液を採取した。 乳汁は原則として仔モルモットにのませたが, その一部を直接搾乳により得て測定に供した。 仔モルモットは親と同時に殺し臓器, 血液を採取した。 これらの試料中の203Hgをウェル型シンチレーションカウンターで測定した。
    1) 乳汁へのHgの移行 (母体)
    投与期間中は, 少しずつふえるか, あるいは横ばい傾向をたどり, 投与終了後2日目からゆるやかに指数関数的に減少した。 実験期間中の総移行量は, 0.40±0.09% of dose (1回投与), 0.40±0.27% of dose (5回投与) で微量ではあるが, 実験期間中継続して移行した。
    2) 乳汁より乳仔へのHgの移行
    仔モルモットが吸乳した乳汁中のHgを100%とすると仔体内へのHg移行率は, 4.85±1.96% (1回投与), 5.07±2.78% (5回投与) で微量ではあるが移行することが明らかになった。
    3) 糞, 尿へのHgの排泄 (母体)
    糞へは, 59.7±2.8% of dose (1回投与), 61.7±4.3% of dose (5回投与), 尿へは13.2±1.7% of dose (1回投与), 16.4±3.4% of dose (5回投与) 排泄された。 排泄傾向は, いずれも指数関数的であるが, 糞ではかなり急で, 尿ではゆるやかで乳汁における傾向と類似していた。
    4) 臓器などにおけるHgの残留 (母体)
    全体的には, 18.6±3.1% of dose (1回投与), 11.4±3.2% of dose (5回投与) の残留がみられた。 量も濃度も腎臓がきわめて高く, ついで肝臓その他の順であった。 血液中には, 0.24±0.04% of dose (1回投与), 0.13±0.03% of dose (5回投与) のHgが存在した。
  • 川野 澄江, 神立 誠
    1974 年 27 巻 3 号 p. 117-123
    発行日: 1974/04/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    18%カゼイン食給与後絶食させた白ネズミの血漿, 筋肉および肝臓の遊離アミノ酸濃度を測定した。血漿ではほとんどのアミノ酸は食後4時間ですでに著しい上昇を示し, 食餌アミノ酸の吸収時 (食後4~12時間) には吸収後 (24時間) の濃度の2~6倍の濃度を示した。また, 吸収時における変化のパターンは, カゼインのアミノ酸組成を反映していた。筋肉においても吸収時に遊離アミノ酸濃度の増加が認められた。これに比して, 肝臓では可欠アミノ酸, リジン, ヒスチジンおよびスレオニンには著しい上昇が認められたが, 分岐鎖アミノ酸, 芳香族アミノ酸およびアルギニンにはほとんど上昇が認められず, 食餌アミノ酸組成との対応は明らかでなかった。
  • 満田 久輝, 富山 新一, 出浦 浩
    1974 年 27 巻 3 号 p. 125-131
    発行日: 1974/04/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    精白米中のカドミウムの存在状態を検討し, それを基として米よりカドミウムを除去する方法について研究を行ない, 次の結果を得た。
    1) カドミウムは精白米中ででんぷん, 精製油脂中には存在せず, 主としてたん白質とキレート的錯体の形で存在していた。
    2) 精白米たん白質に対しスルホン酸塩系界面活性剤 (LAS, AOS) は, アルキル基の構造にかかわらず同様にたん白質-スルホン酸塩の複合体を形成した。
    3) スルホン酸塩-たん白質-カドミウムの重金属含有複合体が生成することを認めた。
    4) スルホン酸塩-たん白質-カドミウムの重金属含有複合体の安定なpH域はpH 7~およそ9であることを示し, 精白米中からカドミウムを重金属含有複合体として可溶化し除去可能なことを認めた。
    5) 工業的な精白米からのカドミウム除去は経済的に, 環境衛生的にAOSが最適であると考えられる。
    6) 実用的には米破砕物粒度は12~20メッシュ65%, 20メッシュ以上35%程度であると考えられるため, カドミウム除去操作としては, 0.1%NaOH-0.1%AOS液で洗浄処理し, ついで0.3%HCl液で洗浄処理し, すすぐプロセスが適当と考えられる。この処理操作により得た米破砕物はカドミウム含有量0.02ppmとなり, 利用可能な基準値を十分に下回るものであった。
  • 吉田 弘美, 高森 由紀子, 梶本 五郎
    1974 年 27 巻 3 号 p. 133-138
    発行日: 1974/04/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 大豆の発芽時における3部分 (種皮, 子葉, 胚軸など) の脂質成分と脂肪酸組成の変化について調べた。
    2) 脂質は種皮, 子葉中に減少し, 胚軸に増加した。Tocは子葉, 胚軸中に減少し, 種皮に増加した。
    3) 子葉脂質のおもな変化はTGが減少し, FFAや極性脂質が増加した。脂肪酸の変化はTGよりもリン脂質を構成するUSFAの減少割合が多かった。
    4) 子葉リン脂質のPE, PC, PIを構成するUSFAの減少割合は著しく多く, 不飽和脂肪酸はランダムに変動した。
  • 斉藤 芳枝, 畑山 富子, 細田 裕子
    1974 年 27 巻 3 号 p. 139-141
    発行日: 1974/04/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    温州みかん, レモン, グレープフルーツ, 夏みかん, いちご, びわ, もも, ぶどう, プリンスメロン, パインアップル, りんごおよびプラムの果汁を調製し, 5℃に3週間貯蔵してその間のビタミンC, 還元糖, 酸および窒素の量的変化を測定した。
    ビタミンC含量の多いプリンスメロンおよび柑橘果汁では3週間後も最初の量の40%以上のビタミンCが残存したが, もも, ぶどう, パインアップル, プラムらは含量も少なく, 残存量も10~20%と低かった。
    還元糖は3週間貯蔵後プリンスメロンとももの果汁では増加し, びわとりんごの果汁では最初と同じであったほかはいずれも減少する傾向を示した。
    酸は温州みかん, びわ, もも, プリンスメロンの果汁で増加したが他の果汁では大きな変化はなかった。
    可溶性窒素は減少するものが多く, それにもかかわらずアミノ態窒素の増加が認められる果汁があったが, これはアミノ酸やペプチドの生成によるものと思われた。
feedback
Top