栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
27 巻, 7 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 松本 博
    1974 年27 巻7 号 p. 303-308
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 岡田 千代子, 片岡 栄子, 栂野 豊明, 田村 真八郎, 鈴木 忠直
    1974 年27 巻7 号 p. 309-315
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    豆腐を作り, カビの菌糸で被覆し, しょう油諸味漬けにして乳腐を作り, その製造工程中における一般成分変化, アミノ酸, および揮発性有機酸の消長を追求した。
    一般成分は常法により水分, 脂質, 塩分, 灰分, 総窒素, アミノ態窒素, 還元糖, 水素イオン濃度の測定を行なった結果, 乳腐の熟成にともなって水分は減少し, 還元糖, アミノ態窒素は増加し顕著な差を示したが, 他の成分についてはほとんど変化が認められなかった。
    アミノ酸の定量は, アミノ酸アナライザーによるワンカラム溶出法により行なったところ21種類のアミノ酸が同定された。 豆乳, 乾燥豆腐ではリジン, γ-amino butyric acid等の数種類のアミノ酸がごくわずかしか認められなかったが, 諸味づけに熟成した乳腐ではアスパラギン酸, グルタミン酸等21種類が多量に検出された。 アルギニンとオルチニンは市販乳腐に比べ顕著な差が認められた。
    揮発性有機酸の定量は, ガスクロマトグラフを用いて行なった結果, ギ酸, 酢酸, プロピオン酸, アセトイン, n-酪酸, i-酪酸, およびi-バレリアン酸の7種類が同定された。 ギ酸, 酢酸は製造工程中のすべてに検出されプロピオン酸, i-酪酸は乳腐および熟成中の諸味に, アセトインは塩漬豆腐に, i-バレリアン酸は乳腐に, n-酪酸はカビ豆腐, 塩漬豆腐, 乳腐および熟成中の諸味に認められた。
  • 山田 幸二
    1974 年27 巻7 号 p. 317-323
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    タカ菜漬より分離したフェオホーバイドaの光力学的作用の機構を明らかにするため, ローズベンガルと対比して白ネズミの光過敏症, アミノ酸, 脂肪酸の光分解等について検討した。
    1) フェオホーバイドaを白ネズミに投与し光を照射すると強い致死効果がみられたが, ローズベンガルを投与した白ネズミは光照射後1週間目に脱毛, 皮膚の壊死等の後遺症がみられた。
    2) アミノ酸溶液 (トリプトファン, システインを除く17種のアミノ酸) にローズベンガルを添加し, 光照射すると, ヒスチジン, メチオニン, シスチン, チロシンの分解がみられるが, フェオホーバイドaではいずれのアミノ酸も分解されなかった。
    3) 脂肪酸にフェオホーバイドaを加え, 光を照射すると不飽和脂肪酸であるリノレン酸 (C18: 3), リノール酸 (C18: 2), オレイン酸 (C18: 1) の分解がみられた。 しかし, ローズベンガルによるこれら脂肪酸の分解はみられなかった。
  • 大山 徹, 川端 純一
    1974 年27 巻7 号 p. 325-328
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. 有機水銀をジチゾン塩としたのちこれを濃縮し, TLCを行なって各水銀塩を分離し, かきとったスポットの水銀量を原子吸光分析によって測定することにより, 微量の有機水銀を正確, 迅速に定量することができた。
    2. 有機水銀ジチゾン塩は, この方法における濃縮およびTLCの操作中にほとんど損失することがなく, それぞれの回収率は97%, 85~90%であった。
    3. 有機水銀ジチゾン塩のTLCにおける展開液としてはヘキサン, アセトン系85: 15が各水銀塩の分離性において最もすぐれていた。
    4. 魚, 米等の試料についてこの方法とGC法によりメチル水銀の測定を行ない比較したところ, きわめて一致した値が得られた。
  • 阿部 皓一, 湧口 泰昌, 勝井 五一郎
    1974 年27 巻7 号 p. 329-334
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    GLCによる食品中のToc類の定量にあたって, 定量を阻害する物質が主としてステロイドである試料ではジギトニン・カラム処理を行ない, 多くの阻害物を含む試料では, TLC処理を行なって阻害物を除いたのち, GLCによってToc類を定量する方法を確立した。
    本法は従来法より操作時間が著しく短く, しかも精度も良好である。
  • 堀 清記, 飯塚 平吉郎, 中村 正
    1974 年27 巻7 号 p. 335-339
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1971年秋に京都在住の成人男子22名について体比重と皮下脂肪厚を測定し, 1974年冬に沖縄生れの沖縄住民 (成人男子) 15名, 本州生れの沖縄住民 (成人男子) 16名の皮下脂肪厚を測定して次の結果を得た。
    1) 京都在住の成人男子の体密度の平均値は1.074, 脂肪含有率の平均値は9.8%であった。 皮下脂肪厚は上腕が最も薄く6.3mm, 腹部は最も厚く9.4mm, 平均皮下脂肪厚は7.5mmであった。
    2) 体比重法により算出された体脂肪含有率f (%) は体表面積 (m2) ×平均皮下脂肪厚 (mm) ÷体重 (kg) をxとするとf=28.4x+3.67の回帰直線によって表され, その相関係数は0.78であった。
    3) 沖縄生れの沖縄住民の皮下脂肪厚は, 本土生れの沖縄住民と比較すると測定されたすべての部位で薄く, 四肢の皮下脂肪厚が体幹部の皮下脂肪厚より薄い傾向がみられる。
    4) 沖縄生れの沖縄住民の皮下脂肪厚から推算された体脂肪含有率 (9.2%) は, 本土生れの沖縄住民の体脂肪含有率 (10.2%) より少ない。
    5) 沖縄生れの被検者が薄い皮下脂肪厚を有することが, 沖縄住民の発汗反射の遅延と少ない発汗量に対する一つの要因になりうることが討論された。
  • 岩見 公和, 安本 教傳, 満田 久輝
    1974 年27 巻7 号 p. 341-345
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    食用キノコ中のγ-glutamyl transpeptidase活性を検索し, シイタケとシメジに活性の存在することを見いだした。 シイタケ酵素の活性はとくに強く, ホモジネート中のたん白mg当たりの活性比からみれば動物腎臓の酵素活性に匹敵し, 植物起源のものの数百~千倍に及んだ。
    シメジ酵素の活性はシイタケ酵素よりかなり低いが, 形態学的にはシイタケ酵素がミクロゾーム画分に局在するのに対し, もとから可溶状態にあるという興味ある事実が明らかとなった。フレーバー生成機能を失った乾燥タマネギ製品のフレーバー再生 (増強) に対するシイタケ酵素の応用を試み, 添加効果の著しいことを認めた。シイタケ酵素 (とくにγ-glutamyl transpeptidase) は遠心分離によって容易に活性が濃縮されるとともに, 動物組織のような異臭も少なく, 混在するC-S lyaseとの相乗作用が特長づけられた。
  • 岡 芳子, 桐山 修八, 吉田 昭
    1974 年27 巻7 号 p. 347-355
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    34種類の香辛料から抽出した脂質の不鹸化物を薄層クロマトグラフィーにかけ, そのステロール部分をβ-シトステロール (β-S) 相当量としてあらわした。 また, ステロール部分のガスクロマトグラフィーを行なった。 コレステロール (Ch) と相対保持時間 (R. R. T.) の等しいピークについて, GC-MSで同定実験をした。
    1) 34種類の香辛料のステロール量は乾燥物1g当たり0.08~2.56mgであった。 ステロール組成ではβ-Sは今回のいずれの試料にも含まれていて, celery, cumin, fennelにスチグマステロール (St) がβ-Sより多いのを除いては今回のいずれの試料にも最も多く含まれていた。 β-S, St, キャンペステロール (C) の3種類のステロールのうち, cloveにCが見当たらず, horse radish, laurel, mustardにStが見当たらないのを除いては, β-S, St, Cはいずれの試料にも含まれていた。 ブラシカステロール (Br) がfenugreek,mustard, onionに含まれていた。 Δ7-stigmastenolがcelery, coriander, dill, tarragonに見られた。 Chがfenugreek, garlic, onion, paprika, redpepperにあった。 Δ7-stigmastenolと接近してR. R. T. がβ-S 100に対してOV-17とSE30の両カラムで, ともに1.14の未同定のピークがcuminにあった。
    2) 前回未同定の, とくにうり類にかならず含まれていたβ-SのあとのピークはΔ7-stigmastenolであることがわかった。
    3) 前回β-Sとして報告したカボチャ, フダンソウ3), カンピョウ3), キュウリ, シロウリ, トウガン, ヒョウタン, マクワウリ, マスクメロン, プリンスメロンのピークはα-スピナステロール (Sp) であり, Spのあるホウレンソウをも含め, Spのある試料にはΔ7-stigmastenolの含まれているものの多いことがわかった。 これまで調べたうり類のうち, スイカを除いてはおもなステロールはSpであり, Δ7-stigmastenolも含まれていた。 pumpkin seedのおもなステロールはSp (Δ7, 22-stigmastadienol), Δ7-stigmastenol, Δ7, 24 (28) - stigmastadienolであることがわかり, うり類にΔ7のステロールがあることは生合成上興味のあることと思われる。
    4) 今回の試料中のfenugreak, garlic, onion, paprika, red pepperのChとR. R. T. の等しいピークを含め, 前報までに見られたChとR. R. T. の等しいピークはGC-MSの結果, すべてChであることがわかり, Chが植物界に広く分布していること, およびナス, ワケギ, onionなどのある種の植物には, かなり多量に含まれていることがわかった。
  • 1974 年27 巻7 号 p. 357-358
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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