栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
28 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 鈴木 雅子, 加納 三千子, 三谷 璋子, 持田 房江, 有木 美恵
    1975 年 28 巻 2 号 p. 55-59
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    さといものえぐ味成分について, えぐ味成分を抽出し, 検討を加えた結果, 次のことがらを明らかにした。
    1) さといものえぐ味の主成分は, さといもの配糖体およびそのアグリコンである。
    2) さといもの配糖体のアグリコンは, 3, 4-ジハイドロオキシベンズアルデヒドである。
    3) さといもの配糖体の糖は, D-グルコースである。
    4) さといもの配糖体のアグリコンと糖は, アグリコンの二つの水酸基, 3, 4-の位置にD-グルコースが1分子ずつ結合する, 3, 4-ジグリコシリックベンズアルデヒドのタイプである。
  • 戸谷 洋一郎, 戸谷 永生, 松尾 登
    1975 年 28 巻 2 号 p. 61-65
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    The severe toxicity was observed when rats were given the diets containing 10 per cent cyclic monomer and it was difficult to observe the histological changes since all rats died in 4 or 7 days.
    Then a small amount (2.05-7.5 per cent) of cyclic momomer was given to rats and after 38 days the changes in rat's livers and cerebrums were observed by microscope.
    As the results, cyclic monomer gave severe toxicity to the rat liver and cerebrum; the liver was considerably enlarged and the adipose spots were clearly seen with the naked eyes.
    And also in microscopic observation, also, the necrosis of liver cells was remarkably observed by microscope. In cerebrum, Cerebral edema was found in all over the cerebrum and deficiency or degeneration of nerve cells and congestion of the tissue were observed there.
  • 薬師寺 幾代, 香川 芳子
    1975 年 28 巻 2 号 p. 67-77
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全患者に対して長期間透析療法を行なう場合は, いろいろのひずみが生ずる。 ここでは電解質の血清Kの病的上昇および下降を調整する目的で食事面を重視した。 この実験を要約すると,
    1) 植物性食品は季節による変動が大きく, 一般的には東京市場に多く出回る時期にK含量は高い傾向がある。
    2) 調理操作によるK含量の残存傾向については, 電子レンジ使用によるK含量の変化はわずかであった。 また食品表面積と茹で時間を変化させると, 表面積の大きい小形の切り方で茹で時間を延長するとK含量の残存率は低くなった。
    3) やや高いカリウム, 低カリウム食献立例の調理後のK含量の変化は, 電子レンジを使用したやや高いカリウム食のK損失は8.5%で, 茹でる操作を伴う低カリウム食では26.1%であった。 両者とも野菜類がおもなK源で, Kの溶出はほとんど副食群にみられた。
    以上のことから, やや高いカリウム, 低カリウム食の献立作製に際しては食品のK含量, 季節変化, 調理方法を考慮する必要があろう。 そして透析患者への実際の調理にあたっては, さらに詳細な実験が必要と思われる。
  • 戸谷 洋一郎, 戸谷 永生, 松尾 登
    1975 年 28 巻 2 号 p. 79-86
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    白ネズミにオレイルオレエート, スクアレン, スクアランを, 10%または15%基礎飼料に混合投与してセボレアを発生させた。
    1) オレイルオレエートを与えてセボレアを発生した白ネズミの表皮エーテル抽出物 (皮下脂肪をも含む), 肝臓エーテル抽出物について, 化学的性状測定, TLC, IR, GLC分析を行なったところオレイルオレエートの存在を確認した。とくに, 上記エーテル抽出物のメタノール不溶部にオレイルオレエートが良く分離される。
    2) オレイルオレエートを与えてセボレアを発生した白ネズミに対して, その投与を中止しエチルリノレート投与にかえて飼育したところ, 次第にセボレア症状を回復した。セボレアは体組織に悪い影響を与えず, 代謝が不良であることによるものと推察される。
    3) スクアレンを与えてセポレアを発生した白ネズミの体表面から分泌したエーテル抽出物には, スクアレンが含まれることが認められた。
    4) スクアランを与えてセボレアを発生した白ネズミに対してその投与を中止し, 市販の固型飼料に切換えたところ, セボレア症状の回復をみた。
  • 高間 総子, 斉藤 民江, 陶山 陽子, 斉藤 進
    1975 年 28 巻 2 号 p. 87-89
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    周年供給のキュウリの年間の成分・味覚の変化を知りたく, 平塚市で促成栽培された品種夏埼落3号 (7月初旬供試), 露地はさつきみどり (7月中旬), 抑制は夏秋節成2号 (前期は10月下旬, 後期は12月上旬採取) をおのおの可食時期に採取し分析, 官能審査した。ビタミンCは露地がハウス栽培に比し総ビタミンCが多く含まれ, かつ還元型ビタミンCの含有率が高い特徴が見いだされた。しかし味覚については, 4試験区で多少特徴があるような結果が得られた。また抑制前期と後期のキュウリの味覚は, 遜色のないものだと判定された。
  • 広田 才之, 近藤 国男, 佐藤 寿, 中島 顕三
    1975 年 28 巻 2 号 p. 89-90
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    Ume-shu (Japanese plum liqueur) was prepared by the conventional method in this study.
    Nonvolatile organic acids of Ume-shu were separated by ion-exchange chromatography.
    Analysis of the acids after butylation by gas chromatography led to the detection of eight components, two of which were benzoic and succinic acids not reported hitherto in Ume-shu.
  • 戸谷 洋一郎, 戸谷 永生, 松尾 登
    1975 年 28 巻 2 号 p. 91-98
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    市販の油脂含有食品として即席ラーメン (31種), ポテトチップス (14種), 揚げせんべい (14種), バターピーナッツ (10種), クラッカー (15種), ドーナッツ (10種), かりん糖 (6種), 計100種について, その酸化変性の状態を調べた。
    試料から抽出した油脂の過酸化物価, ヨウ素価, 酸価を測定した結果を総合して考察すると下記のようである。
    (1) 過酸化物価についてみると, 100種中30meq/kg以下のもの91種, 30.1meq/kg以上のものはバターピーナッツに多く (10種中7種), その最高は95.7meq/kgであった。
    (2) 酸価は0.1~3.4の間にあり, 1.0以下のもの59種, 2.0以下のもの82種であり, 揚げせんべいとドーナッツに高いものが多かった。
    (3) 今回の各試料の過酸化物価, 他の報告にみられる試料の過酸化物価, 既報の白ネズミによる動物実験の結果を総合して考察し, 油脂含有食品中の油脂の過酸化物価は30meq/kgあたりにその限度をおくのが適当であろうとも考える。
  • 阿部 重信, 金田 尚志
    1975 年 28 巻 2 号 p. 98-100
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    標品のCSおよび試料のCSジギトニドの90%酢酸溶液のZurkowski試薬による発色はいずれも620mμに吸収の極大が認められ, それらのCS含量が等しい場合には600~660mμにおいて吸収曲線はまったく一致する。 また, これらの呈色は室温23℃では20分後に最大に達し, その褒20~30分間安定である。
    ジギトニン沈殿法によるCSの定量は, その濃度が低い場合には回収率が著しく悪くなることが知られている7)。 著者らの実験でも, この事実が認められ, さらにCSジギトニドが多い場合には90%酢酸溶液への溶解性が悪くなることを考慮すると, 再現性のよい結果を得るためには, 比色液が1.5mlのとき, CSの含量は0.05~0.15mgの範囲であることが望ましい。
    著者らの改良法を他の代表的な定量法と比較するため, 白ネズミの血漿と精度管理用凍結乾燥プール血清Concera (日水製薬製) を用いて定量した結果をTable 1に示した。この改良法は, 理論的に最もすぐれた比色定量法として用いられてきたS-W法にくらべて, それぞれの値がほぼ等しいことが明らかである。 この定量法は, CSジギトニドをつくるところまでは, Nieft-Deuel8)法を参考にして,その沈殿の洗浄や乾燥を迅速に操作できるようにS-W法を改良し, CSの発色についてはZ法を利用して, L-B反応における煩雑な操作を簡略化したものである。 著者らの実験室の例では同一精度を保ちつつ, 1/3~1/2の時間短縮に成功している。 AbellKendall法は最も低い値を示し, Z法, Z-H法とZakらの方法はいずれも高い値を示したが, 個々の値には同じ傾向があることが認められた。 3種の方法が高い値を示す傾向のあることは, 多くの研究者が認めているととであり7) 9), 研究の目的によっては十分注意しなければならない。 しかしながら, Z法の簡使さは柴田ら9)も述べているように非常にすぐれたものであり, 血中CS低下物質の試験などに際しては, 臨床面での使用とともにその威力を発揮するものと考える。
    CS代謝の研究においては, 血液をはじめ各組織などの総および遊離型CS値を正確に求めることが要求されるが, 実験室内で数多い試料を取扱う場合には, 現在でもジギトニン沈殿法が最も実用的であることに変りなく, 著者らの改良法はS-W法に代るものと期待できる。 なお, 本法では操作の簡略化のため, 試薬の添加に際して注射筒を多用したが, 比色法では満足すべき精度が得られる。また, 近年性能のよい分注器が入手できるので, 利用できれば一部これを使用するのが便利である。
  • 1975 年 28 巻 2 号 p. 101-102
    発行日: 1975/04/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
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