栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
28 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小出来 一博
    1975 年 28 巻 6 号 p. 289-297
    発行日: 1975/10/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 吉田 昭
    1975 年 28 巻 6 号 p. 299-308
    発行日: 1975/10/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 高瀬 幸子, 森本 絢美, 志村 二三夫, 細谷 憲政
    1975 年 28 巻 6 号 p. 309-317
    発行日: 1975/10/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    比較的生活環境の類似している女子大生343名の対象について, 不定愁訴と食生活との関連ならびにそれらをとりまく諸要因との関連を観察した。
    1) よく眠れない者, あるいは睡眠時間の短い者, 長い者, 夢を多くみる者に愁訴数が多かった。
    また, 現在の生活に満足していない者, 生きることに対し退屈感をもつ者に愁訴数が多かった。 喫煙者や鎮静剤などを常用する者にも愁訴数は多かった。
    2) 欠食回数の多い者, 夕食時刻の一定でない者, さらに, 食事の不規則な者に愁訴数が多かった。 しかしながら, 目的があって欠食している者には, そのような傾向は比較的みられなかった。
    3) 食事摂取の規則性とこれに関連する睡眠, 生活状態, 居住条件などとの相互関連について考察した。 これらの諸要因は, 食事の不規則性との関連を示しながら不定愁訴の発現とも関連していた。
    以上の結果から, 目的意識をもって規則的な日常生活ならびに食生活をおくるものには愁訴は少なかった。
  • 高木 兵治, 岡本 玲子
    1975 年 28 巻 6 号 p. 319-325
    発行日: 1975/10/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    農家自家醸造味噌に含まれるチラミン量は, 当然その微生物のフロラにより顕著に変化することが考えられる。 そこで, 味噌中に含まれる微生物群を培養してチラミン生成の有無を調べ, 続いてチロミン脱炭酸酵素をもつ細菌の分離を試みた。また, 液体培地に2種微生物が共存する場合のチラミン生成量の多寡を調べるため既知細菌および味噌から分離した微生物を組み合せて培養し, 培地中のチラミン量を測定した。 さらに培地食塩濃度とチラミン量についても調べた。その結果,
    1) 味噌に含まれる微生物のうち, 好気性細菌でチラミンを生成するものはなく, 分離酸生成細菌のうち15株にチラミンの生成をみた。 これら細菌のアセトン標品における酵素活性は, 既知Sc. faecalisと比較して一般に低く, またチロシン脱炭酸酵素の生産の不安定な菌株が多かった。またドーパと反応するものはなく, チロシンからチラミン以外の物質を作る菌株が存在した。
    2) これら15株菌は, いずれも乳酸を生成し, チロシン添加培地で培養しても, チラミン生成量の顕著に高いものはみられなかった。
    3)Sc. faecalisと既知細菌あるいは味噌から分離した細菌2種を組み合せ, 両菌株を同時に接種あるいはSc. faecalisをあとで接種した場合の培地中のチラミン生成量は, 一般にSc. faecalis単独の場合より低くなった。 培地のpHがアルカリ側に傾くような細菌と組み合せた場合のチラミン量は高くなり, 逆に酸性側に傾く場合はその量の低くなる傾向がみられた。 また, Sc. faecalisを先に接種した場合, チラミン生成量の変動は低く, したがってこれら細菌類はSc. faecalisによって生成したチラミンを分解したり, 利用することはないと推定した。
    4)ASP. oryzaeおよび味噌麹より分離した麹黴は, Sc. faecalisによるチラミンの生成を完全に抑制し, また生成したチラミンを完全に分解した。
    5) 味噌から分離したチラミン生成乳酸菌は, 食塩12.5%以上の培地では, 培地中にチラミンをまったく生成しなかった。
  • 高木 兵治, 岡本 玲子
    1975 年 28 巻 6 号 p. 327-336
    発行日: 1975/10/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    チラミン含量の高い自家醸造味噌について, その生成要因を間接的に明らかにするため, 味噌から分離した細菌の培地組成とチラミンの生成, チロシン脱炭酸酵素の活性, 食塩に対する抵抗性等について調べ, さらに耐塩性の増加に伴う菌体成分の変化を検討した。
    1) チラミン生成細菌は, Streptococcus lactic groupであり, これら細菌は, 培地の種類により, チラミン生成量に顕著な差がみられた。 チラミンの生成は, Y培地よりB培地が多く, さらに炭酸カルシウムを添加すると著しく増加した。 また大根搾汁, 大豆煮熟汁の添加は, 菌株により差があり, チラミン生成量の増加する場合もあった。リン酸2カリの添加は, いずれもその生成を抑制した。
    2) これら細菌は, 食塩15%培地において, 培地のペプトンの増量, 大根搾汁の添加, またはシスチン, ロイシン, チラミンの添加がその生育を若干促進し, とくに後者の添加は耐塩性菌株の出現する場合があった。
    3) 細菌の耐塩性の増加は, 生成酸量の減少, チロシン脱炭酸酵素活性の低下, アミノ酸要求性の変化 (たとえばシスチンの生育抑制) 等がみられ, 菌体の代謝系の一部が変化したと考えられる。 なお, チロシン脱炭酸酵素活性の低下はB6の不足によるものと推定した。
    4) また, 耐塩性菌株は, 菌体成分に若干の変化がみられた。 すなわち, 灰分含量, 全脂質とくにアセトン不溶性脂質, アセトン不溶性脂質中のリン酸/窒素モル比, リン含量, 核酸RNA含量等が増加する傾向を示した。
  • 川口 豊
    1975 年 28 巻 6 号 p. 337-342
    発行日: 1975/10/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    大豆乳たん白質を凍結貯蔵すると粒子は形態的にいくらか小さくなり, 貯蔵期間が長くなると凝集する傾向がみられた。
    加熱大豆乳では, 15日以内の凍結貯蔵により180日間の凍結貯蔵期間中に凝集沈殿したたん白質の全量に相当する量が凝集沈殿した。また不溶化して凝集沈殿するのは, 酸不溶性窒素であることが確かめられた。
    凍結貯蔵前の大豆たん白質のセファデックスゲル濾過による溶出では, たん白質とCaおよびIPは結合した形をとらないが, 凍結貯蔵によりたん白質の溶出画分に同時に溶出する。
    凍結貯蔵前後の大豆たん白質の各種試薬による溶解性から, 凍結貯蔵中における大豆たん白質の不溶化は, 凍結貯蔵によりたん白質分子間に疎水結合, -S-S-結合が主として形成され, さらに水素結合, 塩結合が形成されこれらのことが複雑に交重して, たん白質の高次構造に変化を与えているためと推定される。
  • 山添 義隆, 大坪 藤代
    1975 年 28 巻 6 号 p. 343-346
    発行日: 1975/10/15
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    有明海鹿島・白石地区, 川副地区および諫早湾森山地区より捕獲したムツゴロウおよびその市販缶詰製品について, 1970年から1974年まで5ヵ年にわたりCd含有量を測定した。また1970年に有明海西部9地点より採取した泥土中Cd量を測定し, 次のような結果を得た。
    1) 3地区中諫早産ムツゴロウに高濃度に検出し, 有明海鹿島・白石地区, 川副地区の順であった。平均含有量は, 1970年から1974年の順に諫早産で0.114, 0.112, 0.104, 0.083, 0.073ppm, 鹿島・白石地区で0.094, 0.062, 0.056, 0.045, 0.023ppmおよび川副地区で0.102, 0.062, 0.052, 0.058, 0.044ppmが得られた。
    2) 缶詰中含有量は1970年から順に0.124, 0.084, 0.074, 0.056, 0.044ppmが得られ, 新鮮物より若干高濃度であった。
    3) 新鮮物, 缶詰品ともCd濃度は経年的減少が顕著であった。
    4) 底泥中Cd濃度は1.00ppmから0.002ppmの範囲にあり, 有明海北部, 諫早湾において高く, 島原半島を南下するにつれ低濃度を示した。
feedback
Top