栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
29 巻, 1 号
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  • 栄養学的観点から
    多田 啓也, 青木 久夫, 高田 五郎, 大村 清
    1976 年 29 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 野坂 純恵, 小池 五郎
    1976 年 29 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    肥満者を対象に, 15週間にわたる減量食療法により, 平均12%の体重を減少させた際の代謝過程の推移を検索し, 次の結果を得た。
    1. 体重減少前, 空腹時血清FFA値は, ほぼ正常範囲にあり, 被検者を肥満度別に3群に分けた場合, いずれも各群間に差はみられなかった。
    減量食療法後, 空腹時血清FFA値に, 一定の変化がみられなかった。
    2. 50g OGTTに対するFFAの反応について, 肥満度が高い者ほど負荷後30分での低下率が小さく, 120分までゆっくりと低下し, 負荷前値への回復が遅れる傾向を示した。
    減量食療法後, さらに回復の遅れを示し, とくに負荷後30分値に, 一時的な増加をみた。この現象は, 同時に観察した糖尿病群3名にも観察された。
    回復の遅延は, BS値においてもあきらかであった。
    以上の結果より, 短期間の体重減少直後では, 血中FFA値のOGTTに対する反応を正常にもどすものではなく, かえって鈍化させる傾向を示すことが明らかとなった。
  • ブドウ球菌に対するコール酸の作用 (第1報)
    堤 将和, 高田 誠一, 正崎 栄一郎, 渡辺 忠雄
    1976 年 29 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) ブドウ球菌Staphylococcus epidermidis IFO 3762は, 食塩濃度12%までの培地に増殖可能であった。
    2) 本菌はコール酸塩0.1%を含む培地ではまったく正常に増殖するが, 0.5%以上になると増殖はかなり阻害された。
    3) コール酸塩と食塩が共存する場合, 本菌の耐塩性は著しく低下した。たとえばコール酸塩0.1%-食塩6%, コール酸塩0.2%-食塩4%で本菌の増殖は完全に阻止された。このようにコール酸塩と食塩は本菌に対して強い共力作用を示し耐塩性を低下させるが, その作用は静菌的であった。
    4) コール酸塩を含まない培地で本菌を増殖させ, 対数期中期に達したときに食塩濃度15%になるように食塩を添加した場合, 本菌の増殖は阻止されるが菌の急激な死滅はみられなかった。しかし, コール酸塩を0.2%含む培地で増殖させた菌を同様に処理すると, 菌の急激な死滅が観察された。
    5) 本菌にコール酸塩や食塩をそれぞれ単独にあるいは両者を併用して作用させたところ, 紫外部に吸収を持つ物質の漏出がみられた。とくに両者を併用して作用させた場合, 作用初期に著しい漏出現象が観察された。
  • ブドウ球菌に対するコール酸の作用 (第2報)
    堤 将和, 高田 誠一, 正崎 栄一郎, 渡辺 忠雄
    1976 年 29 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ブドウ球菌Staphylococcus epidermidi IFO3762の栄養要求性を指標として, 本菌の異常環境下における生理機能の変化を検討した。
    1. ビタミン要求性について: 本菌は正常な環境において, チアミンとニコチン酸アミドを要求した。しかし食塩を8%含む培地においては, これらのビタミンのほかに, p-アミノ安息香酸, 葉酸とパントテン酸の要求が, コール酸塩を0.1%含む培地においては, リボフラビンの要求が高まった。さらに食塩を2%, コール酸塩を0.1%含む培地においては, チアミンのほかにパントテン酸, イノシトールが必須となり, そのほかに葉酸の要求性が高まった。一方, ニコチン酸アミドの要求性はやや低下した。
    2. アミノ酸要求性について: 本菌は正常な環境においてバリン, ロイシン, フェニールアラニン, グルタミン酸, スレオニンを必須とした。しかしコール酸塩を0.1%添加するとヒスチジンが, 食塩を8%添加した場合はヒスチジンとプロリンがさらに必須となった。またコール酸塩0.1%, 食塩2%を含む培地では本来必須なアミノ酸のほかにグリシン, ヒスチジン, プロリン, チロシンが必須となった。一方, コール酸塩や食塩をそれぞれ単独にあるいは両者を同時に加えると, 本来必須であったスレオニンの要求性が低下した。
  • 山田 幸二, 広井 勝
    1976 年 29 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    穀類を唯一のたん白質源とした飼料にリジン, スレオニンを添加し, 2週間白ネズミを飼育し, 肝臓脂質含量と血漿中遊離スレオニン濃度との関係について検討した。
    白米, 小麦粉, 大麦, オートミルを唯一のたん白質源とし, たん白質含量6.2%または7%飼料で飼育した白ネズミの肝臓脂質量は乾物当たり14%以下であるのに対し, これらの飼料に0.25%リジン添加飼料で飼育した白ネズミの肝臓脂質量は20%以上となり, 肝臓に異常な脂質の蓄積がみられた。
    このような肝臓に脂肪が蓄積した白ネズミの血漿中遊離スレオニン濃度は著しく低下し, 7μmoles/dl以下であった。
    0.25%リジン添加小麦粉飼料に0.10%, 0.15%, 0.20%スレオニン添加で, 肝臓脂質の異常な増加は見られず11~13%であった。また, 血漿中遊離スレオニン濃度も上昇した。
    以上の実験結果から, 肝臓脂質含量と血漿中遊離スレオニン濃度との関連性がみられた。
  • オキアミの煮熟処理について (第2報)
    桑野 和民, 大沢 良子, 関山 教子, 津久井 亜紀夫, 三田村 敏男
    1976 年 29 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    オキアミの海水による煮熟処理時間と, プロテアーゼおよびチロシナーゼ様酵素活性との関係, さらに歩留, 塩類の浸透等を調べ, 以下の結果を得た。
    1. オキアミを沸騰海水 (3%食塩水) 中で煮熟処理を行なうと, プロテアーゼおよびチロシナーゼ様酵素は, 煮熟処理時間を長くするとともに活性を失ってゆき, 15分間の煮熟処理では, プロテアーゼは完全に, チロシナーゼ様酵素活性はほとんどみとめられなかった。
    2. 煮熟処理をしないオキアミを室温放置すると内臓肉質が液化し, 黒変が起こり悪臭を放ったが, 煮熟処理したオキアミでは, 外観から見たうえでは状態の変化はみとめられなかった。
    3. 歩留, 粗たん白質, 粗脂肪は, 煮熟処理時間が長くなるとともに減少し, 5分間の処理では, 歩留91%, 粗たん白質, 粗脂肪の絶対量は, 83%, 77%になり, 15分間処理すると, それぞれ, 83%, 68%, 56%にまで減少した。
    4. 逆に粗灰分は上昇し, 15分間煮熟処理すると6.4%になり, 煮熟処理中に煮熟液の塩類 (食塩) が浸透したことがわかった。
    以上の結果, ならびに前報の結果から, オキアミの凍結前に行なう煮熟処理は, 沸騰海水中で5分間程度が良いものと考える。
  • 最近の家庭用マーガリンの一般特性について (第1報)
    兼松 弘, 丸山 武紀, 木下 葉子, 新谷 勳, 今村 正男
    1976 年 29 巻 1 号 p. 39-54
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    市販家庭用マーガリンのカップ入ソフト型7種, カルトン包装ハード型8種について, そのステロール組成比, 含有量および合成酸化防止剤, 合成保存料を分析してそれらの表示の確認を行なうとともに, 一般性状の分析を行なってそれらの夏, 冬季製品間の比較を行なった。その結果,
    1) 一般性状ではいずれも夏, 冬季製品間にほとんど差がなく, 年間通してほぼ一定した品質のものであった。ソフト型とハード型では, IVのみソフト型のほうが高く, 液体植物油配合割合の多いことを示していた。
    2) 合成酸化防止剤, 合成保存料ともに検出せず, 表示されていない事実と一致した。
    3) ステロールの分析結果, コレステロールを全試料より検出したが, いずれも微量であり表示どおり植物油脂のみから製造されたものであることが証明された。さらに原料油脂種別名の表示についても, サフラワー油の表示のあった試料H, Jよりサフラワー油の特徴であるアベナステロールを検出して, その表示と対応することができた。
  • 伊藤 誉志男, 外海 泰秀, 慶田 雅洋
    1976 年 29 巻 1 号 p. 44-47
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ぶどう酒をアルカリ性でエーテル処理して不純物を除いたのち, 酸性でエーテルによりソルビン酸, デヒドロ酢酸および安息香酸を抽出し, 蒸発・乾固したのち, アセトンに溶かし, 水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ (2% DEGS+0.5%リン酸カラム装着) に注入して, ソルビン酸の定量およびデヒドロ酢酸と安息香酸の検出を同時に行なう方法を開発した。ガスクロマトグラフィーの内部標準物質としてはp-トルイル酸の使用が好適であった。
    0.1g/kgのソルビン酸の添加による回収率は, ほぼ100%であった。3者保存料の検出感度は, いずれも0.005g/kgであった。輸入ぶどう酒16検体中3検体からソルビン酸が定量されたが, その量はいずれも基準値 (0.2g/kg以下) の範囲であった。デヒドロ酢酸および安息香酸は, いずれの検体からも検出されなかった。
  • 浅川 具美, 松下 雪郎
    1976 年 29 巻 1 号 p. 47-49
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Acid value was chosen for determining the deterioration degree of heating oils and modified to a convenient way.
    The pH of methyl red 90% ethanol solution was adjusted to keep the yellow color by adding pottasium hydroxide solution. When deteriorated oil was added to the methyl red solution, the color changed from yellow to orange or red depending on the degree of acid value.
  • 最近の家庭用マーガリンの一般性特性について (第2報)
    兼松 弘, 丸山 武紀, 木下 葉子, 新谷 勳, 今村 正男
    1976 年 29 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    市販家庭用マーガリンソフト型7種, ハード型8種のそれぞれ夏, 冬季製品について脂肪酸組成, トランス酸, α-トコフェロールおよび固体脂指数を測定しつぎの結果を得た。
    1) 脂肪酸組成の特徴から前報のステロール分析結果と同様に, 全試料とも原料油脂は植物油脂のみであることを確認した。
    2) リノール酸を含むC18:2はソフト型平均38.03%, ハード型平均18.53%含まれていた。とくにソフト型の試料Hは60%以上含まれており, いわゆるダイエットマーガリンに相当するものと推察された。また多価不飽和酸/飽和酸の比ではソフト型平均1.45, ハード型平均0.59であった。
    3) トランス酸量はソフト型平均9.22%, ハード型平均17.05%と桐淵らの報告よりも著しく減少していた。とくにソフト型の試料Hは, まったくトランス酸を検出しなかった。
    4) α-トコフェロール量はソフト型平均8.211mg/100g, ハード型平均4.769mg/100gでほとんど原料油脂からきたものとみられ, 酸化防止剤の目的にとくに添加された形跡は認められない。
    5) 脂肪酸組成, トランス酸およびα-トコフェロールの含量から推察すると, 夏と冬季の製品では原料油脂配合に大きな差が認められず, とくにソフト型ではその傾向が明瞭であった。
    6) 35℃における固体脂指数はソフト型平均1.32, ハード型平均1.34でほとんど差がなく前報の融点の結果と対応していたが, 5℃, 20℃はソフト型平均15.36, 8.18に対してハード型平均29.08, 14.79と明らかにソフト型のほうが軟かいことを示していた。また夏, 冬季製品間ではソフト型ではほとんどその差がなかったが, ハード型では夏季のほうがやや硬い傾向が認められた。
  • 1976 年 29 巻 1 号 p. 70a
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 29 巻 1 号 p. 70b
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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