栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
29 巻 , 6 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 荒井 綜一, 山下 道子, 藤巻 正生
    1976 年 29 巻 6 号 p. 295-305
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    たん白質資源の開発と利用の研究は, 今後ますます重要になりつつある。とくに, わが国が食糧の自給を強いられるような事態を想定すれば, いっそうその感を深くする。著者らの属する分野では, 文部省特定研究 「生物の生産機能の開発」と題するプロジェクトがすでに発足しているが, そのなかには, 食糧たん白質に関する分担課題が組まれ, 著者らはそれに参画して, 未利用・低栄養資源からプラステイン反応によって高栄養の素材を合成する研究を担当している。また, 本年5月には, 日本学術振興会と米国National Science Foundationの代表の科学者がホノルルで会合し, 日米協力による食糧資源開発に関して打ち合わせが行なわれたが, その最重点課題の一つとしてEnzymatic transformation ofproteins-plastein reactionが採択された。諸外国でもプラステイン反応に多大の関心を寄せはじめており, たとえばダイズたん白質の研究で大きな業績を残したマサチューセッツ工科大学のCatsimpoolas教授のところでも, 独自のアイデアからのプラステイン研究を開始している。世界的な食糧問題がもち上がっている折から, まさにタイムリーであり, 各方面からの研究の成果が大いに期待される。
  • 松本 恵子, 一寸木 宗一, 浜倉 大全, 前川 昭男, 鈴木 隆雄
    1976 年 29 巻 6 号 p. 307-310
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 白ネズミ肝臓キサンチン酸化酵素活性は, オキアミたん白標品投与区と全卵たん白質投与区とでは差が認められなかった。
    2) A/U×I・p値は対照とした全卵たん白質投与区とオキアミたん白標品投与区ではほぼ同値であったが, 生オキアミ乾燥粉末投与区および煮熟オキアミ乾燥粉末投与区において, A/U×I・p値は全卵たん白質投与区, オキアミたん白標品投与区より低い結果が得られた。
    3) 白ネズミの体重増加量は, オキアミたん白標品投与区と全卵たん白質投与区とほぼ同程度であった。また, 生オキアミ乾燥粉末投与区, 煮熟オキアミ乾燥粉末投与区では全卵たん白質投与区に比較して, 生長がやや劣る結果が得られた。
    4) 生物価, 正味たん白質利用率, 消化率は, オキアミたん白標品投与区と全卵たん白質投与区とで, ほぼ同程度であった。
  • 小住 フミ子
    1976 年 29 巻 6 号 p. 311-316
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Wistar系のラットを一定期間オリエンタル固型食で飼育後去勢を行ない, アルコールの大量投与による脂肪肝発生に対して, 各種性ホルモン投与がどのような影響をもたらすかを検討して次のような結果を得た。
    1) テストステロン投与は睾丸摘出群において脂肪肝の増強をきたし, また, アルコール投与群においても去勢による脂肪肝発生の抑制を回復した。卵巣摘出群ではアルコール性脂肪肝の抑制が見うけられたが, その抑制は卵胞ホルモンで回復した。
    2) 睾丸摘出群で減少したNEFAは, テストステロン投与で雄性無処置対照群の値に近づいた。また黄体ホルモン投与により, 雌性ラットの血中NEFAは上昇した。
    3) 肝グリコーゲンは, アルコール投与によりいずれも低下した。
    4) 血中グルコースは, アルコール投与によりいずれも低下を示した。
  • 玉木 七八, 浜 堯夫
    1976 年 29 巻 6 号 p. 317-324
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 雄ラットを用い, 睾丸, 副腎および甲状腺摘出もしくはサイロキシン投与で, 肝および腓腹筋中のβ-アラニン, アンゼリン, カルノシン含量への影響を検討した結果, 腓腹筋中のアンゼリンとカルノシン含量に甲状腺ホルモンが関与することを認めた。
    2) 雄ラットを無たん白食, 5%, 20%, 40%および60%カゼイン食で2週間飼育した結果, 腓腹筋中のβ-アラニンとカルノシン含量は低たん白食で著しく減少し, 高たん白食で増加するが, アンゼリン含量には影響が少ないことを認めた。60%カゼイン食で飼育すると, Nπ-メチルヒスチジンの尿中排泄が3倍に増加した。
  • 木村 恒
    1976 年 29 巻 6 号 p. 325-333
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    主としてD型, 男, PMD患者の肥満とるい痩の頻度およびその要因, 肥痩の弊害を機能障害, 死因などとのかかわり合いから検討を試み, 次のような結果を得た。
    1) D型患者650名の年齢別平均ローレル指数を基準とし, 各+20%以上を肥満者, -20%以下をるい痩者とすると, 前者は17.4%, 後者は17.1%といずれも高率であった。
    2) 本症の肥痩の要因は, 主として栄養摂取量, とくにカロリー摂取量の過不足によるものと考えられる。
    3) D型患者は, やせているよりもふとっているほうが貧血傾向者も少なく, 肺機能も優れていた。そして患者の平均ローレル指数の+10%から+20%の間の体位を有する者が, 障害度, 脊柱側彎, 下肢の変形も少なく, 肺活量も高かった。この体位あたりに, 本症の至適体位の存在が推定される。
    4) 本症患者のローレル指数と皮下脂肪厚の間には正の相関関係が成立し, その回帰直線はY=2.449X+71.945 (Y=ローレル指数, X=皮下脂肪厚mm) であった。なお, 体重と皮下脂肪厚の間にも相関係数0.821の有意な正の相関関係を認めた。
    5) D型患者の死亡1ヵ月前の体重は著しく少なく, 23.9kg以下が58.7%と高率であった。
    6) 生前機能訓練を積極的におこなった患者は, 体重も肺機能もすぐれていたが, 心不全で死亡する率が高く, 消極的な患者のほうは, 体重が少なく, 肺活量も低く, 感染症で死亡するケースが多かった。
  • 横山 水映, 小形 さよ子, 金田 尚志
    1976 年 29 巻 6 号 p. 335-339
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    従来不明であった日本人人乳 (常乳, 初乳) および調製粉乳脂質トリグリセリドの1, 2, 3位脂肪酸配分について検討し, つぎの結果を得た。
    1) 日本人人乳脂質トリグリセリドは, 欧米人のそれに比ベリノール酸をいくぶん多く含むなど脂肪酸組成が多少異なったが, Breckenridgeら3)の報告とほぼ同様の立体配分を示した。すなわちC14:0, とくにC16:0は2位に多く, C18の不飽和酸は2位に少なかった。C18:0は1位に多く (常乳), C16:0も2位以外では1位に多かった。比較的短鎖の脂肪酸 (C10:0, C12:0) は, 3位に多かった。C18の不飽和酸も3位に多いが, C16:1は2位に多かった。これらの特徴は, 従来の報告よりも, C18:1, C18:2, C16:1などの点で, よりラードトリグリセリドと似た傾向を示した。
    2) 初乳, 常乳の間には脂肪酸組成の違いはあるが, C18:0を除いて立体特異性に顕著な差はなかった。
    3) 調製粉乳脂質は, 人乳脂質ときわめて異なった。C16:0の2位に占める割合は22%と少なく, 1位にむしろ多かった。C18の不飽和酸は逆に2位に多く, 調製粉乳脂質にかなり含まれているC12:0も2位に多かった。C10:0が3位に多いのは人乳と同じたが, C16:1も3位に多く, 当然のことながら牛乳脂質, 植物脂質の傾向を示していた。
  • 金谷 健一郎, 安本 教傳, 満田 久輝
    1976 年 29 巻 6 号 p. 341-346
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 米ぬかの水抽出液は, トリプシン, α-キモトリプシンおよびペプシンの作用を阻害した。
    2) トリプシン阻害物質が非耐熱性高分子であるのに対して, ペプシン阻害物質は耐熱性低分子としての性質を有していた。
    3) ペプシン阻害物質は, 米ぬか中の主要な含リン成分であるフィチン酸 (myo-inositol hexaphosphate) であると判断され, 玄米, 白米, 米ぬか, 米胚芽, ダイズおよびコムギふすまのフィチン酸含量とこれらの水抽出液が示すペプシン阻害度との間には高い相関関係が認められた。
    4) フィチン酸によるペプシン作用の阻害は, フィチン酸がペプシンの至適pH近辺で正に帯電した基質たん白質と相互作用し, ペプシンの作用しにくい状態に変換させる結果として誘起されるものと推定された。
  • 松本 恵子, 一寸木 宗一, 浜倉 大全, 前川 昭男, 鈴木 隆雄
    1976 年 29 巻 6 号 p. 347-350
    発行日: 1976/10/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 南氷洋で採取されたオキアミを試料として, 0.05% NaOHを用いてたん白質を抽出し, 粗たん白質83.4%を含むオキアミたん白標品を得た。
    2) ディスク電気泳動法によりオミアキおよびオキアミたん白標品の泳動パターンを検討した結果, オキアミでは8本, オキアミたん白標品では6本のバンドが認められた。また形態的に類似しているシバエビを比較した場合, 泳動パターンに差異が認められた。
    3) オキアミたん白標品は全卵たん白質のアミノ酸組成と比較した場合, メチオニン, シスチン含量に差を認めた以外は非常に類似した組成であった。さらに, 卵価87, 制限アミノ酸は含硫アミノ酸であった。
    4) オキアミたん白標品, オキアミ乾燥粉末, 煮熟したオキアミ乾燥粉末, 全卵たん白質のペプシンによる人工消化試験を行なった結果, オキアミたん白標品の消化率は約85%以上で, 比較対照とした全卵たん白質に近い値が得られた。さらにオキアミ乾燥粉末, 煮熟したオキアミ乾燥粉末では消化率の低いことが認められた。
  • 1976 年 29 巻 6 号 p. 360
    発行日: 1976年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
feedback
Top