栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
30 巻, 2 号
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  • 金田 尚志
    1977 年 30 巻 2 号 p. 71-78
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 身体鍛練者と非鍛練者との体型の比較
    堀 清記, 辻田 純三, 吉村 寿人
    1977 年 30 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    西宮市および西宮市近郊在住の医科大学男子学生119名, 十分に鍛練された男子学生28名について冬季に身体計測を行ない次のような結果を得た。
    1) 対照群の身長および体重の平均値は171.0cmおよび64.4kgであって, これらの値は全国青年男子の平均値よりかなり大きかった。鍛練群の身長および体重の平均値は172.7cmおよび66.8kgで対照群より大きく, 体重の差は有意差であった。
    2) 対照群の胸囲, 上腕囲および大腿囲の平均値は89.5cm, 27.3cmおよび50.9cmであった。鍛練群のこれらの測定値の平均は93.0cm, 28.4cmおよび52.5cmでいずれも大きく, このうち胸囲および上腕囲には有意差があった。
    3) 対照群のRohrer指数および比胸囲の平均値は128.5および52.7であった。一方鍛練群のこれらの平均値は131.5および53.9と大きかった。
    4) 対照群における体重Wkgと身長Hcmの間にはW=1.072H-119.1の回帰直線がえられ, この式は体重が身長の3乗に比例し, かつ両者の平均値を通る接線で体重と身長の関係を表わす式W=1132H-128.8との差は少なく, Brocaの標準体重を求める式とは大きな差があった。
    5) 対照群の皮下脂肪厚の平均値は13.2mmで, 鍛練者の平均値7.3mmより有意の差で厚く, 測定されたすべての部位で対照群のほうが厚い皮下脂肪厚をもち, 対照群においては躯幹部の皮下脂肪厚が厚い傾向を示した。体脂肪予知式を用いて算出された体脂肪含有率は, 対照群の平均値は14.0%で鍛練者群の平均値9.3%より有意の差で大きかった。
    6) 鍛練者の身体的特徴を表わすために身長と体重および体脂肪量の関係, または身長とRohrer指数および体脂肪含有率の関係をそれぞれ全国青年の測定値および対照群の値を用いて標準測度で図示した。これらの図によって鍛練効果, 脂満の程度, 気候馴化による体型および体構成成分の変化を論じた。
  • 安本 教傳, 岩見 公和, 吉田 宗弘, 満田 久輝
    1977 年 30 巻 2 号 p. 87-91
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    水銀とセレン投与による生体障害への影響をラット各臓器内のグルタチオン量および関連酵素の活性の変化の面から検討した。塩化水銀40ppmを約1カ月間投与したラットにおいて, グルタチオン量およびγ-glutamyltransferase, GSH reductaseの活性が肝・腎・血中で上昇しalkaline phosphatase活性が低下していたが, セレン同時投与によりその影響は軽減された。含セレン酵素であるGSH peroxidaseの活性は水銀投与で変化はみられず, セレソ投与によって有意に上昇した。このようにセレンは水銀の生体内酵素活性, グルタチオン濃度におよぼす影響を抑制することが明らかとなった。水銀投与したラット腎には著量のメタロチオネインの存在が認められたが, セレン投与によりその生成が促進されたか否かは確認できなかった。
  • 満田 久輝, 西川 善之, 樋口 雅子, 中島 謙二, 河合 文雄
    1977 年 30 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    乾燥クロレラ, 破砕クロレラを試料として, 従来より問題とされてきたクロレラの不消化性の問題を代謝実験, 人工消化実験を行なって経時的にその動向を検討した。その結果, 単にクロレラ細胞をダイノミルで破砕することによってラットの成長は促進され, また消化吸収率もおおいに向上した。これらの結果を反映してPER, NPR, NPUの諸栄養価にも高い値が見出された。一方人工消化率の実験においても破砕クロレラは乾燥クロレラに比し, ごく良好な結果を示し, とくに本傾向はペプシンの短時間処理において顕著であった。以上の結果より, クロレラの消化率の悪さ, すなわち栄養価の問題は単なる物理的破砕法によっても大幅に改善される結果が得られ, 使用するクロレラ試料が相違しても好結果が期待されるものと推察した。
  • 礒部 明彦, 佐々木 陸郎, 木村 修一
    1977 年 30 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    野沢菜漬物中に含まれるヘオホーバイドによるラットの光過敏症の成立とそのメカニズム解明のため, 今回はヘオホーバイドのケイ光性を利用し, ラットの体内分布を観察した。
    その結果, 網内系細胞の多い大網膜, 脾臓への取り込みが顕著であった。また, 多少, 心臓, 肝臓への取り込みも見られたが, それほど大きなものではなかった。
    さらに, 光過敏症によってラットの臓器 (脳, 胸腺, 肺臓, 心臓, 肝臓, 副腎, 腎臓, 脾臓, 胃, 腸, 子宮, 膀胱, 筋肉, 背の皮膚) が組織学的にどのような変化を受けているのかを観察するため光学顕微鏡をつかって検討した結果, 脾臓において, とくに著しい変化が認められた。リンパ濾胞のくずれ, 細胞の崩壊が顕著であること, また, この崩壊細胞は濾胞内 (白髄) および赤髄内の網内系細胞で貪食されている。さらに, 赤血球とヘオホーバイドも貪食されている所見が観察された。
    このような組織学的変化と, すでに発表した循環器系を中心とした病態生理学的現象を関連させて考えると, 光過敏症のメカニズムは以下のとおりであろうと推定される。
    すなわち, ヘオホーバイドはまず, 組織学的にみて, 脂肪細胞の多い大網膜に取り込まれ, リンパ管に吸収され, 血管内にはいり全身を循環する。そして体表面に分布する毛細血管通過の際, 光照射を受け光増感反応をおこし, ヘオホーバイドが赤血球毒となり赤血球膜の脆弱化, すなわち溶血をおこし, 赤血球の内容物, とくにカリウムの漏出をきたし, このカリウムが心筋に作用し, 心臓の刺激伝導系傷害をおこしたものと考えられる。
  • 鈴木 道子, 野崎 幸久
    1977 年 30 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1. 循環器系疾患患者202例中83例, 41%に高脂血症を認めた。高脂血症のタイプの分類を行なった結果, タイプII aが最も多く, 高血圧症, 糖尿病で高率に観察された。
    2. 血清リポたん白分画は, ヒトでは4分画認めたが, ラットでは3ないし2分画認めたにすぎなかった。コレステロールの投与によりF分画が濃染し, 分画に及ぼす影響はコレステロールと同時に投与した油脂の種類により異なっていた
  • 綾野 雄幸, 古橋 樹雄, 渡辺 幸雄, 鈴木 徹, 高居 百合子, 岩尾 裕之
    1977 年 30 巻 2 号 p. 113-122
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    高アミローストウモロコシデンプン (アミロメイズデンプン) が糖質源として, 栄養的にどのような特徴をもっているかを知る目的で, X線回折, 人工消化試験および幼若ラットによる動物飼育実験を行なった。
    1) アミロメイズデンプンのX線回折像は, VIIデンプン (アミロース含量647%), Vデンプン (アミロース含量46.6%) ともB図形を示した。
    2) アミロメイズデンプンのラット小腸磨砕抽出液による37℃, 24時間の人工消化試験で, その消化率はVIIデンプン28.8%, Vデンプン25.0%で, バレイショデンプン13.1%よりはわずかによかったが, 普通トウモロコシデンプン92.3%, モチトウモロコシデンプン91.7%よりは相当劣った。
    3) アミロメイズVIIデンプン, 普通トウモロコシデンプンおよびモチトウモロコシデンプンを糖質源とした動物実験では, アミロメイズデンプン投与群は恒常な成長を示さず, ひどい下痢症状を呈し, 体重増加率, 飼料要求率およびたん白質効率は他の2群にくらべ, 非常に劣った。臓器は消化器官が増大し, とくに盲腸において顕著であった。また, 体脂肪の蓄積は悪く, 肝臓ならびに後腹壁脂肪の脂肪酸組成は他の2群との間ではいくらか相違を示した。
    4) アミロメイズVIIデンプンを85%メタノールに2日間浸漬して洗浄したものを幼若ラットに投与したが, その成長度は未処理デンプンとほとんど変わらなかった。デンプンの見かけの消化吸収率は73.6%で, 未処理デンプン群の67.3%よりはよい傾向を示したが, 普通トウモロコシデンプン群の99.8%には及ぼなかった。
  • 綾野 雄幸, 渡辺 幸雄, 鈴木 徹, 横井 昌子
    1977 年 30 巻 2 号 p. 123-130
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    アミロメイズVデンプン (アミロース含量49.3%) の消化性ならびに栄養効率を向上させるために, 種々の加熱条件で処理をほどこしたのち, 人工消化試験ならびに幼若ラットに投与し, 成長に及ぼす影響を生のアミロメイズデンプンおよび普通トウモロコシデンプンと対比して調べた。
    1) 加熱処理アミロメイズデンプンのラット小腸磨砕抽出液による37℃, 24時間の人工消化試験で, その消化率はα化処理デンプン (エクストルーダーによる) 89.6%, 120℃-30分加熱 (加水量400%) デンプン75.2%, 100℃-60分蒸煮 (加水量60%) デンプン71.5%を示し, 生アミロメイズデンプン36.2%に比し, 消化率の向上は著しかった。なお, 普通トウモロコシデンプンの消化率は92.4%であった。
    2) 動物試験では, α化処理デンプン群は順調な成長を示したが, 普通トウモロコシデンプン群に比し, 盲腸が少し増大し, たん白質の消化吸収率が少し劣った。120℃-30分加熱デンプン群は成長がやや不規則で, 体重増加率, 飼料要求率およびたん白質効率は普通トウモロコシデンプン群と有意差がなかった。α化処理デンプン群とくらべると, 内臓摘出屠体比は小さく, 盲腸はいくらか増大し, デンプンおよびたん白質の消化吸収率はわずかに劣り, 体脂肪の蓄積量も少なかった。100℃-60分蒸煮デンプン群も成長がやや不規則で, 見かけの成長度は120℃-30分加熱デンプン群と有意差がなかったが, 内臓摘出屠体比, デンプンの消化吸収率, 体脂肪の蓄積量では劣った。
    3) アミロメイズVデンプンは加熱処理により, その栄養効率は向上したが, 120℃-30分処理しても生の普通トウモロコシデンプンの栄養効率には到底及ばなかった。
  • 飯岡 邦夫
    1977 年 30 巻 2 号 p. 131-133
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    It is known that a green oyster was resulted from normal one to absorb and to accumulate heavy metals.
    The cultured oysters in Miyako Bay of Iwate Prefecture were greened in November, 1969. Copper contents in the fresh bodies of green oysters in Miyako Bay were estimated as 48 to 65ppm and zinc contents were 324 to 511ppm. On the other hand, copper contents of normal oysters in Yamada and Ofunato Bays were ranged from 14 to 20ppm and zinc from 156 to 164ppm. Of the contents of the heavy metals in cultured oysters hanging in the sea water, their highest values were found in the oysters near sea surface, and their lower values in those at the deeper places. It was observed that the accumulated copper and zinc were found at higher levels in the green meat than in the white meat of the oyster.
  • 1977 年 30 巻 2 号 p. 138
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
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