栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
31 巻, 6 号
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  • 五十嵐 脩
    1978 年 31 巻 6 号 p. 531-542
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/07/27
    ジャーナル フリー
  • 古賀 菱子, 菅野 道廣, 寺澤 洋子
    1978 年 31 巻 6 号 p. 543-550
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    動脈硬化性疾患の予防または治療食に対し, 動物性食品の望ましい調理法に関し, 基礎的知見を得るため, 牛肉, 豚肉, 魚肉およびそれらとPromic TB-6の混合材料 (1: 1, w/w) を用い, 9種の調理を行なった。水分量, 粗脂肪量, コレステロール量および脂肪酸組成を測定し, 調理前後における変化を検討したが, 調理製品においては次のとおりであった。
    1) 油を用いない調理法のうち, 粗脂肪およびコレステロール量がある程度の減少を示したものは高温調理および乾熱調理に属するgrillingおよびroastingであった。
    2) 調理油を用いる場合, deep fat fryingおよび6時間油浸にした材料をbroilするなど, 調理後の水分量の減少および移行油量が多いとみられるものでは, コレステロール量および飽和脂肪酸の割合の減少, 高度不飽和脂肪酸の割合の増加が認められた。
    3) 調理油との接触面積が拡大されるような切断法 (たとえばミンチ状) の採用, あるいは抱油力が高い材料 (たとえば植物性たん白質) の併用は植物性油のかなりの移行が期待された。
    4) これらの変化は魚肉に次いで牛肉において顕著であり, 豚肉で最も低かった。また, サンフラワー油よりサフラワー油においてわずかながら顕著であった。
    一方, 調理製品中の窒素あたりの値は粗脂肪およびコレステロールともに, 全試験区が対照区より低値を示した。
  • 古賀 菱子, 菅野 道廣, 寺澤 洋子, 山本 統彦
    1978 年 31 巻 6 号 p. 551-556
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    ミンチ状の牛肉, 豚肉および魚肉への調理油の移行量を3Hでラベルしたサンフラワー油およびサフラワー油を用いて調べ, 前報のガスクロマトグラフィーによる分析結果をより明確にすると同時に, 牛肉における移行油の構成を検討した。
    その結果, 移行油量は使用材料の組織構造, 水分および粗脂肪量, 使用油の粘度の相違に影響されると理解された。調べた食品のうち, 魚肉では最大の移行油量を示した。なお, 加熱前の油浸操作, とくに抱油力が大きいPromic TB-6のような植物性たん白質の併用は, 肉への油の移行に有効とみられた。また, sautéingとdeepfat frying, broilingの調理方法で, 各脂肪酸の移行の割合に量的相違があることが推察された。一般に, 飽和脂肪酸の移行量がやや高く, 脂肪酸の不飽和の程度によって, 調理油の材料への移行にいくらかの違いがあった。
  • 浅川 具美, 松下 雪郎
    1978 年 31 巻 6 号 p. 557-564
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    1) 油脂を各種支持体に吸着させてインキュベートした場合, たん白質は油脂の酸化を抑制した。
    2) 大豆油とカゼイン混合物を50℃にインキュベートした場合, 対照のセルロースの場合にくらべ, カゼインの酸化抑制効果が顕著であった。なお, 9週間のインキュベーションでは少量の油脂の重合物が生じていた。
    3) MLとカゼインをインキュベートした場合, さらに酸化抑制効果は顕著で, とくに高湿度 (RH 83%, 50℃) でインキュベートした場合, MLの重合物の増加がみられた。
    4) 凍豆腐中の油脂の酸化は高湿度 (RH 96%, 50℃) でインキュベートした場合, 顕著にみられた。すなわち回収率の低下や重合物の生成もみられ, リノール酸, リノレン酸の減少も著しく, トコフェロールの消耗もみられた。
    5) 一方カゼインならびに凍豆腐のエーテル抽出残渣についても, 高湿度でインキュベートした場合の変化が著しく, 消化率の低下やアミノ酸の損失がみられた。
    6) 中湿度 (RH 48%, 50℃) でインキュベートした場合には比較的油脂ならびにたん白質の変化は少なかった。
  • 阿武 尚彦, 赤羽 義章, 森 一雄
    1978 年 31 巻 6 号 p. 565-569
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    1) グルテンの脱アミド化, アシル化誘導体について, 乳化安定性を検討した結果, グルテンの脱アミド化, アシル化反応は, グルテンに乳化性, 溶解性を付与するための有効な修飾手段であることが認められた。
    2) 修飾グルテンの乳化安定性はpHにより影響をうけその等電点で最低となった。
    3) 修飾グルテン溶液の加熱処理が乳化安定性に及ぼす影響はすくなく, その影響をほとんど受けなかった。
    4) アシル化グルテンの乳化安定性に及ぼす食塩添加の影響は大きく, 1%以上の濃度で顕著に現われた。
    5) 修飾グルテンの魚肉ソーセージにおける利用を検討した結果, 製品のHardness, 食感に改善が認められ, 乳化材として利用可能なことが示唆された。
  • 岸 恭一, 藤田 美明, 田中 啓二, 市原 明
    1978 年 31 巻 6 号 p. 571-577
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    成熟ネズミ肝細胞をコラゲナーゼで分散し, アミノ酸の豊富なWilliams培地E (WE培地) と塩類溶液のみのHanks液で初代培養し, 培地アミノ酸の変化を測定した。さらに各種ホルモンの影響を検討した。
    細胞のたん白合成が高いWE培地で24時間培養したときにはアラニン, グリシン, アルギニン, アスパラギン酸は非常に培地から減少した。またグルカゴン添加によってアラニン, グリシンの減少は明らかに促進した。これに次いでリジン, チロジン, フェニルアラニン, メチオニン, スレオニンが中程度に減少し, ホルモンとしてはデキサメサゾンによるチロジンの減少が著明であった。これに反しロイシン, グルタミン酸, イソロイシン, プロリン, ヒスチジン濃度はほとんど培養中変わらなかった。セリン, オルニチン, バリンはむしろ増加した。
    次にたん白分解の方向に細胞機能が傾いているHanks液での20時間の培養では大部分の放出アミノ酸パターンは肝たん白質のアミノ酸組成によく一致したが, アラニン, アスパラギン酸, プロリン, グルタミン酸, アルギニンには放出が少なく, セリンは肝たん白質中のそれより多かった。この結果は明らかにHanks液中では肝細胞はたん白崩壊のほうに傾いていることを示しているが, 両培地での各アミノ酸濃度の変化の特異性はそれぞれ糖新生, 尿素形成, グリシン-セリン相互転換等の肝アミノ酸代謝活性とそれに及ぼすホルモンの影響で説明しうる。またこのことは逆にこの培養細胞が肝機能を研究するよい材料になることを示している。
  • 内藤 初枝
    1978 年 31 巻 6 号 p. 579-586
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    実験開始時体重75g前後のWistar系ネズミを用い, 無K食餌投与により発現する臨床的K欠乏症状を把握すること, また無K食餌投与により示される食欲への影響につき調べることを目的として実験を行ない次のような結果を得た。
    各週単位のK欠乏症状
    1週間後: 摂食量・体重増加量ともに対照群とくらべ明らかに低下を認めた. とくに無K食餌投与2日目で早くも摂食量は対照群の60~70%を示した。飼料効率も著明な減少を示した。剖検, 尿所見, 血液生化学所見, 組織標本検索はいずれも正常であった。臓器重量比では腎臓の重量比が高値を示しはじめた。
    2週間後: 摂食量・体重増加量, 飼料効率などは先週とほば同様の結果を示した。剖検, 尿所見はともに正常であった。血液生化学所見では血清K値のわずかな減少, SGOTの上昇が認められた。臓器重量比では腎比率の増加と胸腺比の減少が示された。また肝組織図では脂肪変性がみられ小葉周辺部に散在していた。
    3週間後: 諸症状はほぼ2週間後のものと同様またはさらに著明となった。また毎日の観察では腹壁筋の緊張低下がみられ, 非常に柔軟な状態となった。
    4週間後: 諸状症についてはさらに程度が進行していった。体重増加量の低下が著しく, また血液生化学所見ではHt, Hbなどの軽度低下がみられ, SGPTもしだいに高値を示していった。毎日の観察では先週まで軟化していた腹壁筋がこの週はむしろ硬化していった。また四肢の緊張, 動作過敏, 食行動の変化, 摂食時間の短縮などが特徴として認められた。
    5週間後: この週にはK欠乏群の中に突然死亡するものが出現した。死亡ラットについてはその前日までの観察でとくに異変もなく衰弱した様子もみられなかった。K欠乏群全般としては摂食量が対照群の約60%, 体重増加量は0.5~1.0g/日となり飼料効率も低値を示した。血清K値, SGOT, SGPTは異常値を示し, 腎重量比の増加, 胸腺比率の低下が対照群とくらべいっそう著明になった。肝組織図にみられた脂肪変性もすでに肝実質細胞の減少にまでいたる程度の悪化が示されていった。このほか尿糖の検査ではK欠乏のものに陽性を示したものが多くみられた。剖検所見では体腹部脂肪の著減を認め, X線検査ではとくに骨組織への変化は認められなかった。
  • 片山 吉穂, 千坂 陽子, 西明 真理, 下志万 千鶴子
    1978 年 31 巻 6 号 p. 587-595
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    4週間3種の低アミノ酸混合飼料 (5%レベル, コムギ, コメおよび宮崎パターン) で飼育して脂肪肝を発生させたラットを20%カゼイン飼料でさらに4週間飼育した場合の血液および肝の生化学的ならびに組織化学的測定を行ない脂肪肝からの回復過程を検討した。
    回復期では, いずれの実験群でも飼料摂取量は低アミノ酸混合飼料期の場合とほとんどかわらなかったが, 体重増加量は低アミノ酸混合飼料期にくらべて著しく大きくなった。しかし回復過程における飼料効率はいずれのパターン食群でもほとんど差がなかった。回復期では血清triacylglycerol量は対照値 (正常値) に近く回復する傾向にあった。肝triacylglycerol量はいずれの実験群でも低アミノ酸混合飼料期にくらべていちじるしく低下した。とくに宮崎パターン食群ではtriacylglycerol以外の脂質成分も最も低かった。一方肝複合脂質では, コメパターン食群のほうがコムギパターン食群よりも多い傾向がみられた。組織化学的検索によると肝では回復の徴候が認められたが, まだスダンIII染色陽性物質を含む少数の肝細胞も認められた。なお繊維化の像はみられなかった。
  • 鴻巣 章二, 松居 隆, 福家 真也, 川崎 一平, 田中 洋美
    1978 年 31 巻 6 号 p. 597-604
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    新しい水産食糧資源として開発された9種の魚類の普通肉について, その有効利用に資するための基礎的研究として, 一般成分, 含窒素エキス成分ならびにたん白質のアミノ酸組成を分析し, 次の結果を得た。
    1) 一般成分では, クサカリツボダイの粗脂肪含量が著しく高いのが目だった。
    2) エキス成分としては, 遊離ならびに結合アミノ酸, 核酸関連物質, クレアチン, クレアチニン, トリメチルアミンオキサイド, トリメチルアミンなどを分析し, バラクータ, シルバー, オキヒラスでは遊離ヒスチジン, イノシン酸, クレアチンなどに富むこと, ミナミダラとホキではアンセリンに富み, 1-メチルヒスチジンが少量検出されること, クサカリツボダイではタウリンに富むことなど, それぞれのエキスの組成の特徴を明らかにした。
    3) 分析した9種の魚肉たん白のアミノ酸組成は相互によく類似し, また本邦産主要食用魚のそれとも酷似していた。したがって, これら新資源魚類は, 日常食用としている魚類と同等の高い栄養価をもつ良質の動物性たん白源であると判断された。
  • 入谷 信子, 福田 栄子, 射場本 和子
    1978 年 31 巻 6 号 p. 605-609
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    絶食ラットに実験食としてコーン油またはオリーブ油の高たん白高脂肪食, 無たん白高脂肪食, または無脂肪高たん白食を投与した (R1) 後, 再び絶食して各群に同じ無脂肪食を投与したとき (R2) の脂肪酸合成系酵素の誘導に対して実験食の影響が残るかをしらべた。絶食と投与はいずれも2日ずつ行なった。R2の無脂肪食によるglucose-6-phosphate dehydrogenaseとmalic enzymeの誘導がR1の高たん白高脂肪食群では無たん白高脂肪食または無脂肪高たん白食群にくらべて有意に低く, またコーン油を摂取した動物ではオリーブ油を摂取した動物にくらべてさらに低かった。しかしR1の無たん白高脂肪食群では, 両油群ともR1の無脂肪高たん白食群とともに非常に高い酵素誘導がみられた。この現象はR1で高たん白高脂肪食群に8-azaguanineを投与したときにも観察された。これらのことから, 高脂肪食摂取群ではたん白を摂取してde novoのたん白合成を伴うとき, 両酵素に対するrepressor systemのようなものがつくられ, リノール酸はオレイン酸よりも強いcorepressor様の働きをする可能性が考えられる。またacetyl-CoA carboxylaseでもそれほど著明ではないが, 同様な結果が得られたが, 油の種類による有意差はなかった。
  • 石橋 源次, 河野 寿子, 長谷川 忠男
    1978 年 31 巻 6 号 p. 610-614
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    The influence of the aging on the absorption of the soybean oil and lard was investigated by using rats 1, 4, 10, 14, 18, month rat respectively. Provided that experiment diet contained the soybean oil and lard of 10%. The results obtained were as follows;
    (1) The absorption of soybean oil and lard gradually decreased with the aging, and the absorption of soybean oil was higher than that of lard.
    (2) The excretion of neutral sterol was almost constant in the both case of soybean oil and lard, but the excretion of bile acid increased with the aging.
    (3) When the excretion of bile acid increased, the absorption of fat and oil was apt to decrease.
    (4) The fatty acid composition of lipids in feces were difference between soybean oil and lard, that is, saturated fatty acids in the feeds were 34-64% (soybean oil) and 60-73% (lard) respectively.
  • 水沼 俊美, 田村 年江, 高橋 玲子, 高橋 因, 岸野 泰雄, 奥田 拓道
    1978 年 31 巻 6 号 p. 614-622
    発行日: 1978/12/10
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    Recently, the production of commercial frozen-stored foods has been increased. However, no investigation has been reported on the lipoper-oxide included in frozen-stored foods in the market.
    The level of lipoperoxide on 58 kinds of commercial foods was investigated: commercial frozen-stored foods (29 kinds), canned provisions (17 kinds) and dried fishes (12 kinds).
    The results obtained are shown in Table 1-3. In Table 1, the level of lipoperoxide was found to be increased as their storage time increases. The level of lipoperoxide of dried fishes were higher than those of the other samples.
  • 1978 年 31 巻 6 号 p. 632a
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 31 巻 6 号 p. 632b
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
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