栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
32 巻, 2 号
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  • 伊吹 文男
    1979 年 32 巻 2 号 p. 75-88
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • カルニチンまたはパンテティンの添加効果
    水沼 俊美, 高橋 因, 佐藤 文代, 岸野 泰雄, 奥田 拓道
    1979 年 32 巻 2 号 p. 89-92
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    40%コーンオイルをふくむ高脂肪食投与時に発現する, 軽度肝障害の原因をしる目的で, カルニチンまたはパンテティンを添加し, そのときの, 肝総脂質, 過酸化脂質そしてS-GPTの動態を観察した。
    1) カルニチンは, D型, L型ともに肝脂質に対して, 7週まで低下効果をもち, 過酸化脂質に対しては, 10週まで低下作用を示した。このとき, S-GPTは上昇が抑えられた。
    2) パンテティンは, 10週まで肝脂質にたいして低下効果をもたないが, 過酸化脂質に対しては10週で低下作用を示した。このとき, S-GPTはその上昇が2/3に抑えられた。
    3) 以上の成績より, 40%コーンオイルをふくむ高脂肪食10週投与時に観察されるS-GPTの上昇は, 脂肪の蓄積そのものよりも, 過酸化脂質の上昇がより関与しているのではないかと推測した。
  • 関口 正勝, 松岡 博厚, 笹子 謙治
    1979 年 32 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    6種類のアヒル卵について, 成分組成および各卵黄の電気泳動パターンの比較を行ないつぎの結果を得た。
    バリケン卵は卵黄の割合が高く, ペキン卵は卵白の割合が高く, カーキーキャンベル卵はその中間であった。アヒル卵における卵黄卵白比は0.53~0.67で鶏卵におけるより高い値を示した。
    卵白成分においては種間にほとんど相違が認められなかったが, 卵黄成分ではバリケン卵は脂質量が低く, たん白質量が高かった。灰分組成は卵白ではカリウム, ナトリウム量が高く, 卵黄ではカルシウムおよびリン量が著しく高かった。また卵黄の灰分組成では, カルガモおよびナキアヒル卵はカリウム, ナトリウム量が著しく低く, バリケン卵ではマグネシウムおよびカルシウム量が高い値を示した。
    卵黄のSDS-ポリアクリルアミド電気泳動パターンでは22のバンドが認められ, バリケン卵では他のアヒル卵と異なった泳動パターンを示した。
  • 坂本 元子, 石井 荘子, 西岡 久寿彌
    1979 年 32 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    遅延型アレルギー反応の確認には抗原によって免疫を課する「感作」, 新たな抗原の投与をうけたさいのTリンパ球による抗原の「認識」さらにリンフォカインが生成され, 「炎症」をひきおこし, 炎症像形成にいたる反応まで三つの構成段階がある。
    低栄養状態の場合のこの反応の消失にいずれの段階の栄養状態が影響するかを確認することは栄養条件を基盤とした免疫現象の動向を追求する場合には重要なことである。感作時と認識時の栄養条件を変えて反応の動向を検討した。
    低栄養時に死菌感作したラットは, 食餌変更後, 認識時に栄養状態が回復している場合, 全例が陽性を示した。しかしながら十分に回復していない時期では60%が陰性を示し, 認識時の栄養状態が反応に影響することを指示している。
    このことから栄養状態が免疫監視機構あるいは生体防衛に影響する段階は, 抗原感作時ではなく, 抗原認識時あるいはそれにともなっておこる炎症反応の段階におけるものであることが明らかにされた。
  • 安本 教傳, 岩見 公和, 岡田 淳吾, 満田 久輝
    1979 年 32 巻 2 号 p. 105-110
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    米糠, 小麦胚芽, ミツバ種子よりイオン交換クロマトグラフィー, 活性アルミナカラムクロマトグラフィー, および高圧濾紙電気泳動によって結合型B6を単離した。微生物定量法より求めた結合型B6の回収率から逆算して, 今回単離した化合物が穀・種実中のB6の主要な存在形態の一つであると判断した。この結合型B6はβ-グルコシダーゼの作用によってほぼ等モル量のPINを生成し, さらに酸加水分解, NaBH4還元, TMS誘導体へ転換の後, ガスクロマトグラフ分析によって等モルずつのPINとグルコースとから成ることが判明した。
    PIN-β-GをB6欠乏ラットに与え肝臓および血球におけるGOTとシスタチオナーゼの活性に対する影響を調べると, 経口投与の場合PINと同等の栄養効果を発揮することが確かめられた。しかし尾静脈より注入した場合, PIN-β-Gの効果はPINに及ばなかった。
    以上の結果, 穀・種実に広く存在する主要な結合型B6の一部はPIN-β-Gであり, 食飼料成分として消化管内に取り入れられたPIN-β-Gの多くは腸内において水解作用をうけたのち吸収されると推論した。
  • 女屋 光子, 渡辺 幸雄, 太田 富貴雄, 綾野 雄幸
    1979 年 32 巻 2 号 p. 111-117
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    カナダ産のファーバビーン (vicia faba L., var. minor) からデンプンを分離し, その2, 3の性状を調べた。
    1) デンプン粒の形状は楕円形で, その長径は15~40μの範囲にあり, 平均粒径は23.8μであった。また複粒が確認された。X線回折図形はKatzの分類におけるC図形に属した。
    2) アミログラムからは, 粒度曲線の立上り温度が70℃で, 加熱にともない粘度が徐々に上昇し, ブレークダウンはなく, コンシステンシーが大きいことが認められた。加熱時の最高粘度は7%濃度で230BU, 9%濃度で590BU, であり, ソラマメデンプンよりは高いが, バレイショならびに普通トウモロコシデンプンにくらべかなり低いことが示された。
    3) アミロース含量はヨウ素呈色度による方法で求めた場合22.1%, ヨウ素親科力による方法で求めた場合, 29.9%となり, 他の豆類デンプンに比し高い部類に属した。4) α-アミラーゼならびにラット小腸抽出酵素による消化性はソラマメデンプンよりは優れているが, 普通トウモロコシデンプンよりは劣った。
  • 笠原 賀代子
    1979 年 32 巻 2 号 p. 119-122
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    鮒鮨の全香気成分H. S. V. およびカルボニル成分の同定, ならびに全香気エーテル抽出物の分離, 同定をGLC分析およびGC-MS分析により実施した結果, カルボニル成分として, アセトアルデヒド, プロピオンアルデヒド, メチルエチルケトン, アセトインの4成分, アルコール成分として, エチルアルコール, n-プロピルアルコール, n-ブチルアルコール, sec-ブチルアルコール, イソアミルアルコール, フルフリルアルコール, β-フェニルエチルアルコールの7成分, 酸性成分として, 酢酸, プロピオン酸, イソ酪酸, n-酪酸, イソバレリアン酸の5成分, エステル類としてn-カプロン酸エチル, 乳酸エチル, ミリスチン酸エチル, パルミチン酸エチルの4成分, 炭化水素としてn-ペンタデカン, n-ヘブタデカンの2成分の計22成分を同定した。これらのうち, エチルアルコール, 酢酸およびn-酪酸が主要香気成分で, 官能的にも鮒鮨特有の酸臭をおびた発酵臭を感じさせ, 鮒鮨香気に重要と考えられる。さらにβ-フェニルエチルアルコールや乳酸エチルは鮒鮨のさわやかな芳香に関与していると考えられる。
  • 梶本 雅俊, 中川 一郎, 名取 靖郎
    1979 年 32 巻 2 号 p. 123-134
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ラットにおけるたん白質栄養および個別と群居の長期影響を自然死するまで種々の生理, 生化学的指標を用いて観察した。
    実験I: 長期飼育におけるたん白摂取レベル (10, 18, 27, 36%カゼイン食) の影響実験II: たん白摂取レベル (10, 27%) と個別と群居 (1ケージあたり1匹と6匹) の影響
    実験III: たん白摂取レベル (10, 27%) および加齢 (14, 20, 50週齢) の肝酵素活性に及ぼす影響以上の三つの実験を行ない以下の結論を得た。
    1) 成長期においては10%たん白食群の成長が最も悪く, 27%群が最も良好であったが, 生後20週以後は差が小さくなった。
    2) たん白効率は雄がよかった。
    3) 生存曲線を描いて評価すると, 低たん白レベル (10%カゼイン) にくらべて高たん白レベル (18%, 27%および36%カゼイン) で飼育したほうが長命の傾向があることが明らかになった。ただし各群における最長生存日数には差がなかった。また個別および群居飼育間の差は認められなかった。
    4) 死亡時の肉眼的病理所見は大部分は肺炎の履歴があり27%, 36%たん白群に乳腺腫や脳下垂体異常が多く見られた。
    5) 群居の影響は雄の成長期に27%個別群が27%群居群より成長がよく, 雌の10%群居群の摂取量が10%個別群のそれよりも少なく成長が悪かった。27%群居群は27%個別群より早期に乳線腫の発生が見られた。
    6) 加齢に伴ってγグロブリンの上昇が見られA/G比の低下が著明であった。
    7) 血清アルカリ性ホスファターゼ活性値は加齢にともなって低下し, 主として小腸由来のものであった。
    8) 雌ラットにおける肝ヒスチダーゼ活性の高たん白食による酵素誘導能は加齢にともなって低下したが, カタラーゼ, ATPアーゼ, アルカリ性ホスファターゼ活性は年齢, 性別, たん白レベルのいかんにかかわらず, ほぼ一定であった。これら酵素の活性を測定することによってラットの平均余命を推測できるというRossの主張は支持できない。
  • 鈴木 和春, 菅家 祐輔, 五島 孜郎
    1979 年 32 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    生体内ミネラル (Zn, Fe, Cu, Mg, Na, K, Ca) 含量と金属酵素 (アルカリホスファターゼ (APase), トリプトファンピロラーゼ (TPase)) 活性におよぼす女性ホルモン (E2) の影響を調べるために, 雌性ラットを去勢し, 2週間にわたり毎日, 皮下注射した。その結果肝臓および子宮の湿重量, 乾燥重量とも増大し, それに伴って, ほとんどのミネラルが増加した。この増加はおそらく他のプールからの移動によるものと思われる。n含有酵素であるAPaseは, 脳, 肝臓, 腎臓ともE2処理によりZn濃度が減少していたにもかかわらず, 脳で不変, 肝臓と腎臓で上昇した。Fe含有酵素のTPaseも, Fe濃度がE2処理で減少した肝臓で, 活性に変化が認められなかった。以上のことから, 女性ホルモンによってもたらされる組織内ミネラル濃度の変動と金属酵素の活性変動の間には直接的は関係はないように思われる。
  • 1979 年 32 巻 2 号 p. 145a
    発行日: 1979年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 32 巻 2 号 p. 145b
    発行日: 1979年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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