栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
33 巻 , 5 号
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  • 石井 静江, 長谷川 忠男, 鈴木 隆雄
    1980 年 33 巻 5 号 p. 277-281
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ラットに高コレステロール血症なおこさせキリンサイ粉末および粘質物粉末を投与してコレステロール代謝におよぼす影響な調べた。
    1) キリンサイ粉末投与時における血清コレステロール値は高コレステロール群に対して約40%の減少な示したが, 肝臓コレステロール値に顕著な変動が認められなかった。
    2) キリンサイ粘質物粉末を2%および5%のレベルで投与したところ, 粘質物が多いほど血清, 肝臓コレステロールは低下し, とくに5%レベルでは, ペクチン2%飼料群と同レベルまで抑制されていた。
    3) キリンサイ粉末投与時におけるコレステロール低下速度について検討したところ基本飼料投与時と比較して低下速度は早い傾向を示した。
  • 綾野 雄幸, 太田 冨貴雄, 渡辺 幸雄, 三田 浩三
    1980 年 33 巻 5 号 p. 283-291
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    脱脂米ヌカについてDFの分析を行なうとともに, DF標品を分離調製してラットの食餌に添加し, 血清ならびに肝臓コレステロールに及ぼす影響を調べた。
    1) 脱脂米ヌカ (乾物として粗繊維10.6%) の繊維質をVan Soest法で分析した結果, 乾物としてセルロース7.6%, ヘミセルロース14.0%, リグニン4.4%で, Southgate法で求めた結果とほぼ一致した。
    2) 脱脂米ヌカから分離したNDF標品 (セルロース29.3%, ヘミセルロース47.5%, リグニン16.3%) およびADF標品 (セルロース60.2%, ヘミセルロース5.0%, リグニン33.4%) を走査型電子顕微鏡で観察した結果, NDF標品は細胞壁部分がほぼそのままの形態で残されており, ADF標品はヘミセルロースが除かれているため, 細胞壁が壊れているのが認められた. 両標品のin vitroにおけるコール酸ナトリウムの見かけの吸着量は, 乾物1g当たり, NDF標品17.9mg, ADF標品16.2mgであった。比較として用いた粉末セルロース (セルロース90.9%, ヘミセルロース10.7%, リグニンtrace) は非常に弱い吸着性を示した。
    3) NDF, ADFの両標品ならびに粉末セルロースの血清ならびに肝臓コレステロールに対する影響をラットを用いて試験した. 試験標品は高コレステロール飼料 (コレステロール1%, 胆汁酸塩0.25%を含む) に5%レベルで添加した。NDF標品は血清コレステロールの上昇を有意に抑制し, 肝臓コレステロールも低下の傾向を示した。ADF標品ならびに粉末セルロースは血清ならびに肝臓コレステロールレベルの上昇抑制に効果を示さなかった。とくにADF標品は肝臓コレステロールを有意に上昇させた. これらの結果から, NDF標品中のヘミセルロース区分はコレステロールの上昇抑制に何らかの形で関与しているものと推定した。
  • 山内 直樹, 田村 順介, 緒方 邦安
    1980 年 33 巻 5 号 p. 293-298
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    本研究はオクラ果実の還元型アスコルビン酸 (ASA) ならびにフェノール物質含量を異なった施肥条件で生育させることにより調節を行ない, さらにこのような条件下で生産された果実の1℃貯蔵時の低温障害の発生様相について検討を行なったものである。
    1) オクラの栽培はA 〔標準区: N (硫安-9.6g/ポット), P (過リン酸石灰-14.2g/ポット), K (硫酸カリ-4.0g/ポット) 〕, B (2N, P, K), C (N, 2P, K), D (N, P, 2K), E (2N, 2P, 2K), F (-, P, K), G (N, -, K), H (N, P, -), I (無肥料) の9区を設定し行なった。
    2) オクラ果実の生育は標準区Aに比べ, 果実重に関してはB, E区で優れ, 収穫果実数に関しては, F, Iで少ない傾向を示した。
    3) オクラ果実の成分におよぼす施肥の影響をみたところ, ASA含量はB, E区で多く, F区でもっとも低含量であった. フェノール物質含量はASA含量とは逆に, E区でもっとも低含量を示し, F区で高含量を示した. またpolyphenol oxidase (PPO) 活性は各区とも大差がなかった。
    4) 全施肥区のナクラ果実を1℃貯蔵したところ, すべての果実でかっ変の発生がみられたが, その進行程度は各区で異なりA, F区で著しく, B, E区で抑制された. またB, E区では貯蔵中, ASA含量の減少が抑制され, さらにo-ジフェノール含量も, A, F区にみられたような急激な減少は認められなかった。B, E区のPPO活性の変化はほとんど認められなかった。
    5) 収穫時のASA, o-ジフェノール含量ならびにPPO活性と1℃貯蔵4日後の果実表面の色度 (a値) との相関関係についてみたところ, ASA含量とa値の相関がいちばん高く, ついでo-ジフェノール含量とa値との間に相関があり, PPO活性とa値との間にはほとんど相関関係は認められなかった.
    6) 以上の結果から, 収穫時のASA含量が多く, またフェノール物質含量の少ないオクラ果実, ならびに貯蔵中両物質の低下がみられない果実において低温障害の進行が抑制されることを認めた。
  • 磯本 八重子, 山下 かなへ, 芦田 淳
    1980 年 33 巻 5 号 p. 299-304
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    15%カゼイン飼料を与え, 2種類の系統の異なったラットを用いて環境温度を変化させた場合に, 窒素代謝が異なるかどうかを試みた. その結果, 以下の結論を得た.
    1) CDラットは23℃でも10℃でも体重増加量に差はなかったが, Fラットの場合には10℃での体重増加量が23℃の場合に比べて減少した。
    2) 100g体重あたりの飼料摂取量を測定してみると, 10℃ではFラット, CDラットともに同程度増加した。したがって, 10℃でFラットの体重増加量が減少したのは, 飼料摂取量が減少したためではない。
    3) 100g体重あたりの窒素排泄量については, 23℃に比し10℃で排泄量が増加した. その増加の程度はFラットのほうが大きかった。また, 窒素摂取量に対する窒素排泄量の比はFラットのほうが大きく, 10℃では差が開く傾向が認められた。
    4) 23℃に比し10℃では, Fラット, CDラットともに100g体重あたりのクレアチニン, クレアチン排泄量が促進され, とくにFラットの排泄量の増加は大きかった。
    5) 100g体重あたりのアラントイン排泄量も低温で増加したが, とくにFラットの場合に増加程度は大きかった。したがって, Fラットの場合には核酸の分解が促進されているようである。
    6) 以上の尿中成分を分析した結果を総合して考えると, Fラットの場合に低温で体重増加量が小さくなったのは, 体たん白質の分解がより促進されたためであろうと考えられる. そして, アラントイン排泄量もFラットの場合に10℃で増加したので, RNAの分解が低温で促進されたと考えられる。
  • 渡辺 敦子, 岩田 伊平
    1980 年 33 巻 5 号 p. 305-308
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    レモン酒のように, 果皮が酸性の果汁に接するような加工品においては, 保存中に香りが変化するものがある。この一要因として, 酸性溶液中におけるβ-ピネンの変性が考えられる。そこで, β-ピネンをエタノールに溶解してクエン酸溶液中に保存し, ヘキサン抽出により得られたβ-ピネンの劣化物をカラムクロマトグラフィーにより分離した. 分離した各成分は, GLC, IR, NMRおよびMSにより同定確認を行ない, それらの生成経路についても検討した。
    1) β-ピネンの劣化物として4- (1-ethoxy-1-meth-yl) ethyl-1-methylcyclohexeneおよびα-terpineolが分離された。2成分のGLCおよびIRは, 合成品のそれらとよく一致した。
    2) β-ピネンが変性してα-terpineolを生成し, エタノールの共存により, 4- (1-ethoxy-1-methyl) ethyl-1-methylcyclohexeneを生成した。
    3) α-terpineolは, β-ピネン変性時のきわめて特徴的な香りを示した。
  • 五十嵐 脩, 庄司 典子, 金子 佳代子
    1980 年 33 巻 5 号 p. 309-315
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    脂質過酸化物を負荷したラットに, BHT, B2-TB, EA, ENを投与し, 脂質過酸化物投与の赤血球の酸化的溶血率, 肝・血漿TBA値, 肝GSHpx活性への影響を調べ, 次の結果を得た。
    1) 脂質過酸化物投与は, 赤血球の酸化的溶血率を亢進させること, すなわち, E欠乏を増大する方向で作用すると考えられる。
    2) 脂質過酸化物投与は, 肝・血漿における過酸化脂質量を増大させる. また, EA, EN投与はこの増大を抑制する方向に働くが, 過酸化物非投与群のEA, EN群ほどのレベルには低下させない。
    3) 肝GSHpxは過酸化物投与で活性が低下し, EA, EN投与で回復する。
    4) 肝GSHpx活性は, 過酸化物非投与群ではE欠乏で増大することが認められた。
  • 宮岡 洋子, 水上 戴子, 堀川 蘭子
    1980 年 33 巻 5 号 p. 317-325
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    たん白欠乏状態の白ネズミに3種類の質の異なるたん白食 (10%カゼイン食, 10%アルブミン食, 20%グルテン食) を投与し, たん白欠乏からの回復途次の動物の血漿, 肝臓, 筋肉中のFAAパターンおよび各組織FAA濃度/血漿FAA濃度比の動態について検討した。その結果, つぎのことが明らかとなった。
    1) 血漿・肝臓のFAAパターンは, RC群では5~7日ごろにC群パターンに回復したが, RA・RG群では (RG群の血漿を除き) それぞれ特有のパターンを示した。また, 筋肉のFAAパターンは3群ともC群パターンとは異なった。
    2) 肝臓EAA濃度/血漿EAA濃度比は, たん白欠乏時ほとんど変化しなかったが, たん白欠乏からの回復途次にはかなり変動がみられ, とくに分岐鎖アミノ酸では特徴的な変化がみられた. すなわち, RC・RA群では回復3日まで急上昇し, その後低下したのに対し, RG群では回復途次上昇傾向がみられた。この濃度比の変化は, 肝臓のprotein/DNA比の変化と類似していた。
    3) 筋肉EAA濃度/血漿EAA濃度比は, たん白欠乏時およびその回復途次に大きな変化を示さなかった。一方, NEAAの濃度比はたん白欠乏時低下し, とくにAsp, Ala, Glu, Glyではその低下が著しかったが, 回復3日ごろまでにはC群の値に回復し, その後一定した。このNEAAの濃度比の変化は, 筋肉のprotein/DNA比の変化とほぼ一致した。
  • 池上 幸江, 中村 敦子, 小野 悟, 永山 スミ子, 印南 敏
    1980 年 33 巻 5 号 p. 327-333
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    幼白ネズミを用いて, ビタミンA貯留量および過酸化脂質量に対するPCBの作用が, β-BHCの複合によって増強されるか, さらにこれらに対するチトクロームP-450の誘導との関連について検討し, 次のような結果を得た。
    1) PCBを0, 0.01, 0.05%含む飼料を10日間投与したとき, 白ネズミの肝臓の肥大, 肝臓および血清のV.A量の著明な低下とTBA値の上昇, P-450の誘導がみられた。また, 有意な体重増加の抑制はPCB 0.05%においてみられた。
    2) β-BHCを0~0.01%含む飼料を2ないし4週間投与したとき, 白ネズミの体重増加量, 肝臓および血清のビタミンA含量には有意な影響はみられなかった. β-BHCを0.01%含む飼料では, 4週間飼育で肝臓の肥大, 肝臓のTBA値の上昇がみられた。
    3) PCBの0~0.1%に対して, β-BHC 0.002%および0.01%を同時に投与したとき, 体重増加量, 肝臓重量, 肝臓および血清のビタミンA量に対するPCBの作用が, β-BHCによって増強されることは認められなかった。
    4) β-BHC 0.002%, 0.01%の単独投与では肝臓のTBA値にほとんど変化がみられなかったが, β-BHCの両レベルにPCB 0.01, 0.05, 0.1%を組み合わせて投与すると有意にTBA値は上昇した。しかし, PCB0.1%の単独投与にくらべてその値は低く, β-BHCがPCBによるTBA値の上昇を抑制する作用をもつことが判明した。
    5) PCB 0.1%にβ-BHC 0.01%を組み合わせたとき, 肝臓ミクロゾームのチトクロームP-450の誘導が増強された。この誘導は肝臓のビタミンA含量の低下や過酸化脂質の増加とはかならずしも相関していなかった。
  • 森口 覚, 岸野 泰雄, 小野田 博一
    1980 年 33 巻 5 号 p. 335-341
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    徳島県下住民, とくに農業従事者についての食物摂取状況と身体状況との関連をその相関関係の面から, さらに多変量解析 (主因子法) による食物消費決定因子と身体状況との相関関係についても断面的に追求した。そのなかで納得のいく統計結果がえられたものもあるが, なお今後の検討が必要だと思われる。そのためには同一地域の住民を継続的に調査したり, 立地条件の類似した地域の調査をふやす必要があると思われる。その点, 今回の検索はあくまでも断面調査による相関をみたものではあるが, 地域差などによる食生活の変化を原因とし, 健康状態に差が生ずるとする一面から因果関係を追究するうえに, 一つの方向づけを行ないえたものと考える。
  • 福本 順子, 中島 けい子
    1980 年 33 巻 5 号 p. 343-345
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    15分間太陽光線照射した市乳のリボフラビン含量は, 180分間蛍光灯照射したものと同じ程度の分解を示したが, 赤色フィルターは, 太陽光線のエネルギーが非常に高いにもかかわらず, 蛍光灯照射とほとんど同じ防止効果を示した。このときの青色, 褐色フィルターのリボフラビン分解防止効果は, 蛍光灯照射に比較して小さい。生乳を太陽光線処理すると, 市乳とちがって, ビタミンCが含まれているため, このビタミンCが存在する15分間は, そのリボフラビン分解が抑制される. 同様に, 青色, 褐色および赤色フィルターのリボフラビン分解防止効果も, 市乳と生乳では異なり, 生乳に対する防止効果が一般に低い. これは, 市乳と生乳の成分あるいは, その存在状態の差によるものと推定される. いずれにせよ, 赤色フィルターによるリボフラビンの光分解防止効果は, 顕著であり, この観点からすれば, 牛乳ビンは, すでに一部で用いられている褐色ビンは, ほとんど効果がなく, 赤色ビンを用いたほうがよいと判断される。
  • 中村 良, 朝倉 晴子, 古川 容子, 林 眞二
    1980 年 33 巻 5 号 p. 345-349
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 日本梨摘果果実のたん白質は, 微アルカリ性のpH領域では抽出されにくく, 界面活性剤を加えることにより, その抽出量を増加させることができた. この場合の界面活性剤としては, HLB値の比較的高いものが望ましく, 食品添加物として認められているものとしては, ソルビタン・モノラウレートがよい結果を示した。
    2) 界面活性剤を加えて抽出したたん白質は, 溶液のpHを酸性に調整した後に, 同容のアルコールを添加することにより, ほぼその全量を沈でんさせることができた。
    3) 抽出たん白質のアミノ酸組成は, 含硫アミノ酸の含量がわずかに低いことを除けば, 他の必須アミノ酸のバランスもよく, E/T比も高いので, 良質なたん白質と考えられた。
  • 岩崎 良文
    1980 年 33 巻 5 号 p. 349-351
    発行日: 1980/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    In this study, we have investigated the effect of caloric intakes in 15 subjects (9 males and 6 females ranging in age from 48 to 66) and the effect of P/S (polyunsaturated/saturated) fat ratio in 9 subjects (7 males and 2 females aged from 50 to 64) on HDL-C, total cholesterol (TC) and triglyceride (TG) levels in plasma. All subjects were selected from inpatients with low HDL-C level (<45mg/dl).
    In the first study (Fig. 1), the subjects were placed on 20-25 Cal (per kg of ideal body weight), 25-30 Cal and 30-35 Cal test diets containing almost constant amount of protein and fat. Each subjects was given one of the test diet for 14-17 days with interval. The order of the diet was randomized. P/S fat ratio of the diet was maintained between 1.0 to 2.0 and daily cholesterol content was 0.3 to 0.7g. When compared to the control, HDL-C was raised (p<0.01) by 20-25 Cal and 25-30 Cal diets. TG was lowered (p<0.05) by 20-25 Cal diet. Hypocaloric diet containing less than 30 Cal with medium P/S ratio shows to offer the advantage with respect to HDL-C and TG metabolism.
    In the second study (Fig. 2), the test diets of different P/S fat ratio from 0.3-0.7, 1.0-2.0 and 3.0-4.0 were respectively administered for 14 days. The diets were isocaloric (20-30 Cal per kg of body weight) and contained 0.3-0.9g of cholesterol. The diet with the lowest P/S fat ratio was initially administered, medium and then the highest one continued with no interval. All subjects lost the weight during the test. HDL-C was increased (p<0.01) by the diets with medium and the highest P/S fat ratio. Also the highest P/S ratio diet reduced (p< 0.05) TC level. Though the increment of HDL-C was observed, it was possibly due to the ef-fect of limited caloric intake provided by the test diet. Accordingly the effect of polyunsa-turated fat on HDL-C remained to be clarified.
  • 1980 年 33 巻 5 号 p. 361
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
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