1) 牛乳及び乳製品にCを強化せんとして先ず牛乳, 豆乳中におけるC安定度試験を行つた結果, 加熱の場合, 銅イオン添加の場合, 直射日光照射の場合, 冷庫貯藏の場合いずれにおいてもその安定順位は (牛乳+豆乳)>豆乳>牛乳であつた。
2) 牛乳と豆乳を混合した場合にCは安定である。この最適配合割合は牛乳, 豆乳=3:7である。
3) 豆乳中に添加したCが牛乳中に添加した場合より安定なる原因を檢討した。
先ずB
2とCの混合液について檢した結果B
1はCの共存によりでB
2の光分解を抑制するがCはB
2の共存にて破壊が進む。この事實は牛乳中にあるB
2がCの破壊を促進することを示すものである。これに豆乳中でCが牛乳中より安定なる原因の一つと考えられる。然しB
2量を一定としても矢張豆乳中の方が良好である。ここにおいで牛乳及び豆乳より夫々カゼイン, グリシニンを分離して夫々についてしらべた結果, (カゼイン+グリシニン)>グリシニン>カゼインの順位であり, (牛乳+豆乳) の優秀性は異種蛋白質の粗合せによると考えちれる。
以上の結果より牛乳及び乳製品にCを張化する場合にグリシニンを適量配合ずればCは安定化され更に蛋白質の改善にもなると考えられる。
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